カミさんは働きものだ。
亭主の稼ぎが少ないので、
コマネズミのようにせっせと働いている。
仕事はフリーのフードジャーナリスト。「食」に関わる記事を
さまざまな雑誌に書いている。それと単行本の編集。
自分の著作より、他人様の著作づくりに力を入れている。
いわば裏方だ。
最新のものは文藝春秋から出た『「京味」の十二か月』
という本。
新橋にある京料理の名店「京味」で板場を仕切る
西健一郎さんと、顧客の一人であり、西さんとは40年来の
つき合いという作家・平岩弓枝さんとの料理談義だ。
《変わったもんと美味いもんとは違う》
《いま、目の前にあるもんで作るのが料理人や》
これは西さんのご尊父で、西園寺公望公お抱えの料理人
だった西音松さんの語録から抜粋したものだ。
この父子、ともに名人の名をほしいままにしている。
もちろん西・平岩両氏の掛け合いはおもしろい。
そして「京味」十二か月の献立とおせち料理の計100品余が
美しい写真に収められているのが、なおうれしい。
「京味」はミシュランの掲載を断ったという骨のあるお店。
三つ星は確実視されていたが、その心意気やよし、だ。
本の宣伝みたいになってしまったが、
裏方ながら、女房が精魂込めて作った本である。
機会があったらぜひひもといてください。
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