苦いものをきらう人たちが増えているという。
日本能率協会総合研究所が発表した味覚に関する調査によると、
「きらい・苦手な味」のトップに挙がったのは「苦味」だった。
全体の6割がそう答え、3年前の調査に比べても1割以上も増えているという。
そんな風潮の中、苦くない鮎の養殖に成功したというニュースがあった。
ミカンの皮から抽出したエキスを鮎の餌に混ぜることで、柑橘系の香りがする
鮎ができあがったのだ。苦味がなくオレンジの香りがする鮎の塩焼き。
あるいはレモンジュースのような香りが鼻腔をくすぐる鮎めし。
どうです、食べたくなりますか?(ウェーッ!)
およそ生き物であれば「甘味は栄養、酸味は腐敗、苦味は毒」
のサインであることを知っている。ものを食べる時に、
それを瞬時に判断できないと生死に関わるからだ。
苦味は食べ物に含まれている毒を警告する役割があるとされ、
さまざまな学習・経験を経なければ「苦い味」をおいしいとは感じないという。
つまりは「大人」にしかわからない味ってわけだ。
長女はボクより酒が強そうだが、女子会なんかで飲む酒はもっぱら甘いカクテルだという。
「ビールは苦いからきらい」という発言を聞くと、(まだまだねんねだな)と思う。
しかしビール嫌いが長女だけでなく、若者全体に蔓延していると聞くと、
いささか心配になる。「大人の味」でもある「苦味」をひたすら忌避する若者たち。
これも大人になりたがらないピーターパン・シンドロームの一種なのだろうか。
ワインの価値といえば苦味ではなく渋味だろう。良質の渋味こそワインの真骨頂といえる。
コーヒーはどうか。「やっぱ酸味よねェ」という浅煎り派もいるだろうが、
コーヒーはやはり、良質な苦味に真の価値があると思う。ボクは深煎り派で、
ことあるごとに深煎りコーヒーを礼讃しているが、浅煎り派はそれが面白くないらしく、
「筆者はコーヒーのことが少しもわかっていない」などと拙著のレビューにイヤミを
書いたりしている。ああそうですか、ってなもんで柳に風だが、
浅煎り派にも読んでもらいたい一文がある。
それは臼井隆一郎氏が書いたこんな一節だ。
《コーヒーは複雑な苦みを特徴とした飲み物である。子供の飲み物ではない。
生きることがきれいごとでは済まないことを知った大人の飲み物である。
コーヒーには単に自然の苦みばかりではなく、社会や歴史の苦みも溶け込んでいる。
それがいい。大人が生きていく上で必要な認識など、
苦みからしか生まれてこないのである》
テレビのグルメリポーターは二言目には「このお肉、やわらかくておいし~い!」
と叫ぶ。あるいは「見た目よりあっさりしていておいしい」という。この手合いは、
やわらかくてあっさりした味であれば、何でも「おいしい」と感じるようだ。
つまりは許容度のきわめて狭~い鈍な舌をお持ちのようで、
「じゃあ、歯が欠けるほどクラスト(皮)の硬いバゲットは不味いのかよ?」
とツッコミを入れたくなる。
鮎の苦み、フキノトウの苦み、ゼンマイ・ワラビの苦み、
ビターチョコの苦み、ブラックコーヒーの苦み……
これらのほろ苦さがわからない奴らに人生の何がわかるというのか。←また始まった
もちろん〝臥薪嘗胆〟の意味すらわからないだろう。
コンビニのスイーツに群がる今どきの発育不全な草食系男子たち。
フワフワ・トロトロの甘い菓子類に脳を冒されてしまっている軟弱男たち。
こんなヤワな連中とカクテルを飲みながら膝を交えて語り合う、
なんて金輪際御免こうむりたいね。
ああ、やだやだ。←向こうだってイヤだってよ
※お知らせ
この数カ月、金魚にエサをやっていません。
孤立無援のクロ金魚?にやったエサを
数で勝るアカ金魚が横取りしてしまうので、
懲らしめのつもりで断食させているのです。
ああ、かわいそうなまっ黒クロ助……。
クリックするとなんぼでもエサが出ますので、
遠慮なくやってください。
孤城落日の悲哀を感じているクロ助を
ヨロシクお引き立てください。
日本能率協会総合研究所が発表した味覚に関する調査によると、
「きらい・苦手な味」のトップに挙がったのは「苦味」だった。
全体の6割がそう答え、3年前の調査に比べても1割以上も増えているという。
そんな風潮の中、苦くない鮎の養殖に成功したというニュースがあった。
ミカンの皮から抽出したエキスを鮎の餌に混ぜることで、柑橘系の香りがする
鮎ができあがったのだ。苦味がなくオレンジの香りがする鮎の塩焼き。
あるいはレモンジュースのような香りが鼻腔をくすぐる鮎めし。
どうです、食べたくなりますか?(ウェーッ!)
およそ生き物であれば「甘味は栄養、酸味は腐敗、苦味は毒」
のサインであることを知っている。ものを食べる時に、
それを瞬時に判断できないと生死に関わるからだ。
苦味は食べ物に含まれている毒を警告する役割があるとされ、
さまざまな学習・経験を経なければ「苦い味」をおいしいとは感じないという。
つまりは「大人」にしかわからない味ってわけだ。
長女はボクより酒が強そうだが、女子会なんかで飲む酒はもっぱら甘いカクテルだという。
「ビールは苦いからきらい」という発言を聞くと、(まだまだねんねだな)と思う。
しかしビール嫌いが長女だけでなく、若者全体に蔓延していると聞くと、
いささか心配になる。「大人の味」でもある「苦味」をひたすら忌避する若者たち。
これも大人になりたがらないピーターパン・シンドロームの一種なのだろうか。
ワインの価値といえば苦味ではなく渋味だろう。良質の渋味こそワインの真骨頂といえる。
コーヒーはどうか。「やっぱ酸味よねェ」という浅煎り派もいるだろうが、
コーヒーはやはり、良質な苦味に真の価値があると思う。ボクは深煎り派で、
ことあるごとに深煎りコーヒーを礼讃しているが、浅煎り派はそれが面白くないらしく、
「筆者はコーヒーのことが少しもわかっていない」などと拙著のレビューにイヤミを
書いたりしている。ああそうですか、ってなもんで柳に風だが、
浅煎り派にも読んでもらいたい一文がある。
それは臼井隆一郎氏が書いたこんな一節だ。
《コーヒーは複雑な苦みを特徴とした飲み物である。子供の飲み物ではない。
生きることがきれいごとでは済まないことを知った大人の飲み物である。
コーヒーには単に自然の苦みばかりではなく、社会や歴史の苦みも溶け込んでいる。
それがいい。大人が生きていく上で必要な認識など、
苦みからしか生まれてこないのである》
テレビのグルメリポーターは二言目には「このお肉、やわらかくておいし~い!」
と叫ぶ。あるいは「見た目よりあっさりしていておいしい」という。この手合いは、
やわらかくてあっさりした味であれば、何でも「おいしい」と感じるようだ。
つまりは許容度のきわめて狭~い鈍な舌をお持ちのようで、
「じゃあ、歯が欠けるほどクラスト(皮)の硬いバゲットは不味いのかよ?」
とツッコミを入れたくなる。
鮎の苦み、フキノトウの苦み、ゼンマイ・ワラビの苦み、
ビターチョコの苦み、ブラックコーヒーの苦み……
これらのほろ苦さがわからない奴らに人生の何がわかるというのか。←また始まった
もちろん〝臥薪嘗胆〟の意味すらわからないだろう。
コンビニのスイーツに群がる今どきの発育不全な草食系男子たち。
フワフワ・トロトロの甘い菓子類に脳を冒されてしまっている軟弱男たち。
こんなヤワな連中とカクテルを飲みながら膝を交えて語り合う、
なんて金輪際御免こうむりたいね。
ああ、やだやだ。←向こうだってイヤだってよ
※お知らせ
この数カ月、金魚にエサをやっていません。
孤立無援のクロ金魚?にやったエサを
数で勝るアカ金魚が横取りしてしまうので、
懲らしめのつもりで断食させているのです。
ああ、かわいそうなまっ黒クロ助……。
クリックするとなんぼでもエサが出ますので、
遠慮なくやってください。
孤城落日の悲哀を感じているクロ助を
ヨロシクお引き立てください。
2 件のコメント:
労師の「コーヒーはやはり、良質な苦味に真の価値がある」、
マッタクその通りだと思います。
ですが珈琲苦味礼讃派の私からみても、情勢は非常に厳しい。浅煎り酸味派に嫌われることを怖れてか、「苦味も酸味も甘味も全て大事であって…」とか、「苦味にも良い苦味と悪い苦味があって…」とか、やや引け腰にモノを言う折衷派(?)が正統かのようでもあります。話の中身は間違っちゃいないけれど、どうも「苦味嫌い」を怖れて腰折れた物言いが気に入らない。「まず苦味だ、わからんか舌バカ共め!」という気迫が感じられない。
オレンジやレモンの香りがする鮎…笑える。
焦がさないように生焼けして出品すると、「スペシャルティ鮎」として95点とか付くのかしらん?相手にしてられねぇ…
帰山人様
ボクの思いを、代わりにぜ~んぶぶちまけて
くれました。どうもアリガト。
そうなんだよね。
「まず苦味だ、わからんか舌バカ共め!」
(文責・帰山人)であります。←隠れ腰折れ派
オレンジ香のする
スペシャルティ鮎の塩焼きか。
うまそうだな(笑)。
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