久しぶりに歯ごたえのありそうな仕事が舞いこんできた。
毎日、キリギリスのように歌ったり踊ったりして遊んでばかりいるので、
「奥方を働かせ、酒ばかり喰らっておる。おい、少しは女房孝行したらどうだ?」
おそらく天の声だろう。某出版社から秋口までに2冊の本を書いてくれとたのまれた。
5ヵ月で2冊? ウーン、老骨の身にはちょっと厳しいかも。
放蕩三昧のキリギリスが急にアリになれと云われてもねェ……。
で、いまはしぶしぶ資料読みに精出している。
概して資料や参考文献というのは、どれもたいがい面白くない。
歴史学者の磯田道史は「資料読みほど心躍るものはない」
などと云っているが、ボクはそれほど面白いとは思えない。
資料に目を通していると、書くテーマが徐々に絞り込まれてくる。
最初は頭の中がグチャグチャで、何がなんだか収拾がつかないような状態だが、
時が経つとだんだん発酵してきて、いい香りを放ってくる。
その発酵期間がたっぷりあれば、比較的よい原稿が書ける。
朝早くから資料読みばかりしていると、さすがに飽きる。
そんな時は何をするかというと、近くを散歩したり、軽い筋トレをしたりして
気分を変える。学生の頃はよく小説を読んでいた。試験が近くなると、
肝心の試験勉強をせず、まるで関係のない小説の世界に逃避していたのである。
そのクセが抜けきらないのか、いまでも貴重な時間をつぶして小説に没頭したり
してしまう。ボクは筋肉が「速筋(白い筋肉)」で、瞬発力には優れているが
持続力がない。逆に女房は「遅筋(赤い筋肉)」で、マラソンなどが得意だった。
この筋肉の違いは脳の働きにも係わっているのか、女房はコツコツと仕事を
積みあげていくタイプだが、ボクはまったく逆で、ほとんど一夜漬けみたいにして
仕事と向き合う。崖っぷちに追い込まれないと、容易に腰を上げないのだ。
というわけで、資料読みの合間に小説を読んでいる。
百田尚樹の『カエルの楽園』(新潮社)がそれで、2時間ほどで読み終わってしまった。
「これは私の最高傑作だ」と百田は臆面もなく自画自賛しているようだが、
例によって朝日など左翼反日新聞などからは完全に黙殺され、
アマゾンで売れゆきナンバーワンの本なのに書評欄に取りあげられることはない。
その理由は読めばよく分かる。
帯にはこうある。
《安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、
平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、
奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていた。ある事件が起きるまでは――》
背表紙には《全国民必読。圧巻の最新長編》とある。
大きく出たものだが、〝最高傑作〟かどうかはともかく、まあまあ面白く読めた。
これはあくまで寓話だが、読んでいて、著者が何を言いたいのかすぐわかった。
結論のつけかたまで予測できた。なぜか? 百田とボクの頭の中身はそれほど
異ならず、国の行く末に関しても、同じような考え方を持っているからだ。
この寓話の中にはハンドレッドというひねくれ者が出てくる。
名前からして、もろ筆者の分身である(笑)。
「デイブレイク」とは何か? 「スチームボート」とは何のことか?
「ハンニバル」は何の表意であるか? 「三戒」とは? 念の入ったことに、
尻の青い「フラワーズ」まで登場してくる。
よほど世情に疎いバカでないかぎり、これらが何を意味しているかはすぐ分かる。
江戸末期にこんな狂歌が流行った。
泰平の眠りをさます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず
デイブレイクにしてもスチームボート(蒸気船→黒船→美国)にしても、
あまりに直截な表現なので、つい笑ってしまった。
「三戒」を守っていれば、平和な楽園が保てるとするツチガエルたち。
凶暴なウシガエルたちに〝友情草むら〟を提案し、ノーテンキな共存を
夢見るおバカさんも出てくる。
「東シナ海を友愛の海にしよう」
と提案した宇宙人みたいな元総理がいたが、
せっかくカエルに生まれ変われたのに、相変わらずバカをやっている。
「こんど(ハンドレッド氏と)一緒に一杯やりませんか?」
某雑誌の編集長から誘われたことがある。
面白そうだが、カエルと盃を交わし合うのは、
ずっとずっと先のお楽しみにしておこう。
※追記
28日、元デイブレイク、じゃなかった朝日新聞の論説主幹・若宮啓文氏が
訪問先の支那は北京市内のホテルで死亡していることが分かった。
死因は分かっていない。享年68。
←朝日、毎日などの左翼反日メディアは、
たぶん徹底無視するだろうな。でも、ここに書かれた
警世の中身を真剣に考えなければ、ニッポンの
day-breakはありませんぞ。
毎日、キリギリスのように歌ったり踊ったりして遊んでばかりいるので、
「奥方を働かせ、酒ばかり喰らっておる。おい、少しは女房孝行したらどうだ?」
おそらく天の声だろう。某出版社から秋口までに2冊の本を書いてくれとたのまれた。
5ヵ月で2冊? ウーン、老骨の身にはちょっと厳しいかも。
放蕩三昧のキリギリスが急にアリになれと云われてもねェ……。
で、いまはしぶしぶ資料読みに精出している。
概して資料や参考文献というのは、どれもたいがい面白くない。
歴史学者の磯田道史は「資料読みほど心躍るものはない」
などと云っているが、ボクはそれほど面白いとは思えない。
資料に目を通していると、書くテーマが徐々に絞り込まれてくる。
最初は頭の中がグチャグチャで、何がなんだか収拾がつかないような状態だが、
時が経つとだんだん発酵してきて、いい香りを放ってくる。
その発酵期間がたっぷりあれば、比較的よい原稿が書ける。
朝早くから資料読みばかりしていると、さすがに飽きる。
そんな時は何をするかというと、近くを散歩したり、軽い筋トレをしたりして
気分を変える。学生の頃はよく小説を読んでいた。試験が近くなると、
肝心の試験勉強をせず、まるで関係のない小説の世界に逃避していたのである。
そのクセが抜けきらないのか、いまでも貴重な時間をつぶして小説に没頭したり
してしまう。ボクは筋肉が「速筋(白い筋肉)」で、瞬発力には優れているが
持続力がない。逆に女房は「遅筋(赤い筋肉)」で、マラソンなどが得意だった。
この筋肉の違いは脳の働きにも係わっているのか、女房はコツコツと仕事を
積みあげていくタイプだが、ボクはまったく逆で、ほとんど一夜漬けみたいにして
仕事と向き合う。崖っぷちに追い込まれないと、容易に腰を上げないのだ。
というわけで、資料読みの合間に小説を読んでいる。
百田尚樹の『カエルの楽園』(新潮社)がそれで、2時間ほどで読み終わってしまった。
「これは私の最高傑作だ」と百田は臆面もなく自画自賛しているようだが、
例によって朝日など左翼反日新聞などからは完全に黙殺され、
アマゾンで売れゆきナンバーワンの本なのに書評欄に取りあげられることはない。
その理由は読めばよく分かる。
帯にはこうある。
《安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、
平和で豊かな国「ナパージュ」にたどり着く。そこでは心優しいツチガエルたちが、
奇妙な戒律を守り穏やかに暮らしていた。ある事件が起きるまでは――》
背表紙には《全国民必読。圧巻の最新長編》とある。
大きく出たものだが、〝最高傑作〟かどうかはともかく、まあまあ面白く読めた。
これはあくまで寓話だが、読んでいて、著者が何を言いたいのかすぐわかった。
結論のつけかたまで予測できた。なぜか? 百田とボクの頭の中身はそれほど
異ならず、国の行く末に関しても、同じような考え方を持っているからだ。
この寓話の中にはハンドレッドというひねくれ者が出てくる。
名前からして、もろ筆者の分身である(笑)。
「デイブレイク」とは何か? 「スチームボート」とは何のことか?
「ハンニバル」は何の表意であるか? 「三戒」とは? 念の入ったことに、
尻の青い「フラワーズ」まで登場してくる。
よほど世情に疎いバカでないかぎり、これらが何を意味しているかはすぐ分かる。
江戸末期にこんな狂歌が流行った。
泰平の眠りをさます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず
デイブレイクにしてもスチームボート(蒸気船→黒船→美国)にしても、
あまりに直截な表現なので、つい笑ってしまった。
「三戒」を守っていれば、平和な楽園が保てるとするツチガエルたち。
凶暴なウシガエルたちに〝友情草むら〟を提案し、ノーテンキな共存を
夢見るおバカさんも出てくる。
「東シナ海を友愛の海にしよう」
と提案した宇宙人みたいな元総理がいたが、
せっかくカエルに生まれ変われたのに、相変わらずバカをやっている。
「こんど(ハンドレッド氏と)一緒に一杯やりませんか?」
某雑誌の編集長から誘われたことがある。
面白そうだが、カエルと盃を交わし合うのは、
ずっとずっと先のお楽しみにしておこう。
※追記
28日、元デイブレイク、じゃなかった朝日新聞の論説主幹・若宮啓文氏が
訪問先の支那は北京市内のホテルで死亡していることが分かった。
死因は分かっていない。享年68。
←朝日、毎日などの左翼反日メディアは、
たぶん徹底無視するだろうな。でも、ここに書かれた
警世の中身を真剣に考えなければ、ニッポンの
day-breakはありませんぞ。