2009年12月21日月曜日

おかしな仲間たち

プールにはいろんな人が来る。
若い娘はめったに来ない。
来るのはおじさん、おばさん、
じじとばば、それと小学生だ。

年寄りは揃って元気がいい。元左官屋さんの
Kさんは、とっくに古稀を過ぎているのに、
なぜかバタフライ一筋。

本人は「バテフライだよ」と謙遜するが、
なかなかどうしてサマになっている。
「三途の川をバタフライで渡るんだ」
これには大笑いし、また感動もした。
Kさんのバテフライを見たら、
賽の河原の鬼もビックリするだろうなァ。

一方、ラッコみたいに仰向けになり、
優雅なストロークでのんびり泳ぐ
おっさんもいる。あだ名は「クラゲ」。
KY(空気読めない)人間の典型で、
ほとんどレーンを一人占めし、みんなの
ひんしゅくを買っている。

最近「クラゲ2号」も現れた。
地球温暖化の影響ではないか、と
みんなで噂し合っている。

「キリスト様」と畏怖されるおじさんもいる。
風貌は十字架刑に処せられたイエスそのもので、
どこか悲壮感が漂っている。聞けば腰痛に悩んでるそうで、
ひたすら歩きまわる。すでに退官したが、
元は東大の哲学教授だという。

おじさんやおばさんもいいが、
たまに若い娘が入ってきたりすると、
プールの水が清められるような気がする。
なかには「聖水だ」といって、娘の周囲の水を
うまそうに啜るスケベなおっさんもいる。

「どう? うまかった?」
聞いてみたかったが、
はしたないのでやめた。

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