2010年4月9日金曜日

よっこらしょっ党

「たちあがれ日本」がついに立ち上がった(みたい)。
平均年齢は70歳(四捨五入で)。声はかすれ、目はかすみ、
足がもつれ、かろうじて二足歩行しているという印象だが、
老骨にムチ打ち、新党を結成した心意気をまずは諒としたい。

口さがない者たちは、「立ち枯れ日本」だの「たそがれ日本」、
はては「家出老人党」「日本ポンコツ党」「新党ろうがい」などと
言いたい放題。ケッサクなのは「よっこらしょっ党」なんていうのもあった。
ずいぶんおちょくりバカにしたものだが、老人たちが掲げる政策綱領は
それほどバカにしたものではない(と思う)。

まず「真の保守再生」が党の理念ということらしい。
政策の中には、自主憲法の制定や所得税、法人税の見直し、
消費税の値上げといったものがある。今まで自民党が先送りしてきた
ものばかりで新味はないが、これをやらないと日本が危うくなる。
個人的には相続税の見直し(税の二重徴りだから原則廃止すべき)
も加えてほしいところだ。

「たちあがれ日本」と命名したのは石原慎太郎だという。
『太陽の季節』であの衝撃的な〝障子破り〟のシーンを描いた
彼らしい命名だ。が、この新党に結集したロートルの面々では、
ティッシュペーパーでさえ破ることができないだろう。
そもそも〝息子たち〟が立ちあがれるかどうかもおぼつかない。

左翼進歩主義者たちは、老残の右翼ナショナリストたちが
集団で家出した、などと囃し立てている。ある女性評論家は、
「愛国主義はゴロツキの最後の拠りどころ」と英国はサミュエル・ジョンソン
の言葉を引用し、老兵たちをゴロツキと決めつけた。

ジョンソンの原文はPatriotism is the last refuge of a scoundrel.
中国共産党政権は、しばしば愛国主義を鼓吹し、
反日運動を燃え上がらせるのを常套としている。ジョンソンがいうように、
たしかに愛国主義はゴロツキたちの最後の砦になり得るのだ。

しかし、たとえ老残の愛国主義であっても、売国主義よりは数段ましだ。
僕がポンコツの愛国者たちにエールを送る由縁である。

0 件のコメント: