2012年2月4日土曜日

子狸の成人式

椿山荘を訪れるのは十数年ぶりだ。
バブル期、併設されているフォーシーズンズホテルを
全館丸ごと取材したことがあって、館内のあらゆるところを
見て回った。あの時はモデルを使って庭のあちこちで撮影したっけ。

久しぶりに園内を散策したら、こんな立て札があった。
「この庭園には野生のタヌキの一家が暮らしています。
タヌキと人間が安全に共存できるよう、
ご理解とご協力をお願いします」

約2万坪あるという林泉回遊式の日本庭園。
池や滝、水車に三重塔。多くの樹木や花に覆われた
都内屈指の緑地帯であれば、タヌキ一家が借りぐらし
のアリエッティを気取っていても不思議はない。

こんな高級で場違いなところに、どうして振り袖姿の子ダヌキ(狸おやじの娘です)
連れていったのかというと、成人式の写真を撮るためだ。
次女はちょうど英国に留学中だったため、成人式に出られなかった。
晴れ着も着られなかった。そこで2年遅れではあるが、
写真だけでも記念に撮っておこう、ということになったのだ。



←澄まし顔の次女。つい最近までオムツをして
いたと思ったら、もうこんなに大きくなってしまった





←聖マリア大聖堂。結婚式は寒い寒い日であった。
式の費用はケチりにケチって締めて10万8000円なり。







いつまでもネンネだと思っていたら、いつのまにか生意気な娘に変身していた。
無常迅速。月日の経つのはほんとうに早い。ぼやぼやしていると
あっという間に白髪白髯のジジイになってしまう。←もうなってるよ!

目白通りを挟んだ椿山荘の向かいには、丹下健三が設計したという
東京カテドラル聖マリア大聖堂が聳え立っている。
ボクと女房はおよそ30年前、この教会で結婚式を挙げた。

30年間、別れ話もなく、曲がりなりにも夫婦でいられたのは、
ひとえにマリア様のおかげです、と祭壇に向かって囁くように
(女房に聞かれると図に乗るもんで)お礼を言ってきた。
近頃は年のせいか実に素直な好々爺になってしまった。

次女は今春から社会人。ようやく親の庇護から離れ、
経済的に自立する。といってもしばらくは自宅通勤だから
「半自立」といったところか(←その後、会社の寮住まいに)。

それでも超氷河期と呼ばれる就職戦線を
やっとこさっとこ勝ち抜いてきたのだから、
子ダヌキとはいえ根性だけはある、
と、ここは親バカダヌキになってちょっぴり褒めてやろう。
がんばるんだぞ子ダヌキ!




7 件のコメント:

アレクシア さんのコメント...

書いてあることはよくわからないけど、写真が好き。^^

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

Alexia様

ヨォ! ひさしぶり。
まだかんじがよくわからないようだから
カナもじでかくね。

いや、かえってよみにくいな。
やっぱもとにもどそう。


この日はね、タヌキさん一家の住む
椿山荘(ちんざんそう)というところへ
和光の古ダヌキ一家がおじゃまして、
記念写真をとったの。

これにAlexiaが加わると、
タヌキと子ブタの共演ってことになるわけ。
わかる? Cochonちゃん。

あなたももうすぐ20歳だね。
フランスにも成人式があるのかしら。
早く日本へ帰っておいで。

胡塞齋 さんのコメント...

酔いどれ師匠殿
ご無沙汰お詫び申し上げます。別に愚生如きに無沙汰されようと痛くも痒くも無いのは存じ上げております。
昨日、本年度の年間生(震災により半期にされてしまった)のバレリアを送り出し、現在、留学生のいないAFS埼玉支部となりました。かれこれ10年、バカ正直に国際理解教育に対し良かれと思いつつ、風車に向うドン・キホーテの如くあちこちで留学生の受入、派遣に汗を流すボランティアをやってきましたが、世の流れはそれに全く逆行しており、「埼玉発・世界へ」と旗を振る県知事様の画餅が如き発言に対し、現場の教員は「理想と現実は正反対」という態度ですので、本年度は受入校依頼に大苦戦いたしました。それもひとえに愚生の人品に問題があることは百も承知いたしております。
震災以来、本業にも支障が多々発生しましたので、以前の事務所を引き払い、盆栽美術館にほど近いひっそりした庵にて細々と営業いたしております。
お嬢様の(師匠に関しては「どーでもいー」)益々のご発展を寿ぎつつ、未だ存命中であることのご報告とさせていただきます。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

胡塞齋様

なんだか大変そうな雰囲気ですね。
大丈夫? 沈鬱な文章だから
心配しちゃいますよ。

胡塞齋らしく明るくいきましょう。
どうせこの世はままならぬ。
♪アア、ヨイヨイ……。←歌ってる場合か!

人品に問題があるのは百も承知(笑)、
でもそれ以上に胡塞塞さんには人を酔わせる
強烈無比の個性があります。

なんとか頑張りましょう。
どうせ明日をも知れぬ身の上。
「存命中」であることだけが
貴いのです。

親友の急逝以降、
ボクはかなりニヒリスティック
になってます。

匿名 さんのコメント...

勞さん

人生の節々で家族が揃って集まり、親は子の成長を喜び、子は親の愛を感謝する、素敵です!

今回のブログで嬉しいことがもう一つありました。フランス語のCochonを想いださせてくれたからです。食文化の大家、ヨーロッパでの
食べ歩きの勞さんならご存知かもしれませんが
パリの場末(?)、確か屠殺場が近くにあると
言ってましたが、”豚の脚” ”何とかCochon”なるレストランが有りました。2度ほど連れて行って貰いましたが、いつもがやがや超満員で気取らない店でした。4年程前に家内とツアーで行った時の自由タイムに行きたかったのですが"Cochon”を思い出せず残念でした。

話はまた飛びますが過日和光市の広報を
見ていた時に伝言板の欄に”美味しコーヒーの
出し方を教えます。毎月第3木曜日、小林”
と有りました。 勞さんの事でしょうか?
それなら是非習いに行きたいのですが。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様

仏人留学生Alexiaは、
あだ名が「こぶたちゃん」なんです。
だから冗談半分によくCochon!
なんて呼んでました。

さて小林某がコーヒー教室を主宰している
というお話ですが、この小林さんは、
ボクと同じ棟に住むおばあちゃんで、
どういうわけかコーヒーの淹れ方なんか
教えているのです。

顔を合わせれば挨拶ぐらいしますが、
どういう素性の人なのかよく知りません。
ただ噂ではナントカ流という珈琲道の
家元だそうで、焙煎がどうというより、
茶道みたいに喫し方の流儀に重点が
置かれているようなんです。

もちろん彼女はボクのことを知らないし、
ボクもあまり近づかないようにしています。
なんというか、気位がとても高い人で、
どっちかというと棟の中では浮いちゃってる
存在なんです。

同姓でしかもコーヒーに関係してるから、
よく間違われます。どうぞ入門なさって
おばあちゃんの茶飲み友達になってあげてください。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様

フランスのCochonという店ですが、
本日(2/16)突然思い出しました。

Pied de Cochon(ピエ・ド・コション)
という店で、たしかレアル広場にありました。

ピエは足の意で、つまり店名は〝豚足〟
という意味。

ずいぶん昔ですが、家族で行ったことがあります。何を食べたか憶えていませんが、家内は
名物の豚足を食べていました。

懐かしいですね。匿名さんもいらしていたんですね。