銀座「カフェ・ド・ランブル」に久しぶりにおじゃました。
最近は持病の腰痛膝痛のため、歩くのがつらく、ほとんどひきこもり状態で
(ボクのことです)、外出はできるだけ控えているのだが、
ランブルのコーヒーが飲みたくなり、急遽出かけることにした。
〝ランブル詣で〟は1年ぶりである。
ランブルは日本の珈琲史に燦然と輝く名店で、御大の関口一郎氏は
本年5月で満98歳になる。さすがに杖を必要とするくらい足弱になってしまったが、
江東区森下の自宅から一人で毎日電車通勤しているのだからたいしたものだ。
「なんだか死ぬ気がしないんだよ」と相変わらずのポジティブ思考。
御大とくだらないバカッ話をしているだけで気持ちが若返るような気がしてくる。
どうして死なないのか――本日の話題は実にそれだった。
「タバコもやるしパイプもやる。もう吸い続けて80年になるからね。
ふつうだったらとっくに肺ガンであの世へ行ってるところだけど、
呼吸器系や内臓疾患はひとつもない。食欲だって旺盛で、
何を食べてもうまい。死ぬ気がしないっていうのは実感なんだ」
店は甥っ子の林不二彦さんが実質的に仕切っている。
若い頃は郷ひろみに似たジャニーズ系のやさ男だったが、
今はすっかりごま塩頭のおっさんが板についたようで、
相変わらず愛想はないが、渋みが加わったぶんだけいい男になった。
この林さんが伯父の関口さんを年寄り扱いしないところがいい。
焙煎は老人虐待と思わせるくらいガンガンやらせるし、
関口さんの考案したミルを世に出すなど、
伯父の活躍を陰で支えている。年寄りから仕事を奪うと、
即ボケてしまうというが、生涯現役を謳う関口さんを見ていると、
長生きの秘訣を垣間見るような思いがする。
「去年、踏み台から仰向けに転げ落ちちゃってね……」
と言うなり腰に巻いたコルセットを恥ずかしそうに見せてくれた。
(恥ずかしがることないですよ、俺だって巻いてんだから)
40年近く年の差があるのに、腰に巻いているものが同じとは情けない。
去年死んだ母は晩年耳が遠くなったものだが、関口さんは耳も現役バリバリで、
小声で皮肉や悪口を言ってもすべて聞こえてしまう。
「若さの秘訣はやっぱコーヒーでしょうかね」
水を向けると、「そうとしか考えられないね」と御大はきっぱり。
「でもね、コーヒーといったっていろいろでね、缶コーヒーをガブ飲みしたんじゃ
たぶん早死にしちゃうだろうね(笑)。学者先生はコーヒーの効用なり害毒を
まことしやかにぶち上げるけど、それがどんなコーヒーなのか、書いてない。
肝心なのはそこなんだけどね(笑)」
還暦(35歳と300ヶ月と言ってる)を迎え、わけもなく意気消沈していたものだが、
98歳でなおも生命力の横溢する関口さんを見ていたら、
自分が嘴(くちばし)の黄色い青二才のように思えてきた。
(老け込んでる場合じゃないぞ! もっとガンガンやれィ!)
そうだ、もうひと踏ん張りして愛人をいっぱい作るんだァ!
生き仏を拝んだせいか気持ちが明るくなったようだ(単純なヤツ!)。
よしっ、景気づけに一杯やるべえ(あ~あ、結局そうなるわけね)。
←コーヒーの神様、関口一郎さん。
ほんとうの神様になりそうでならないところに
関口さんの真骨頂がある(なんだい、その言い方は)。
最近は持病の腰痛膝痛のため、歩くのがつらく、ほとんどひきこもり状態で
(ボクのことです)、外出はできるだけ控えているのだが、
ランブルのコーヒーが飲みたくなり、急遽出かけることにした。
〝ランブル詣で〟は1年ぶりである。
ランブルは日本の珈琲史に燦然と輝く名店で、御大の関口一郎氏は
本年5月で満98歳になる。さすがに杖を必要とするくらい足弱になってしまったが、
江東区森下の自宅から一人で毎日電車通勤しているのだからたいしたものだ。
「なんだか死ぬ気がしないんだよ」と相変わらずのポジティブ思考。
御大とくだらないバカッ話をしているだけで気持ちが若返るような気がしてくる。
どうして死なないのか――本日の話題は実にそれだった。
「タバコもやるしパイプもやる。もう吸い続けて80年になるからね。
ふつうだったらとっくに肺ガンであの世へ行ってるところだけど、
呼吸器系や内臓疾患はひとつもない。食欲だって旺盛で、
何を食べてもうまい。死ぬ気がしないっていうのは実感なんだ」
店は甥っ子の林不二彦さんが実質的に仕切っている。
若い頃は郷ひろみに似たジャニーズ系のやさ男だったが、
今はすっかりごま塩頭のおっさんが板についたようで、
相変わらず愛想はないが、渋みが加わったぶんだけいい男になった。
この林さんが伯父の関口さんを年寄り扱いしないところがいい。
焙煎は老人虐待と思わせるくらいガンガンやらせるし、
関口さんの考案したミルを世に出すなど、
伯父の活躍を陰で支えている。年寄りから仕事を奪うと、
即ボケてしまうというが、生涯現役を謳う関口さんを見ていると、
長生きの秘訣を垣間見るような思いがする。
「去年、踏み台から仰向けに転げ落ちちゃってね……」
と言うなり腰に巻いたコルセットを恥ずかしそうに見せてくれた。
(恥ずかしがることないですよ、俺だって巻いてんだから)
40年近く年の差があるのに、腰に巻いているものが同じとは情けない。
去年死んだ母は晩年耳が遠くなったものだが、関口さんは耳も現役バリバリで、
小声で皮肉や悪口を言ってもすべて聞こえてしまう。
「若さの秘訣はやっぱコーヒーでしょうかね」
水を向けると、「そうとしか考えられないね」と御大はきっぱり。
「でもね、コーヒーといったっていろいろでね、缶コーヒーをガブ飲みしたんじゃ
たぶん早死にしちゃうだろうね(笑)。学者先生はコーヒーの効用なり害毒を
まことしやかにぶち上げるけど、それがどんなコーヒーなのか、書いてない。
肝心なのはそこなんだけどね(笑)」
還暦(35歳と300ヶ月と言ってる)を迎え、わけもなく意気消沈していたものだが、
98歳でなおも生命力の横溢する関口さんを見ていたら、
自分が嘴(くちばし)の黄色い青二才のように思えてきた。
(老け込んでる場合じゃないぞ! もっとガンガンやれィ!)
そうだ、もうひと踏ん張りして愛人をいっぱい作るんだァ!
生き仏を拝んだせいか気持ちが明るくなったようだ(単純なヤツ!)。
よしっ、景気づけに一杯やるべえ(あ~あ、結局そうなるわけね)。
←コーヒーの神様、関口一郎さん。
ほんとうの神様になりそうでならないところに
関口さんの真骨頂がある(なんだい、その言い方は)。
4 件のコメント:
勞さん
私の敬愛しているハワイアンのベース弾きの方は80の半ば。どんな曲も弾きこなします。
酒は飲むし、タバコも喫うし、女性の話も楽しそうに話して呉れます。自宅に何本もベースを所有しているそうですが、それでも昨年は
フレット・レスの物と、ウクレレのような小型なものを買い込み、弾きこなし、所々のライブで素晴らしい演奏を聴かせて呉れています。
最近読んだ渡部昇一の”95歳へ!幸福な晩年を築く33の技術”に書いてありましたが
ものごとを好きなだけではだめで、楽しまなければ駄目だそうです。Mr。Basemanも、今回紹介いただいたコヒーの御大の関口一郎翁もきっと人生・仕事を楽しんでいるのでしょう。
閑話休題:持病の腰痛・膝痛の悩まされて
居るとの事。自分の事を棚に置いて言うのもけ叱らない話ですが、体重をちょこっと減らし、プールでは水中歩行に専念されては如何ですか! きっと効果が有りますよ。
匿名様
おっしゃるとおり、好きなだけではだめで
楽しまなくてはね。
ランブルの関口さんは多彩な趣味の持ち主で、
アーチェリーに釣り、音響設計、コーヒー器具類の改良と、それこそ八面六臂の活躍。
また生涯独身で、
「女にかまけてるヒマなんかなかった」
と言ってます。
女房子供がいると、それなりの喜びは
ありますが、精気を吸い取られるような
ところもありますね。
関口さんの長寿の秘訣は、
そんなところにもあるのでは。
いずれにしろ女は命を縮めますよ。
特に匿名さんには美人の奥方がいる。
カラダに毒ですね、美人妻は(笑)。
世の中に金と女は仇なり
どうか仇にめぐりあいたし
ROUさん、
こんにちは。
仇は恐れをなしてROUさんには近づくことは無いでしょう。
安寧な人生をお楽しみください。
その分、こちらで引き受けて差し上げますので。
NICK様
でもね、美女は怖いよ。
いまはあまり使わない言葉だけど、
「腎虚」というのがある。
房事が過ぎて衰弱しちゃうことだな。
湯灌場の笑い腎虚で死んだ奴
こうならないように、せいぜいご用心を。
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