2015年5月24日日曜日

可愛いトルコ嬢?

「豚肉? 大丈夫ね。餃子はだ~い好き」
こう言うのはトルコから来ている留学生のZ嬢(なにかと個人情報保護とかがうるさくてね。名前は匿しま)。
ちょっと太めだが、色白美人の女子高生である。
「だって、イスラム教徒は豚肉はダメなんだろ?」
「トルコにはダメな人が多いけど、豚肉もお酒も大丈夫という人もいる。
うちはお父さんもお母さんも大丈夫」
「ヘーエ、イスラム教徒にもいろいろあるんだね」

Z嬢の父親はフリーの投資アドバイザーで母親は銀行のお偉いさん。
父親の仕事の関係でアメリカにもフランスにも住んでいたことがあるという。
母国語の他に英語とドイツ語に堪能で、日本留学のおかげで日本語も
それに加わった。去年の9月に来日し、日本の高校に通っているが、
7月半ばに帰国する。昨日は、朝からわが家へ遊びに来たのである。

聞けばラマダーン(断食)は実践するが、メッカの方向に向かって日に5回行うという
お祈りは端折っているという(おいおい、簡単に端折っちゃっていいのかよ)。

(豚肉はOKで、お祈りはしない。でもラマダーンはやる……変なムスリムだな)
イスラム教徒の信仰度合いにも濃淡があるということは知っていたが、
豚肉を平気で食べたり酒を飲んだりするムスリムがいるとは知らなかった。
「でもトルコでは豚肉食べないよ。だって売ってないもん」だって。
豚肉を食べたり酒を飲んだりするのは外国にいる時だけなのだという。ナットク。

Z嬢は原宿とか渋谷といった若者が好きそうな街が逆にきらいだ。
好きなのはどこか泥臭い池袋とか上野。とりわけ上野のアメ横が好きなのだという。
あの猥雑でアジア的な喧騒がどこかイスタンブールのバザールに似ていて懐かしい
のだという。

「AKB48」とか「嵐」といったアイドルグループにもまったく興味がないという。
あの園児のお遊戯みたいな幼稚な歌とダンスについていけないのだそうだ。
「日本ではなんでも〝カワイイ〟が一番。こればっかりだとちょっとウンザリする」
とZ嬢はキッパリ。わが家も全員〝カワイイ文化〟をとことんバカにし、
こきおろしているクチだから、Z嬢の考えには双手を挙げて賛成だ。
日本には大人の文化が育たないのかと、ボクはいつも不満なのである。

トルコ人というと、ボクたちの世代はテレビの司会などで活躍していたロイ・ジェームス
を思いうかべる。彼はいわゆる白系ロシア人で、出生名はハンナン・サファ。
民族的にはタタール人(タタールのくびき、なんて言葉があったな。それとタルタルソースも)なのだという。
Z嬢も純粋なトルコ人ではない。ブルガリア系のトルコ人なのだ。
そういえば顔立ちがどこか琴欧洲に似ている。

すしは好きだけど刺身は苦手というZ嬢。
例の糸ひき納豆もやっぱりダメみたいだ。
「粘るのはいいんだけど、あのニオイがちょっとね……」
と、ジェスチャーたっぷりにイヤイヤをする彼女。そのおどけたしぐさが可愛い。

日本人は外人と見るとむりやり納豆や梅干しを食べさせたがるが、
あの型にはまった、親日度を測るリトマス試験紙みたいな〝お・も・て・な・し〟は
もうやめにしたらどうだ。こっちは彼らの困ったような反応を勝手に面白がっているが、
彼らにしてみればずいぶん迷惑な話なのだ。

餃子をメインにした夕食を終えたあと、デザートに虎屋の羊羹を出した。
総じて豆を甘く煮た饅頭の餡とか汁粉、羊羹などは外国人に苦手とされているが、
Z嬢は逆に大好きだという。羊羹も5ミリ四方に切り分け、ひとつひとつ
噛みしめるようにつまんでいた。変なガイジンである。

かわいい太めのZ嬢。痩せっぽちの撫子(なでしこ)ばかり見慣れているせいか、
ふくよかな肉体がまことに新鮮でまぶしかった。またいっぱい話そうね。






←女房とトルコ娘のZ嬢。
持参のイブリックで本場のトルココーヒーを
いれてくれた。本人は大失敗と恐縮してたけど、
粉っぽくて?とてもおいしかったよ。アリガトね。
(顔もプライバシーの観点から下向きのものを選びました。
ああ、めんどくせー)

2015年5月19日火曜日

「竹中労」の右も左も蹴っ飛ばせ!

●5月某日
玄米食(100%)を始めて2週間になる。これに北海道産の黒千石大豆を炊き込む
こともある。3合炊いて1人前ずつに小分けし、冷凍してしまう。それらを毎食ごとに
取り出してレンジで〝チン〟。噛みごたえがあるから、たいていは一膳で済んでしまう。
おかげで出っ腹がひっこみ、本来の割れ腹筋が蘇ってきたような気がしないでもない)。

女房は麦も玄米もお嫌いなようで、100%「銀しゃり派」。だからごはんは別々に炊く。
なぜ玄米食にしたかというと、身体が欲しているからだ。「もう白いごはんは要らない」
と身体が訴えている。たぶん日頃の不摂生が祟って、本能的にアラームを発している
のだろう。実は数カ月前、特定健診を受けたのだが、どこもかしこもよくないことが
判った。特に〝肝腎かなめ〟の肝と腎がよくない。その他、血糖値、尿酸値、血圧、
コレステロール値などが軒並み〝danger zone〟に突入していて、このままだと
「長生きできませんよ」と警告を発している。

というわけで、ただべんべんと生き長らえたいと虫のいいことを考えているボクは、
卑怯未練にも玄米食に切り替え、腎のためにハトムギ茶を飲み、ビタミンEが豊富で
抗酸化力の強い米油を急遽、ネットで注文した。そのおかげかどうか知らないが、
最近、すこぶる調子がいい。お酒もうまい。で、つい深酒してしまうのだが、玄米と
ハトムギ茶と米油と赤ワインさえあれば天下無敵、と勝手に決め込んでいる。たぶん、
こういうお目出度い男は周りに迷惑をかけながら長生きするのだろう。

●5月某日
7月25日に開催される団地の夏祭りで、7年ぶりにステージに立つ、とはすでに報告
済みだ。今回はハモンドオルガンを弾く相棒NICKとのデュオである。で、練習のため
たびたびNICKの家におじゃまし、NICKが焙煎したというコーヒーを飲みながら、
オルガンに合わせて蛮声を張りあげている。最初は20分くらいの演奏かと思ったが、
出演者が少ないので、45分間、なんとか場を保たせてくれと頼まれてしまった。
結局、8~9曲歌うことになったのだが、はたして観客を飽きさせず舞台を務めることが
できるかどうか。それが問題だ。

●5月19日(火)
本日は嶋中労の「労」の字をいただいた竹中労先生の祥月命日(1991年没)だ。
先生のことは「竹中労務店」ですでに触れたが、案外存在が知られていないので、
再度書く。《竹中労は革命家であり、アナーキストだ》と竹中に関する著作をもつ
鈴木邦男は言っている。若い頃は日共の党員で、フリーのルポライターを始めてからは
雑誌『女性自身』を舞台に多くの歌手や芸能人を取材した。その成果が『芸能人別帳』
であり『無頼の点鬼簿』だ。

竹中労の文章はパワフルだ。遠慮なくズケズケ書く。
当人が言ってないことまでズケズケ書く。そのことを指摘されると、
労先生、少しも慌てず、
《いや、芸能人は言いたくても言えないのだ。それを代わって書いてやるのだ》
と曰う。

これにはボクも同感。労先生は歌手や芸能人、政治家センセーの〝自叙伝〟
なども多く代筆した。その〝えんぴつ無頼〟に憧れるわたくしめもゴーストライター
として売文業に憂き身をやつしている。たしかに時に言ってないことまで書いてしまう。
むしろそっちのほうが多かったりして……(笑)。

ボクは「憑依(ひょうい)」という言葉を弁解がましく使うのだが、
ゴーストになって文を書いている時は、「著者」の霊が乗り移ったような状態で
書いている。だから恐山のイタコの口寄せと同じで、まぎれもないボクの言葉で
はあるのだが、同時に著者の言葉でもある。ボクはイタコ(♪潮来花嫁さんは~)なのだ。

それにしても竹中労はかっこいい。
三島由紀夫の死について書いている文章があって、
《ここまで書いてきて、涙をおさえることができない。私は、天皇をまったく尊敬しない
人間であり、三島由紀夫のいう〝天皇制文化共同体〟の論理に与しない人間であるが、
彼の死に連帯することができる。小ざかしい〝言論の自由〟をトリデにして志しを述べる、
しょせんは文弱の徒であるまいかと、卑小なオノレの物指しで、三島由紀夫を量っていた
不明を、心底から恥じねばならない……》
と、実に率直なのである。

人は無力だから群れるのではない。群れるから無力なのだ
竹中の有名なセリフだが、こんなセリフ、なかなか吐けるもんじゃない。
右も左も容赦なく蹴っ飛ばす労さんの熱き生き方に心からのエールを捧ぐ。




←マスコミ非人を自称した竹中労

2015年5月13日水曜日

腰痛よ、さようなら!

何度も言いますが、私は持病の腰痛から完全に解放されました。
たびたび泣かされてきたギックリ腰ともみごとサヨナラです。
膝の具合は今ひとつですが、それでも見違えるくらいよくなってきています。
みんな筋トレとストレッチのおかげなのです。

腰痛に悩んでいる人は世にごまんといます。実際、周囲を見まわせば腰痛膝痛の患者
ばかりです。それぞれに体操したり腹筋背筋を鍛えたりと、対策を講じているとは思うの
ですが、「決め手がない」とこぼす人もまた多いようです。そんな人たちにシマナカ流の
〝腰痛克服術〟を授けたいと思います。これが実にシンプルなのです。

用意するものは「アンクルウエイト」だけ。足首に巻きつける重しです。
スポーツ用具店で売っていますが、私はディスカウントストアの「ロジャース」で買いました。
こっちのほうがはるかに安いからです(1000円前後)。最初は1キロのものを使っていましたが、
物足りなくなり、いまは1.5キロの〝足枷(あしかせ)〟を装着しています。
家康の人生訓ではありませんが、《人生は重き荷を背負い長き道を行くがごとし》を
そのまま実践しております。

隣町の練馬区大泉学園町に素敵なカフェがあります。
プールの帰りに時々寄ったりするのですが、この店のマダムとたまたま腰痛の話に
なったとき、マダムがこのアンクルウエイトを勧めてくれたのです。自身もお店では
着けていて、ウォーキングの際にも500グラムのそれを手放さないそうです。
そのおかげなのか、永年悩まされていた腰痛ともみごとおさらばし、同じ悩みを
抱える常連さんなどにも推奨しているそうです。

私は腰痛だけでなく膝痛も抱えていますから、藁をもすがる思いで買い求めました。
そしてさっそく膝と腰のための筋トレを開始したのです。なにごとも極端から極端に
突っ走る性格の私は、膝痛を軽減するため、まずは大腿四頭筋(太もも)を鍛える
ところから始めました。椅子に座って左右の脚を直角に上げ下ろしするのです。
もちろん足首にはウエイトが着けてあります。このウエイトを着けたまま左右で20回ずつ、
数セットをこなします。

これで太ももと腹筋がかなり鍛えられます。ただしこれだけに留まりません。
ウエイトを着けた足首にさらに5キロのウエイトをぶら下げるのです。つまり、
片脚に1.5+5=6.5キロの重しをぶら下げます。いまは平気でできますが、
初期の頃、いきなりこれをやったら腹筋が痙()ってしまい、あまりの痛さに
床を転げ回ったことがあります。段階を踏んで徐々に負荷を高めていく、
という悠長なことができない性格なのです。せっかちというよりバカなんですね。

腹筋と背筋の筋トレはすべてこの1.5キロのウエイトを着けたまま行います。
背筋でよくやるのは床に大の字になり、両の手足をそのままエビのように反らせる運動
です。大の字になってスカイダイビングしているかっこうを想像してみればお解りでしょう。
そのエビ反り状態で約20秒。これを数セット繰り返します。

腹筋背筋の次は体幹トレーニングです。ネット上で検索すればいろんなトレーニング法が
紹介されていますが、私がもっぱら励行しているのはこれです。












このままの状態を30秒保ったら、今度は右腕で支えて右脚を上げて30秒。
なんだ簡単じゃないか、と思われるかもしれませんが、初心者はこれだけでも大変です。
まず身体のバランスがとれずにグラつきます。コツをつかみ安定させるまでが大変なのです。

私は例によって足枷1.5キロを着けたままこのポーズをとります。そして右腕と左脚を
屈伸させ、右肘と左膝をお腹のあたりでタッチさせるのです。これを片側30回、
だいたい1分ほどかかります。この運動を左右2セットずつやれば、見違えるほど体幹が
鍛えられます。

女性の場合、アンクルウエイトは500グラムのものが適正ではないでしょうか。
筋肉が付いてきたら1キロのものに替えてもいいでしょうが、あまりムリをすると
筋肉を痛めてしまいます。焦らず続けるのがコツです。

これらのトレーニングのおかげで、水泳も心なしか上達したように思われます。
バタフライを難なくこなせるのは、たぶんこのトレーニングのおかげでしょう。
腹筋・背筋、そして体幹トレーニングは水泳には必須なのです。

昨日、台風6号が関東地方を直撃するというので、バルコニーの植木を移動させました。
とりわけ女房が丹精のバラの鉢植えは重さが数十キロあります。以前の私でしたら、
持ち上げようとした途端に腰を「グギッ」とやってしまうところでしょうが、筋トレで鍛えた
いまの私はヒョイと持ち上げてしまいます。ギックリ腰になる恐れをまったく感じないのです。

私は腰痛で悩む近所の〝人妻〟たちに、この筋トレの効用を機会あるごとに説いています。
場合によっては地ベタに這いつくばり、体幹トレーニングのやり方を実践して見せたりします。
愛想のないおじさんたちにはもちろん教えてあげません。人妻専門なのです。

世の悩める腰痛持ちの皆さま!
私のこの筋トレ法をぜひ実践してみてください。
腰痛は必ず治ります。あとは実行あるのみです。



※後日談
ある朝、なにげなく、何のためらいもなく、腰を折り曲げ、
ひょいと10キロのダンベルを持ち上げようとしたら、
「グギッ」
とうとうやってしまいました。「ギックリ腰の恐れをまったく感じない」
と豪語しましたが、訂正します。何ごとも過信は禁物です。
すぐ調子に乗る、というのがわたしの悪い癖。大いに反省しております。