久しぶりに大阪へ行ってきた。
梅田も天王寺も心なしか東京より蒸し暑いように感じた。
サラリーマンだった頃、毎月のようにどこかしら出張したものだが、
大阪は名古屋に次ぐ馴染みの街だった。
毎夜のごとくよく食べ、よく飲んだ。関西の淡味は、
上品な?ボクの舌によく合うのだ。
さてボクには持病がある。何事にもつい暴走してしまうという悲しい病気だ。
とりわけうまいものを前にすると、この暴走が容易に止まらなくなる。
道頓堀に「大たこ」というタコ焼きの名物屋台がある。
当時は威勢のいいオバちゃんが次々と客をさばいていて、
ボクも大阪へ行くたびに顔を出し、大ぶりのタコが入った
熱々をほお張ったものだが、その日はつい食べ過ぎてしまった。
いったい何皿(1皿10個)食べたのかまったく憶えていないが(5皿以上は確か)、
その後に焼き肉屋で、肉とキムチ数皿をしこたま詰め込み、酒をガブガブ飲み、
次いでこってりラーメンを食べ、さらに〆は……
ホテルの部屋に倒れ込むように戻ると、やにわに腹痛が。
七転八倒とはこのことだ。唸り声を上げて床を転げ回り、脂汗たらたら。
呼吸すら苦しくなった。そしてついに救急車を呼ぶはめに。
(わーい、わーい。前から救急車に乗りたかったんだァ!)
なんてのんきな心境ではない。ずっと唸りっぱなしで、もう半分死んでいた。
病院に着いたら急いで点滴注射。あとは何にも憶えていない。
これが世に言う「道頓堀タコ焼き事件」。
「あの聖人のような完全無欠の嶋中さんが、タコ焼きを食べ過ぎ入院?
まったく信じられません!」
もといた会社では伝説の珍事として、また後輩たちへの戒めとして、
今でも語り継がれているという(もうやめてくれ!)。
思い起こせば恥ずかしきことの数々……寅さんの科白じゃァないが、
本を書かずに恥ばかりかいて、よくもまあ、懲りずに生きてきたと思う。
大阪に行くと、「タコ焼きとキムチ」の巻き起こした一大騒動がトラウマのように甦り、
心の古傷がチクチク痛む。
旅の恥は掻き捨て、というが、掻き捨てるべきものが多すぎる。
しかしそのおかげで、今やタコ焼きにも負けず、キムチにも負けぬ
丈夫なカラダを持つに至ったのだから、「禍も福の端」というべきか。
←みなさん、くれぐれも食べ過ぎには注意
してください!
梅田も天王寺も心なしか東京より蒸し暑いように感じた。
サラリーマンだった頃、毎月のようにどこかしら出張したものだが、
大阪は名古屋に次ぐ馴染みの街だった。
毎夜のごとくよく食べ、よく飲んだ。関西の淡味は、
上品な?ボクの舌によく合うのだ。
さてボクには持病がある。何事にもつい暴走してしまうという悲しい病気だ。
とりわけうまいものを前にすると、この暴走が容易に止まらなくなる。
道頓堀に「大たこ」というタコ焼きの名物屋台がある。
当時は威勢のいいオバちゃんが次々と客をさばいていて、
ボクも大阪へ行くたびに顔を出し、大ぶりのタコが入った
熱々をほお張ったものだが、その日はつい食べ過ぎてしまった。
いったい何皿(1皿10個)食べたのかまったく憶えていないが(5皿以上は確か)、
その後に焼き肉屋で、肉とキムチ数皿をしこたま詰め込み、酒をガブガブ飲み、
次いでこってりラーメンを食べ、さらに〆は……
ホテルの部屋に倒れ込むように戻ると、やにわに腹痛が。
七転八倒とはこのことだ。唸り声を上げて床を転げ回り、脂汗たらたら。
呼吸すら苦しくなった。そしてついに救急車を呼ぶはめに。
(わーい、わーい。前から救急車に乗りたかったんだァ!)
なんてのんきな心境ではない。ずっと唸りっぱなしで、もう半分死んでいた。
病院に着いたら急いで点滴注射。あとは何にも憶えていない。
これが世に言う「道頓堀タコ焼き事件」。
「あの聖人のような完全無欠の嶋中さんが、タコ焼きを食べ過ぎ入院?
まったく信じられません!」
もといた会社では伝説の珍事として、また後輩たちへの戒めとして、
今でも語り継がれているという(もうやめてくれ!)。
思い起こせば恥ずかしきことの数々……寅さんの科白じゃァないが、
本を書かずに恥ばかりかいて、よくもまあ、懲りずに生きてきたと思う。
大阪に行くと、「タコ焼きとキムチ」の巻き起こした一大騒動がトラウマのように甦り、
心の古傷がチクチク痛む。
旅の恥は掻き捨て、というが、掻き捨てるべきものが多すぎる。
しかしそのおかげで、今やタコ焼きにも負けず、キムチにも負けぬ
丈夫なカラダを持つに至ったのだから、「禍も福の端」というべきか。
←みなさん、くれぐれも食べ過ぎには注意
してください!