2012年12月29日土曜日

100円ライターの悲哀

いよいよ右手首の腱鞘炎がひどくなってきた。
頭は冴えわたっていて、いくらでも書けそうなくらいテンションは上がっているのだが、
肝心の手首がいかれてしまっていては、思うように文字が打てない。
以前、ペンで書いていた頃にも、この腱鞘炎に悩まされたものだが、
パソコンに代わったら、今度はキーを叩くのが難儀になってしまった。

この数週間、朝起きるとすぐにパソコンに向かい、ひたすら原稿を打ちまくっている。
腰痛が相変わらずなので、コルセットを巻きながらがんばっているのだが、
いかんせん手首がいかれてしまってはどうにもならない。

金さえあれば秘書を雇って、口述筆記をさせたいところだが、
そんな甲斐性などどこを探してもありはしない。
きつい肉体労働をもっぱらとしている悪友の一人は、
「机に座っているだけでおまんまが食えるんだから、優雅なご身分だね」
などとからかうが、いったいどこが優雅なものか。
ボクみたいな肉体派は、身体を動かし汗をかいているほうが数段楽チンなのである。

今年も余すところ、あと2日になってしまった。
2日間で果たして原稿の残り90枚が書けるだろうか。
ちょっと絶望的な思いがしている。

こんな時は駅前の歯医者に出かけて、例の〝頭ツンツン〟をやってもらえば、
とたんに鼻血ブーで元気百倍、数百枚の原稿も一気呵成に書いてしまうのだが、
そのツンツンをやってもらっているヒマがない。

そういえば、去年の暮れもこんな具合だった。突然、雑誌社から、
「調査捕鯨とシー・シェパードとの闘いについて急いでまとめてください」
などという原稿依頼があり、畑違いのこともあって、
資料読みやら何やらでひっちゃかめっちゃかになってしまった。

ボクたち〝100円ライター〟は、どんな仕事の依頼にも応えなくてはならない。
贅沢を云える身分ではないので、仕事の選り好みなどもってのほかなのだ。

飽きられたらポイと捨てられる、使い捨てライター。
よくぞここまで生きのびてきたと思うが、
そろそろ年貢の納め時が来たのかもしれない。

もともと志の低い人間なので、ベストセラー作家になりたい、
などという大望はハナから抱いていない。またそんな才能もない。
『敦盛』ではないが、人生なんて〝夢幻〟の如きもので、
有名になろうがなるまいが、線香花火みたいにあっという間におわってしまう。

ああ、ほんとうはこんな閑文字を連ねているヒマなどないのだ。
腱鞘炎はどうなったかって? これ、左手1本で書いてます。
やっぱシンドイわ。もう寝ます。


 

2 件のコメント:

博多の女 さんのコメント...


労様こんばんは

私も大学時代、パンのこねすぎで腱鞘炎になりそうになりましたが、まさかパンでとは教授に言えず、練習のしすぎかなあなんてごまかしていました。

キッチン回りの大掃除も済ませ、労様のコーヒーで妹とほっと一息。いい香り~~~

来年も今年同様、得意の引っ込み思案をやめる事が目標です。ああなんて難しいの...。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
いつも珠玉のブログ、楽しみにしております。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

博多の女様

雪女になったり婚活女になったり……、
今度は博多までご出張ですか。

ピアノの練習ではなく、パン生地の
こねすぎで腱鞘炎になりました、
とはさすがに言えんわな。
なんてったって博多女は
ピアニストだもんね。

あれっ? ボクの煎ったコーヒーって、
まだ飲んでんの? もう数カ月経ってるでしょ。粉に挽いてるからもう酸化してるよ。

いい香りも何も、たぶん飲めたもんじゃないよ。ったく、だから素人はいやなんだ。

そうね、女神はちょっぴり引っ込み思案かな。
でも、すぐ図々しくなるから大丈夫。
ボクがそうだったもん。

来年もよろしくね。