2010年2月19日金曜日

ケダモノ化?

「昨日、テレビで、マジすげぇの見た。なんか、ウォーッ!って感じで、
それ見て、マジかよ? って思って、そしたら、エーッ?って、マジありえなくて、
もうなんか、マジやばいって感じ……」
こんな会話を電車内でやっていた。スノボの國母選手みたいなヒップホップ系
のおニイちゃんたちで、「マジ」の大連発。
よせばいいのに、臆面もなく大声でやっていた。

結局、マジすげぇのは何なのか、さっぱりわからなかったが、
どうやら相方には通じているようで、
「それって、マジやばいじゃん」
なんて、しっかり相槌を打っていた。

同じ日本人同士なのに、片や通じ、こなた通じない。
これはいったい、どうしたことなのか。
「ウォーッ!って感じ」と擬声語を発するだけで通じてしまうなんて、
これはすごい才能だ、と感心しかけたが、「まてよ……」
これってもしかして退化の兆候じゃないの?

だって、「ウォーッ!」 とか「エーッ?」とか、
まるで動物の唸り声みたいだ。
余計な言葉を発しないだけco2の削減でエコなんだろうけど、
いくら省エネのエコでも、犬猫じゃあるまいし、
唸ってばかりじゃあね。

数学者の藤原正彦はこう言ってる。
《朝起きてから眠るまで、1ページも本を読まないという人は、
もう人間ではない。ケダモノである》

読売新聞の全国世論調査によると、
1カ月に本を1冊も読まなかった人は53%もあったという。
若年層はもちろんだが、高齢者の本離れも顕著になっているらしい。

藤原の伝でいうと、日本人はだんだんケダモノ化しているようだ。
本を読まないから語彙が貧困で、会話力が著しく低下している。
結果、会話の中身も「ウォーッ!」とか「エーッ?」みたいにケダモノの
唸り声に近くなってきている。
まさか以心伝心というわけじゃないだろ?

アメリカ人も全体の40%は1年に1冊も本を読まないというから、
今や世界的に本離れが進行しているのかもしれない。
これじゃ、おいらの本が売れないわけだ。
な~んて、だんだん言い訳じみてきたけど、
人間が徐々にケダモノと化しているなんて、
マジおそろしい時代になってきた。

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