2015年7月16日木曜日

ジヴァ恋しや

◆7月某日(雨)
団地の放送委員Tさんに、「ラジオ・シーアイ放送」(団地専用のプチラジオ局)に出演願え
ませんか、といわれ、もちろん快諾した。以前、「コーヒーについて語ってください」
と頼まれ、1時間ほどインタビューされたことがあるが、今度のテーマは、
『シーアイ(団地名です)でお友だちを作る』というもの。なんだか尻がこそばゆくなるような
テーマだが、「団地内に友だちの多い嶋中さんに、ぜひその秘訣をうかがいたい」
と辞を低くして頼まれれば、受けないわけにはいかない。

友だちが多いと、Tさんは見立てたわけだが、残念ながら間違っている。
「友だち」ではなく「知り合い」が多いのだ。英語でもfriendとacquaintanceと分けられ、
親密度がまるで違う。ボクの場合の友だちは、男はほとんど飲み友だちで、
あとはちょっとくたびれた〝団地妻〟の知り合いがいるだけ。
長らく「主夫」をやり、大根やネギをぶら下げたまま気さくに〝人妻たち〟と
立ち話に興じていたりすると、自然と淫靡な関係が築けるものなのである。

ただしおじさんたちは別。おじさんたちはたとえ隠居の身でも変なプライドがあって、
ひとに紹介されない限り口を利かない、というような依怙地な態度を貫いている。
自分から気さくに声をかけるなんてことは金輪際しないのだ。いつもしかつめらしい
仏頂面をして歩いているから、こっちも無視して、もっぱらおばさんたちだけに声を
かけている。おじさんという種族は社会性がないから扱いがとても難しい。

で、ボクはTさんに、「テーマは〝幸せはおじさんがおばさん化する時〟はどうでしょう」
と提案したのだが、それでは分かりにくいと思ったのか、ごくふつうのタイトルに
変えられてしまった。かつては友だちが1人もおらず、そのことを自慢のタネにして
いたひねくれ男が、「友だち作りのコツは?」と訊かれるのだから、
世の中、どうなっちゃっているんでしょうかね。

◆7月某日(また雨)
わが家はCS放送のFOXと契約している。アメリカの人気ドラマシリーズを常時放映
しているのだが、ボクのお気に入りは『NCIS ネイビー犯罪捜査班』という人気
シリーズ。現在12シーズン目に入っていて、全米で最も人気のあるテレビドラマシリーズ
だという。1話完結だから、どこからでも見られるところがいいのと、脚本と演出が一流
だからどの作品も平均点以上で、まったく飽きさせることがない。

マーク・ハーモン演じるギブス捜査官を中心に、個性派の部下が脇を固めているのだが、
とりわけ腕っこきの女性捜査官・ジヴァZivaがいい。イスラエルの諜報機関・モサド出身
という設定で、暗殺や尋問、スパイ活動のスペシャリスト。美人というだけでなく、
表情が実にキュートで、同僚のトニーやマクギーなどとの掛け合いが絶妙だ。

ボクはひと目で惚れてしまい、それこそ二の腕に〝ジヴァ命〟と墨を入れたいほど。
役を演じるのはチリ生まれのコート・デ・パブロ。10歳でアメリカに渡り、カーネギー
メロン大学を卒業してこの道に入ったという。ジヴァの熱狂的なファンは世界中に
いるらしく、シーズン11で降板した時は、「ジヴァのいないNCISなんて考えられない!」
などと、ジヴァ復帰を願うメールが60000通もあったという。ボクもまったく同感で、
ジヴァがいないと興味も半減、「シーズン12」はたまにしか見ていない。
ああ、麗しのジヴァ! 世の男どもの心を溶かしてしまうその魅力はどこにあるのだ。

◆7月某日(またまた雨)
沖縄は普天間基地を辺野古に移転する問題で、相変わらずもめている。
そもそも問題の本質を国民が知らされていないから、こんなふうにグズグズと
もめ続ける。そのオフレコになっている事実とは何か。沖縄は相変わらず米国の
占領地だ、ということだ。冗談でも何でもない。沖縄は戦後もずっとアメリカの占領地で、
日本の領土ではないのである。

小笠原諸島は日本に返還された。しかし沖縄は違う。沖縄の場合は、
「施政権administration」の返還であって「領有権sovereignty」が返還されたわけではない。
施政権とは司法・立法・行政の三権を行使できる権利の意で、それ以上でも以下でもない。
だから時の首相・佐藤栄作は苦しまぎれに「核抜き・本土並み」と言いつくろったのである。
沖縄返還が「真っ赤なウソ」だということはアメリカに黙っておいてもらう。
その代わり米軍基地経費を日本が負担する――いわゆる〝思いやり予算〟が
それである。基地の経費負担は言ってみれば「口止め料」なのである。

そんな事実があるとはツユ知らず、おバカな鳩山元首相は米国へ行って
「米軍は沖縄から出ていけ!」と言ってしまった。そうしたらすかさず、
「戦争で分捕られた占領地を取り返すのは戦争しかない。あなたの言葉は
米国への宣戦布告と受けとめていいのか」と言われ、青ざめたという。

もうそろそろ日本国民も、この「隠された真実」に気づいたほうがいいんじゃないの。

←後列右から2人目がジヴァ。
真ん中にいるのがマーク・ハーモン
演じるギブス捜査官。ハーモンは
ボクと同い年だから、親しみもひとしお。
右端のダッキーこと、デヴィッド・マッカラム
もいいな。『0011ナポレオン・ソロ』の
イリヤ・クリヤキン役が懐かしい。
ボクは中学生の頃、このマッカラムに
英語で手紙を書いた。そしたら丁寧な
返事が来たんだ。嬉しかったな。

2 件のコメント:

kazu さんのコメント...

嶋中先生、教えて下さい。
沖縄の領土主権(sovereignty)は日本が保有しているのではなのでしょうか。
そのため、アメリカは自分が保有していない領土主権(sovereignty)を日本に移譲することができない、ために、沖縄返還協定ではアメリカが保有する施政権(administration)だけしか移譲できなかったと思いますが。。KAZU

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

kazu様
こんにちは。毎日、干物になるくらい暑いですねえ。
さて、暑い上に頭がぐじゃぐじゃになってしまいそうなテーマですが、
ボクはこの分野の専門家ではないので、正確に答えられるかどうか不安です。
その前に〝先生〟はやめていただきたい(笑)。先生と言われるほどのバカでなし、
という言葉もありますからね。ボクはもう十分バカですから、二重にバカになってしまう(笑)。

専門家の友人に訊いたところ、領土・領有権の主張は、「現にそこに人が住んでいる状態、
または施設等が存在する状態が続いている〝占有権の主張〟が核となるので、沖縄は明らかに
わが領土と言えるだろう」との答えでした。

一方で沖縄は日本の領土とはいえない、と主張する人たちもいます。
支那ではなく国内にです。もともと琉球王国という独立国でしたからね。

いずれにしろ、ボクは間違っているかもしれないし、そうでないかもしれない。
もう少し調べてみます。有意義なコメント、ありがとうございました。