「たちあがれ日本」がついに立ち上がった(みたい)。
平均年齢は70歳(四捨五入で)。声はかすれ、目はかすみ、
足がもつれ、かろうじて二足歩行しているという印象だが、
老骨にムチ打ち、新党を結成した心意気をまずは諒としたい。
口さがない者たちは、「立ち枯れ日本」だの「たそがれ日本」、
はては「家出老人党」「日本ポンコツ党」「新党ろうがい」などと
言いたい放題。ケッサクなのは「よっこらしょっ党」なんていうのもあった。
ずいぶんおちょくりバカにしたものだが、老人たちが掲げる政策綱領は
それほどバカにしたものではない(と思う)。
まず「真の保守再生」が党の理念ということらしい。
政策の中には、自主憲法の制定や所得税、法人税の見直し、
消費税の値上げといったものがある。今まで自民党が先送りしてきた
ものばかりで新味はないが、これをやらないと日本が危うくなる。
個人的には相続税の見直し(税の二重徴りだから原則廃止すべき)
も加えてほしいところだ。
「たちあがれ日本」と命名したのは石原慎太郎だという。
『太陽の季節』であの衝撃的な〝障子破り〟のシーンを描いた
彼らしい命名だ。が、この新党に結集したロートルの面々では、
ティッシュペーパーでさえ破ることができないだろう。
そもそも〝息子たち〟が立ちあがれるかどうかもおぼつかない。
左翼進歩主義者たちは、老残の右翼ナショナリストたちが
集団で家出した、などと囃し立てている。ある女性評論家は、
「愛国主義はゴロツキの最後の拠りどころ」と英国はサミュエル・ジョンソン
の言葉を引用し、老兵たちをゴロツキと決めつけた。
ジョンソンの原文はPatriotism is the last refuge of a scoundrel.
中国共産党政権は、しばしば愛国主義を鼓吹し、
反日運動を燃え上がらせるのを常套としている。ジョンソンがいうように、
たしかに愛国主義はゴロツキたちの最後の砦になり得るのだ。
しかし、たとえ老残の愛国主義であっても、売国主義よりは数段ましだ。
僕がポンコツの愛国者たちにエールを送る由縁である。
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