2010年2月21日日曜日

年寄りの佃煮

日曜日の午後、ジジババの原宿といわれる巣鴨のとげぬき地蔵に行ってきた。
おるわ、おるわ……えらい達者なジジババが佃煮にするくらいぎょうさんおった。

そして、このジジババが実によく食べるんだわさ。
煎餅屋、餅菓子屋、佃煮屋の前は黒山の人だかりで、
試食と称して、茶ァ飲んだり、くず餅食べたり……。
おまけにピーチク、パーチクとおしゃべりが止まらない。
まるで「雀の学校」だ。

それにしても、この地蔵通り商店街は元気だ。
シャッターのおりてる店など1軒もない。
とにかく何を出しても売れそうな雰囲気で、
ジジババの購買欲はすこぶる高い。

一方、巣鴨駅にほど近いレコード店の軒先では、
若者3人が懐かしの昭和歌謡を歌っていた。
ボーカル、ウッドベース、アコーディオン
という組み合わせで、3人ともモボ(モダンボーイ)のスタイルだ。

東京大衆歌謡楽団というグループで、これが実にいい。
歌といい格好といい、ジジババの原宿にピッタリのバンドなのだ。
レパートリーは古賀メロディを中心とした昭和初期の懐かしい歌ばかり。

「東京行進曲」に「啼くな小鳩よ」、「東京ラプソディ」などが次々と
演奏され、藤山一郎ばりの高音が美しいボーカル君が、
直立不動で歌い上げる。二重三重と取り囲んだジジババは、
1曲終わるたびに盛大な拍手だ。

最後の「青い山脈」は皆さんもご一緒にどうぞ、というものだから、
出しゃばりのわたくしめは、人垣を押し分け最前列に。
ボーカル君を凌ぐほどの大声で、朗らかに歌い上げた。

  ♪若く明るい 歌声に 雪崩(なだれ)は消える 花も咲く

   青い山脈 雪割桜 空のはて 今日もわれらの 夢を呼ぶ

ああ、いい気持ち。やっぱ藤山一郎が一番だなや。
ジジババたちも、青春時代を懐かしむように
楽しそうに歌っていた。
 
「お年寄りの原宿」とはよく言ったものだ。
本家の原宿なんぞカネを貰っても行きたくないが、
こっちの原宿は味があっていい。
年寄りパワー、恐るべしだ。

ついでに宣伝してしまうが、ボクも引っ込み思案のくせに舞台に立つのが
好きで、しょぼくれたオヤジ仲間を集めてエレキバンドを組んでいたことがある。
名づけて「Flying fossils(空飛ぶ化石)」。その勇姿がこれ↓






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