2012年12月22日土曜日

Xmasの夜は

ぜんぜん仕事がはかどらない。まるで言葉が出てこないのだ。
もっとも、ない頭からむりやり言葉を絞りだし、
300枚の原稿を3週間そこそこで書き上げようというのだから、
ハナから無謀な試みというべきなのかもしれない。
というわけで、またまた気分転換をする。←こればっか!

ボクにもし取り柄がひとつあるとすれば、ひとを肩書きで見ないところだろうか。
これはおそらく小林秀雄や福田恆存、山本夏彦といった師匠連から学んだことだ。
何がきらいって、企業名や役職、肩書きといった威光をかさに着て、
いばり散らす人間ほどきらいなものはない。

高級官僚がまずこれに当たる。「外務省の役人ときたら……」
横浜APECの際、博報堂の社員などと一緒に外務官僚とやり合った女房は、
「もうこりごり」ともらしていた。慇懃無礼ですべてが上から目線。
エリート意識のかたまりで、民間の人間など虫けらくらいにしか思っていない。

政治家も同じ。選挙の時こそ米搗きバッタみたいにへいこらするが、
当選した途端に「おい、そこな町人」というような目つきになる。
だからボクは、できるだけ政治家という人種には近づかないようにしている。
人類の中でも、あまり上等とはいえない種族なのだ。

男には肩書き人間が多い。肩書きこそすべてで、それを失うことを死ぬほど恐れている。
その肩書きをすでに失ってしまったご隠居たちが、わが団地にはウヨウヨしている。
彼らは何かというと、現役時代の肩書きを持ちだしては胸を張ってみせる。
おとうさん、そんなものは何の役にも立たないのですよ。誰も畏れ入ったりはしませんよ
懇々と言い聞かせてやりたくなる。
なんとも哀れな光景ではないか。

人間の真の価値はどこにあるのだろう。
ボクは究極のところ、「人に対するやさしさ」ではないか、と思っている。
せっかくこの世に生を受けたのだ。世のため人のため、何かお役に立てることを
してからあの世に行きたい。人を幸せにするためのお手伝いを何かしてみたい。
こんなことを臆面もなく云うのは、実はとても恥ずかしいことなのだが、
いろいろ考えると、この結論にならざるを得ない。

口なんか悪くたっていい。乱暴者の酒乱でもいい。
どこかに一片のやさしさが感じられれば、ボクはその人を許し愛しもする。
ボクの友だちは数少ないが、みんな心やさしい人ばかりだ。
やさしさは心の余裕と教養から発するものだというから、
たぶんみんな揃って教養人なのだろう。

今年も押しつまってきた。毎年のことながら、ぜんぜん心に余裕がない。
仕事に追いまくられている割には金もない。ないない尽くしで、
今年も暮れようとしている。

Xmasの夜にはお目々パッチリのサブリナが透け透けのネグリジェを抱えて
泊まりに来るという。だからビング・クロスビーばりの美声で『ホワイトXmas』を
歌ってあげることにする。その美しい歌声が天にとどけば、
ひょっとすると、窓外は白銀の世界に一変するかもしれない。
それでは皆さん、メリー・クリスマス!



←♪ 雪は降る あなたは来ない
   雪は降る 重い心に 
              (アダモ)

   ああ、早く仕事が終わらないかな……
  

4 件のコメント:

雪女 さんのコメント...

労様こんばんは


私の友人も皆やさしくて、良い人ばかりです。
また労様もとお~~っても温かい方です。

おやすみなさい。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

雪女様

なんだか冷たそうなお名前ですね。
でも心の中は温かい?

どうせ友だちを選ぶのなら、
心のとお~~~っても温かい人がいいですね。

今年は厳冬だそうです。
風邪など召さぬよう、あったかい部屋で
ぬくぬくしてください。

あっ、雪女だったら溶けちゃうか(笑)。

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、こんにちは。

White Christmasの伴奏はいりませんか?

それはそうと「上から目線」、生来しみついておる方もいるようです。

前回か前々回の選挙のとき、福岡での演説の際、聴衆を前に第一声が「下々の皆様」と言った人がおられました。こんどは内閣の要職に就かれるやに聞き及んでおります。

このひと、ある意味漫画チックな者がお好きなようで秋葉原でも人気者だったとか。

ま、そういう意味では上から目線であるという意識もなかったのではと推察いたします。

では。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

「下々の皆さま、わたしが麻生太郎です」
「あっ、そう……」
 
あの男、ボクはきらいじゃないのだけれど、
世情に疎いというか、しょせん、お殿様なんだよね。

さて、ピアノ伴奏の出張サービスの話ですが、
もう終わっちゃったね。もっと早く言ってくれればよかったのに。

White Christmasはボクがギターをつま弾き
歌いました。カミさんと長女は耳を被って
いましたが、Sabrinaはあの大きな瞳を
輝かせながら、下から目線で
聴き入っておりました。