暮れから正月にかけて、娘たちが帰ってきた。
娘たちが加わると、わが家は途端ににぎやかになる。
ふだんはカミさんと二人だけの食事で、ものを噛む音だけが聞こえる、
といったような静かな食卓だが、これが一気に長屋の井戸端会議みたいな
あんばいになる。そしてさらにお祭り娘のSabrinaが加わったりすると、
もうひっちゃかめっちゃか……。
そして三が日が終わって、戻ってきたいつもの静かな日々。
吉田拓郎の歌ではないが、
♪ 祭りのあとの淋しさは 死んだ女にくれてやろ
というような、ちょっぴりおセンチでニヒルな気分におそわれる。
娘たちとは酒を酌み交わしながらいろんな話をしたが、
何を話したのか、いまはとんと思い出せない。
娘たちと込み入った政治の話をしたことはほとんどない。
戦争の話などを口にしようものなら、カミさんもろとも「場所柄をわきまえてよね!」
というような非難がましい眼を向けてくる。
お屠蘇気分の正月に、無粋な政治の話なんか持ちだすなよ、
とお叱りを受けそうだが、いつ持ちだしても「場所柄をわきまえてよ」
なのだから、結局、同じなのである。で、ボクは、
(所詮、オンナ・コドモに政治はわからんわな)
という、つまらない結論に落ち着いてしまう。これは女性差別でも何でもない。
悲しいけれどまごうかたなき現実だ。
娘二人は留学経験者で外国語も達者、外国人の友だちも多い。
なかにはチャイニーズもいるしコリアンもいる。彼らとどんな話をしているのか
知らないが、もしも話題が70年前にまで遡ったら、慰安婦問題にしろ何にしろ、
娘たちはどこまで日本の立場を正しく説明できるのだろうか。にわかに心配になってくる。
この世代は、学校で日本の近・現代史をほとんど教わっていない。
戦後世代は、ボクらも含め、「日本は悪い国であった」と教え込まれている。
特に、教科書検定の事前運動でいま〝評判〟の東京書籍の歴史教科書などは、
最初から最後まで反日自虐史観に貫かれている。こんな教科書で教わったら、
それこそ目もあてられまい。支那事変に火をつけたのは日本で、日韓併合も
日本の侵略的意図から、などと教えこまれる。とにかくアメリカが「善」で日本は「悪」。
原爆投下も、だからやむを得なかったと……。
でもこれらすべてがまっ赤なウソだったとしたら?
ボクは近・現代史に関する本を数百冊読んできたが、読めば読むほど、
先の大戦がアメリカやイギリスによってあらかじめ仕組まれた戦争だった、
ということがわかってきた。日本は侵略国家などではない、窮鼠猫を噛むではないが、
追いつめられた揚げ句の、祖国防衛戦争があの戦争の実態だった。そのことは
あのマッカーサーでさえ証言している(『マッカーサー証言』参照)。
こうした事実をわが娘たちを含めた若者たち、いや大人たちだって知りはしない。
知らないから安保関連法案に反対する学生団体「SEALDs(シールズ)」などと
いうおバカな学生たちがハバを利かせることになる。すべて無知から来ている、
と言ってもいいだろうが、この状況は昔の全共闘世代とそれほど違ってはいない。
どちらもサヨク思想にかぶれた知恵遅れの甘ちゃんたちなのだ。
ボクは娘たちを無知蒙昧な輩たちの仲間と思いたくないし、思ってもいない。
しかし自分のアイデンティティ(固有性、主体性)が何であるのか、
ハッキリ自覚しているようには見えない。そこが父としてなんとも歯がゆい。
自分のアイデンティティを確立させるには、しっかりした歴史観を持たなくてはならない。
自分の国のことをよく知ること。そのことによって日本人としての精神に目覚め、
軸のブレない自我が形成される。
ボクは娘二人に一冊の本をプレゼントすることにした。
陸軍士官学校出身で、アサヒビールの副社長をつとめ、平成26年に亡くなった
中條高徳の著作『おじいちゃん戦争のことを教えて』(小学館文庫)という本である。
アメリカの高校で学ぶ中條の孫娘の質問状に答えるといった体裁の本で、
祖父の中條が噛んで含めるようにあの当時の日本の立場を書き綴っている。
実に読みやすく、それでいて内容のしっかりした、掘り出し物といえるような良書である。
日本の近・現代史に疎くてねえ、と思っている人にはぜひ読んでもらいたい一冊だ。
新年早々、きな臭いタイトルで縁起でもないと思われるかもしれないが、
とっておきの「おすゝめ本」を紹介してみた。
←右の小冊子は版元が全国の読者から感想文
を募集し、その中から入賞作品を選びまとめたも
の。この入賞作のなかに本ブログへのコメントで
おなじみの「木蘭さん」こと鈴木日宣さんの作品が
「優秀作品賞」の栄誉に輝いている。こちらも
感動の作品集である。
また木蘭さんは『サンケイ・エクスプレス』に
「尼さんの徒然説法」を連載しています。
「安保法案」についても世の誤解を解こうと健筆
をふるっています。応援してやってください。
娘たちが加わると、わが家は途端ににぎやかになる。
ふだんはカミさんと二人だけの食事で、ものを噛む音だけが聞こえる、
といったような静かな食卓だが、これが一気に長屋の井戸端会議みたいな
あんばいになる。そしてさらにお祭り娘のSabrinaが加わったりすると、
もうひっちゃかめっちゃか……。
そして三が日が終わって、戻ってきたいつもの静かな日々。
吉田拓郎の歌ではないが、
♪ 祭りのあとの淋しさは 死んだ女にくれてやろ
というような、ちょっぴりおセンチでニヒルな気分におそわれる。
娘たちとは酒を酌み交わしながらいろんな話をしたが、
何を話したのか、いまはとんと思い出せない。
娘たちと込み入った政治の話をしたことはほとんどない。
戦争の話などを口にしようものなら、カミさんもろとも「場所柄をわきまえてよね!」
というような非難がましい眼を向けてくる。
お屠蘇気分の正月に、無粋な政治の話なんか持ちだすなよ、
とお叱りを受けそうだが、いつ持ちだしても「場所柄をわきまえてよ」
なのだから、結局、同じなのである。で、ボクは、
(所詮、オンナ・コドモに政治はわからんわな)
という、つまらない結論に落ち着いてしまう。これは女性差別でも何でもない。
悲しいけれどまごうかたなき現実だ。
娘二人は留学経験者で外国語も達者、外国人の友だちも多い。
なかにはチャイニーズもいるしコリアンもいる。彼らとどんな話をしているのか
知らないが、もしも話題が70年前にまで遡ったら、慰安婦問題にしろ何にしろ、
娘たちはどこまで日本の立場を正しく説明できるのだろうか。にわかに心配になってくる。
この世代は、学校で日本の近・現代史をほとんど教わっていない。
戦後世代は、ボクらも含め、「日本は悪い国であった」と教え込まれている。
特に、教科書検定の事前運動でいま〝評判〟の東京書籍の歴史教科書などは、
最初から最後まで反日自虐史観に貫かれている。こんな教科書で教わったら、
それこそ目もあてられまい。支那事変に火をつけたのは日本で、日韓併合も
日本の侵略的意図から、などと教えこまれる。とにかくアメリカが「善」で日本は「悪」。
原爆投下も、だからやむを得なかったと……。
でもこれらすべてがまっ赤なウソだったとしたら?
ボクは近・現代史に関する本を数百冊読んできたが、読めば読むほど、
先の大戦がアメリカやイギリスによってあらかじめ仕組まれた戦争だった、
ということがわかってきた。日本は侵略国家などではない、窮鼠猫を噛むではないが、
追いつめられた揚げ句の、祖国防衛戦争があの戦争の実態だった。そのことは
あのマッカーサーでさえ証言している(『マッカーサー証言』参照)。
こうした事実をわが娘たちを含めた若者たち、いや大人たちだって知りはしない。
知らないから安保関連法案に反対する学生団体「SEALDs(シールズ)」などと
いうおバカな学生たちがハバを利かせることになる。すべて無知から来ている、
と言ってもいいだろうが、この状況は昔の全共闘世代とそれほど違ってはいない。
どちらもサヨク思想にかぶれた知恵遅れの甘ちゃんたちなのだ。
ボクは娘たちを無知蒙昧な輩たちの仲間と思いたくないし、思ってもいない。
しかし自分のアイデンティティ(固有性、主体性)が何であるのか、
ハッキリ自覚しているようには見えない。そこが父としてなんとも歯がゆい。
自分のアイデンティティを確立させるには、しっかりした歴史観を持たなくてはならない。
自分の国のことをよく知ること。そのことによって日本人としての精神に目覚め、
軸のブレない自我が形成される。
ボクは娘二人に一冊の本をプレゼントすることにした。
陸軍士官学校出身で、アサヒビールの副社長をつとめ、平成26年に亡くなった
中條高徳の著作『おじいちゃん戦争のことを教えて』(小学館文庫)という本である。
アメリカの高校で学ぶ中條の孫娘の質問状に答えるといった体裁の本で、
祖父の中條が噛んで含めるようにあの当時の日本の立場を書き綴っている。
実に読みやすく、それでいて内容のしっかりした、掘り出し物といえるような良書である。
日本の近・現代史に疎くてねえ、と思っている人にはぜひ読んでもらいたい一冊だ。
新年早々、きな臭いタイトルで縁起でもないと思われるかもしれないが、
とっておきの「おすゝめ本」を紹介してみた。
←右の小冊子は版元が全国の読者から感想文
を募集し、その中から入賞作品を選びまとめたも
の。この入賞作のなかに本ブログへのコメントで
おなじみの「木蘭さん」こと鈴木日宣さんの作品が
「優秀作品賞」の栄誉に輝いている。こちらも
感動の作品集である。
また木蘭さんは『サンケイ・エクスプレス』に
「尼さんの徒然説法」を連載しています。
「安保法案」についても世の誤解を解こうと健筆
をふるっています。応援してやってください。
6 件のコメント:
嶋中労さま
こんばんは!
ただいま、白菜の漬物が三樽終わりました。
前回のブログにても感じたのですが日本国に日本人として生まれたことに
幸せを感じる日々です。
我が家もそうですが、戦争で亡くなられた人の、おかげです。
すみません。今も酔ってます。
田舎者さま
おはようございます。
ボクも田舎ものさんと同じで、日々、日本人として生まれたことの
幸せを噛みしめております。
こうして安穏に暮らせるのも、国のために戦ってくれた兵隊さんのおかげです。
彼らが愛する人たちのため、愛する故郷のため、愛する国のために血を流して
くれたからこそ今日の私たちがあるのです。そのことを忘れたりすると、
それこそバチが当たります。
この本はたったの571円(税抜き)です。
わずか571円で日本人の誇りが取り戻せるとしたら、こんな安い買い物はありません。
平易な文章で語った誰にでも読める感動の一冊です。
いつの日か、子供さんにも読ませてやってください。
しまふくろうさま、おくればせながらあけましておめでとうございます。
年末年始からようやく解放され、
いつもいじょうにぼーっとしている木蘭でございます。
なんということでしょう~(←ビフォーアフターみたい)
この本は、とてもご縁があります。
もともと致知出版で出していて、
ある日「おじいちゃん戦争のことを教えての感想文コンクールを開催するので、
感想文を募集します」と新聞の広告が出ていたのです。
ちょうど檀家さんの一人がこの本を購入していて、
読み終わったあと貸してくれたので読んでいたところでした。
とても読みやすいうえに、
当時の状況なども丁寧に書かれていて、
この本によって「目が覚めた」といっても過言ではなかったように思います。
感想文を書いて私も送りました。
ある日、電話がかかってきて私の所在を聞いてきました。
「私が当人です」と答えたところ、
「あ~、女性の方だったんですね」と。(笑)
なんとまぁ、優秀賞をいただいてしまいました。
もう16年ほど前のお話しです。
木蘭様
新年明けましておめでとうございます。
本年も厳しくご善導のほど、よろしくお願いいたします。
いやー、ビックリしました。
この本の感想文に応募して優秀賞に輝いていたとは……
16年ほど前の話ってェことは……18歳で受賞した?
参ったな……それほどまでに才能あふれる人だったとは……(シミジミ)。
幼少期からボーッとしていたのかと思ってましたが、あれって、
木蘭さん一流の自己韜晦術ってわけなんですね(笑)。
いずれにしろ、不思議な縁ですね。
その優秀賞を獲ったという感想文、こっそり読ませてもらえませんか?
皆さ~ん! この木蘭さんの〝お目々が覚めた〟という本ですから、
読まないと、それこそ仏罰が下りますぞ。
嶋中労さま
こんにちは!
ただいま、本が届きました。
「舞い込んだ分厚い手紙」 ・まえがきにかえて を読んだだけですが
何が理由かわかりませんが、涙が出てきました。
これもまた、不思議な縁なのかもしれませんね。
田舎者さま
かつてベトナム戦争が終結し、ベトナムからの帰還兵が
懐かしい故郷に帰ると、小旗をふって送り出してくれた人たちが
手のひらを返すように冷眼視したといいます。なかには石を投げる者も。
S・スタローン主演の『ランボー』という映画がまさにそれでした。
日本でも同じでした。
GHQが執拗に「日本悪者論」を日本の隅々まで展開しましたから、
みなその情報に洗脳されてしまいました。
一番洗脳されたのがメディアや教職員などで、
いまでもその後遺症が色濃く残っています。
ボクの父は北支、南支と転戦し、なんとか生き延びましたが、
戦場でのことはいっさい語りませんでした。自分たちの信じていた
大儀がGHQによって全面否定されたため、おそらく贖罪意識にさいなまれたからでしょう。
日本という国がなかったら、アジアはいまも欧米列国の植民地だったかもしれません。
ですから、いまでも植民地を失ったヨーロッパの国の一部は日本を恨んでいます。
オランダなんかその代表でしょう。
戦争について考えることは人間について考えることです。
こうした話を若者たちと語り合いたいですね。
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