スーパーで買い物していたら、知り合いの奥さんから、
「なんか、ずいぶんお痩せになられたみたいね」
と声をかけられた。
「ええ……たぶん応援やつれだと思います」
なでしこジャパンがついにやってくれた。
女子W杯サッカー決勝。アメリカとの決戦で、
ハラハラドキドキの末にPK戦でみごと勝利をもぎ取った。
昨夜は8時に寝床へ入り、朝まだきの3時過ぎに起きて、
テレビの前に陣取った。愛国者の女房も覚悟は同じである。
しかし応援空しく、なでしこは最初から苦戦を強いられた。
プレスがきついのか、いつものパス回しができない。
ボールを追いかけても、短足がネックで後れをとってしまう。
きゃしゃな身体が力負けして軽々と吹っ飛ばされる。
ああ、それでも必死にボールを追いかける健気な娘たち。
わが家のなでしこたちもサッカー好きで、
長女は高校・大学とフットサル部、
次女も米国留学中はサッカー部の一員だった。
周りは臼のような尻をした巨人のような選手ばかり。
その彼女らにど突かれたりこづかれたり……。
まるでなでしこジャパンそのものだが、
それでもボールに食らいついていったんだ、
と目撃証拠がないのをいいことに、本人はひとしきり自慢する。
次女の試合は一度だけ目撃したことがある。小学校の授業参観の時だ。
たしかディフェンダーだったと思うが、ボールが来ないのに退屈したのか、
試合中、お友だちと一緒に地べたに座り込み、お絵描きをしていた。
ボクが「コラーッ! 何やってんだァ」と怒鳴ると、あわてて立ち上がったが、
相手チームの選手がボールをもって突進してくると、
「キャーッ!」と叫んで逃げていってしまった。こりゃ、ダメだ……。
留学中の〝武勇伝〟がにわかに信じ難いのは、キャーキャー叫び
ながら逃げまどう、世にもふしぎな光景が目に焼きついているためだ。
MVPと得点王に輝いた澤穂希選手は、アメリカのプロリーグに在籍中、
7歳年上の連邦政府役人と恋に落ち、一緒に暮らしていたという。
しかし「結婚orサッカー」の狭間で悩み、ついに恋人から、
「君に専業主婦は似合わない」と引導を渡され、結婚を断念したという。
その決断が正しかったかどうかは澤にもたぶん解らないだろう。
しかし世界一のなでしこジャパンを率いたキャプテン澤は、
一世一代の晴れ舞台で、たとえようもないくらい輝いていた。
積年の夢を実現し、女子サッカーの頂点に立ったなでしこたち。
にわかに目標を失い、燃え尽き症候群にならなければいいのだが。
ああ、それにしても、ゴールシーンは何度見ても興奮する。
興奮ついでに、決勝のアメリカ戦は丸々2度見てしまった。
こんなことなら、早起きする必要などなかった?
2 件のコメント:
勞さん: 数年前に心筋梗塞を患い、糖尿病の
予備軍とも診断され血圧には気を付けています。医者に130/80mmHg以下を維持するように指導され、毎朝起床時の6時、就寝時の
23時に検査し記録を採っています。最近は良い子になっていますので毎朝・毎晩のレベルは合格の範囲内で安心していました。
ところが今朝我がなでしこ軍がPKで勝って優勝した直後に(6時半頃だった思います)計量すると最近の記録の140/82mmHgではありませんか!
自分ではクールな人間と自負していましたが、無意識なうちに体が反応するのですね。怖いですね。
あるテレビの報道では一兆円の経済効果がある由で有難い話です。
匿名様
午前10時からの再放送を最初から見ていたら、
1回目に叫んだ同じところで、
「バカ、何やってんだよ」
「どうしてレッドカードなんだよ!
おまえの眼は節穴か?」
などと、同じセリフで毒づいてる。
女房にいわれて初めて気がついたが、
これってちょっとヤバそう。
《無意識なうちに体が反応する》
のはいいけれど、前と同じセリフを
しゃべってるっていうのは、
なんだかとても《怖い》。
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