2009年12月28日月曜日

合法的な情婦とは?

『PS,アイラブユー』の作品で知られる
セシリア・アハーン(元アイルランド首相の娘)の
『Love Rosie』を読んだ。

娘の本棚から勝手に拝借したものだが、
読み始めたら、とうとう惰性で読み切ってしまった。
500ページもあったが、それほど苦にはならなかった。

話は夢見がちの女の子たちが好みそうなラブストーリーだ。
幼なじみのアレックスとロージーはアイルランド生まれ。
高校卒業後、それぞれの夢に向かって邁進する。

アレックスの夢は名門大出の医者で、
ロージーの夢は南仏のホテルで働くこと。
2人は心の奥底で、ひそかに愛を育んできたが、
兄妹のように育ち、あまりに遠慮のない間柄だけに、
そのことを口にできない。

ストーリーは2人のe-mail のやりとりを中心に進んでいく。
友人や親兄弟など周囲のものたちも多数登場するが、
すべてネット上の chat room かe-mail の中だけに限られる。

e-mail だけの構成で500ページの小説が書けるものなのか。
僕にはちょっとした驚きだった。

2人は共に、別の相手と結婚し、子供もできるが、
作者のご都合主義というべきか、結婚生活はうまくいってない。

そして最後の土壇場になって大団円を迎える。
ロージーはすでに50歳になっていたが、
愛しいアレックスとついに結ばれるのだ。
「自分の気持ちに素直になったらどうだ?」
と、読者は終始イライラさせられるが、
まずはめでたし、めでたし……。

教訓というほどのものではないが、
やっぱ結婚は、好きな相手としたほうがいい。
「3高(高収入、高学歴、高身長)でなきゃ、イヤ!」
なんてバカなお題目を唱えていると、
好きでもない相手と一緒になり、
でき損ないの娼婦みたいな生活を送るハメになる。

そういえば英語で、妻のことをlawful jam 
(合法的な情婦)とする言い方があったっけ。

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