Xmasイヴの晩は、若いイタリア人女性サブリナとにぎやかに過ごした。
キリスト教徒にとって、クリスマスは特別な行事で、
日本ではよく恋人同士で過ごす日、みたいに思われているふしがあるが、
クリスチャンにとっては、昔から〝家族とともに過ごす日〟と決まっている。
イタリアから遠く離れ、日本で暮らしてちょうど1年。
女房がたまたま表参道にあるイタリア菓子専門店Sで知り合い、
急速に親交が深まった。去年のクリスマスは、まだ日本に着いたばかりで、
友だちもなく、アパートの自室でひとりさびしいイヴを過ごしたという。
異国に暮らしていると、人の親切が身にしみる。
それは一時期外国で暮らした娘たち2人の話からも察することができる。
ボクは善意の押し売りをするつもりはないが、
困っている人を見ると、つい声をかけたくなってしまう。
何ともお節介で、うっとおしい性格なのである。
以前、地下鉄のプラットホームで、白い杖をついた女性が道に迷っていた。
ボクはすかさず彼女の手を引き、出口まで連れて行ってやった。
すると「ここの出口ではないようです」と彼女が遠慮がちにつぶやいた。
なんと反対側の出口へ案内してしまったのだ。
すかさず引き返したのだが、けっこうな道のりだったもので、
2人は汗だくになってしまった。ああ、ミステイク。
かえって迷惑をかけてしまった(笑)。あれは暑い暑い夏の日でありました。
最近、やたらと〝感情失禁〟が多くなった、という話を以前したことがある。
歳をとって人間が円くなったのか、それとも焼きが回ったのか、よくわからないが、
他人に対してやさしい眼差しを向けられるようになった、というのは事実だろう。
そのやさしさの100倍くらいの量をもっているのが長女で、頻繁に被災地を訪れ、
汗を流してきたところにも、その一端が現れている。
サブリナをクリスマスの夜に泊まりがけで招待したのも、たぶんその延長線上にある話だ。
若い娘が、ひとり自室にこもってクリスマスを祝っている図は、なんともさびしすぎる。
で、お節介にも声をかけ、手づくりのクリスマスを楽しんでもらったのである。
リビングに入って彼女がまず驚いたのは、ピアノの上に掛けられた
やたら大きいイタリアの三色旗だった。
長女がイタリア留学した時に、ホームステイ先でもらったもので、
それを納戸から引っ張り出し飾りつけたのだ。
「うわっ、これ何? アハハハハ……」
いきなり大笑いしていたが、目にはうっすら涙がにじんでいた。
食卓には手巻きずしとスペアリブ。キリスト教徒はイヴの晩に肉を食べない、
と聞いていたが、仏教&神道&似非キリスト教信者の嶋中家は、
そんなことは知っちゃァいない。
「サブちゃんは食べなくていいよ。ボクたちがぜ~んぶ片づけるから」
云うなり、みな無遠慮に骨付きポークにかぶりついた。
すると横目で見ていたサブちゃんも、いつの間にか手を伸ばしてムシャムシャ。
どうやら彼女も、謹厳な原理主義とは無縁のええかげんなクリスチャンだったようだ。
さて透け透けネグリジェを持参するものと期待していたのだが、
湯上がりのサブちゃんが着ていたものは、ウサギの耳のついた
フード付きのピンクのパジャマだった。サブちゃんは殊の外うさぎが好きなのである。
おじさんはひどくガッカリしたものだが、まあ、それはそれでとても可愛かった。
翌日の昼は練馬区光が丘のそば屋でもりそばと天丼をきれいに平らげ、
その翌日に、新年を家族と過ごすため、元気よくイタリアへ飛び立っていった。
サブちゃん、また来年会おうね。
←サブリナの守護神がこのうさちゃん。
なんだか淋しそうな顔してる
←サブちゃんと田舎そば。
このあと天丼も平らげた
キリスト教徒にとって、クリスマスは特別な行事で、
日本ではよく恋人同士で過ごす日、みたいに思われているふしがあるが、
クリスチャンにとっては、昔から〝家族とともに過ごす日〟と決まっている。
イタリアから遠く離れ、日本で暮らしてちょうど1年。
女房がたまたま表参道にあるイタリア菓子専門店Sで知り合い、
急速に親交が深まった。去年のクリスマスは、まだ日本に着いたばかりで、
友だちもなく、アパートの自室でひとりさびしいイヴを過ごしたという。
異国に暮らしていると、人の親切が身にしみる。
それは一時期外国で暮らした娘たち2人の話からも察することができる。
ボクは善意の押し売りをするつもりはないが、
困っている人を見ると、つい声をかけたくなってしまう。
何ともお節介で、うっとおしい性格なのである。
以前、地下鉄のプラットホームで、白い杖をついた女性が道に迷っていた。
ボクはすかさず彼女の手を引き、出口まで連れて行ってやった。
すると「ここの出口ではないようです」と彼女が遠慮がちにつぶやいた。
なんと反対側の出口へ案内してしまったのだ。
すかさず引き返したのだが、けっこうな道のりだったもので、
2人は汗だくになってしまった。ああ、ミステイク。
かえって迷惑をかけてしまった(笑)。あれは暑い暑い夏の日でありました。
最近、やたらと〝感情失禁〟が多くなった、という話を以前したことがある。
歳をとって人間が円くなったのか、それとも焼きが回ったのか、よくわからないが、
他人に対してやさしい眼差しを向けられるようになった、というのは事実だろう。
そのやさしさの100倍くらいの量をもっているのが長女で、頻繁に被災地を訪れ、
汗を流してきたところにも、その一端が現れている。
サブリナをクリスマスの夜に泊まりがけで招待したのも、たぶんその延長線上にある話だ。
若い娘が、ひとり自室にこもってクリスマスを祝っている図は、なんともさびしすぎる。
で、お節介にも声をかけ、手づくりのクリスマスを楽しんでもらったのである。
リビングに入って彼女がまず驚いたのは、ピアノの上に掛けられた
やたら大きいイタリアの三色旗だった。
長女がイタリア留学した時に、ホームステイ先でもらったもので、
それを納戸から引っ張り出し飾りつけたのだ。
「うわっ、これ何? アハハハハ……」
いきなり大笑いしていたが、目にはうっすら涙がにじんでいた。
食卓には手巻きずしとスペアリブ。キリスト教徒はイヴの晩に肉を食べない、
と聞いていたが、仏教&神道&似非キリスト教信者の嶋中家は、
そんなことは知っちゃァいない。
「サブちゃんは食べなくていいよ。ボクたちがぜ~んぶ片づけるから」
云うなり、みな無遠慮に骨付きポークにかぶりついた。
すると横目で見ていたサブちゃんも、いつの間にか手を伸ばしてムシャムシャ。
どうやら彼女も、謹厳な原理主義とは無縁のええかげんなクリスチャンだったようだ。
さて透け透けネグリジェを持参するものと期待していたのだが、
湯上がりのサブちゃんが着ていたものは、ウサギの耳のついた
フード付きのピンクのパジャマだった。サブちゃんは殊の外うさぎが好きなのである。
おじさんはひどくガッカリしたものだが、まあ、それはそれでとても可愛かった。
翌日の昼は練馬区光が丘のそば屋でもりそばと天丼をきれいに平らげ、
その翌日に、新年を家族と過ごすため、元気よくイタリアへ飛び立っていった。
サブちゃん、また来年会おうね。
←サブリナの守護神がこのうさちゃん。
なんだか淋しそうな顔してる
←サブちゃんと田舎そば。
このあと天丼も平らげた
0 件のコメント:
コメントを投稿