ボクは寝ているとき、半分死んでいる。
睡眠時無呼吸症候群というやつで、特に酒を飲んだあとの症状がひどい。
カミさんに言わせると、〝グガー、グガー〟というケダモノじみた鼾(いびき)が、
一瞬止まり、1分くらい息をしていないのだという。
こんなときは、たいがい怖ろしい夢を見ていて、夢のなかでも海で溺れたり、
悪漢に首を絞められたりと大忙し。案の定、息ができずもがき苦しんでいる。
その苦しさといったら、あなた……、
(ああ、俺もいよいよ年貢の納め時か。案外あっけない人生だったな……)
などと、もう半分あきらめている。
しかし、しばらくすると、
「ウウ……プファーッ!」
と、突然止まっていた呼吸が元にもどる。同時に目も覚め、
(ああ、夢か……まだ生きてるようだな……ウウウ、助かったぜ)
心底ホッとするが、胸のあたりが締めつけられたみたいに苦しい。
朝、カミさんにそのことを報告すると、枕を高くして寝ているせいよ、
と言われた。生まれてこの方、いつだって枕を高くして寝ているのだが、
この無呼吸症候群の患者には、これが一番よくないという。
首が曲がったまま、すなわち気道が曲がって半ばふさがった状態で
仰向けに眠るため、呼吸に支障をきたすのだ。
ボクは寝る前に寝床で本を読む。50年来の習慣で、
ひそかな楽しみと言っていい。本は仰向けになって読むのだが、
その際、枕が高いほうが読みやすいので、枕の下にクッションを2個ばかり
重ねたりする。で、そのまま寝入ってしまうことがある。
そうなると「無呼吸」という拷問が待っている。
あの息苦しさは二度と御免蒙りたいので、カミさんのアドバイスを受け入れ、
枕を低くして寝ることにした。こんなでき損ないの男だが、まだ命が惜しい。
効果はすぐ現れた。鼾をかくのは相変わらずでも、呼吸が止まることがなくなった。
怖い夢も見なくなった。
太った人、高血圧の人は睡眠時無呼吸症候群になりやすいというが、
あの無呼吸状態はほんとうに怖ろしい。この世の終わりかと思わせる。
今年の抱負の中に、体重を5キロ落とすというのがあったが、
どうやら真剣に取り組む必要がありそうだ。がんばって痩せて首の回りの
贅肉を落とす。この余分な〝お肉〟が気道を狭めている恐れがある。
閑話休題。
正月早々、団地内を散歩していたら、顔見知りの若奥さんが
すれ違いざま、「嶋中さん、少し痩せたんじゃない? カッコいいわよ」
と声をかけてくれた。実際はそれほど痩せたわけではないのだけれど、
一時は90キロ近くあったから、その時期に比べれば10キロ強減量している。
いずれにしろ、カッコいいといわれれば悪い気はしない。
すぐその気になってしまう単純な性格もあって、その日一日、
ずっと気分は爽快だった。たとえお世辞でも褒められれば誰だって嬉しい。
ボクはこの人心収攬の「原理原則」を骨身に染みて思い知っているので、
できるだけ人を褒めるようにしている。女性には特にそうしている。
なかにはどうにも褒めようのないご面相やスタイルの人もいるが、
そういうときは、無理にでも召し物やバッグなど小物を褒める。すると、
「イヤーン、嶋中さんったら、またまたお上手なんだから」
などと照れるが、みなまんざらでもない顔をしている。
市議選に立候補するわけでもなし、愛想やおべんちゃらは無用なのだろうが、
人間関係の潤滑油と申しましょうか、人を褒める効用はこれでまたバカにできないのだ。
睡眠時無呼吸症候群の話が妙な方向へ行ってしまったが、
つまりはもう少しスレンダーな体つきになって、24時間、
ずっと楽に呼吸ができるようになりたいな、という話をしたいわけ。
そのためには枕を高くして寝ないこと。
あれをやると「苦しきことのみ多かりき」でロクなことにはならない。
←気持ちよさそうだニャン……
photo by だいさん
睡眠時無呼吸症候群というやつで、特に酒を飲んだあとの症状がひどい。
カミさんに言わせると、〝グガー、グガー〟というケダモノじみた鼾(いびき)が、
一瞬止まり、1分くらい息をしていないのだという。
こんなときは、たいがい怖ろしい夢を見ていて、夢のなかでも海で溺れたり、
悪漢に首を絞められたりと大忙し。案の定、息ができずもがき苦しんでいる。
その苦しさといったら、あなた……、
(ああ、俺もいよいよ年貢の納め時か。案外あっけない人生だったな……)
などと、もう半分あきらめている。
しかし、しばらくすると、
「ウウ……プファーッ!」
と、突然止まっていた呼吸が元にもどる。同時に目も覚め、
(ああ、夢か……まだ生きてるようだな……ウウウ、助かったぜ)
心底ホッとするが、胸のあたりが締めつけられたみたいに苦しい。
朝、カミさんにそのことを報告すると、枕を高くして寝ているせいよ、
と言われた。生まれてこの方、いつだって枕を高くして寝ているのだが、
この無呼吸症候群の患者には、これが一番よくないという。
首が曲がったまま、すなわち気道が曲がって半ばふさがった状態で
仰向けに眠るため、呼吸に支障をきたすのだ。
ボクは寝る前に寝床で本を読む。50年来の習慣で、
ひそかな楽しみと言っていい。本は仰向けになって読むのだが、
その際、枕が高いほうが読みやすいので、枕の下にクッションを2個ばかり
重ねたりする。で、そのまま寝入ってしまうことがある。
そうなると「無呼吸」という拷問が待っている。
あの息苦しさは二度と御免蒙りたいので、カミさんのアドバイスを受け入れ、
枕を低くして寝ることにした。こんなでき損ないの男だが、まだ命が惜しい。
効果はすぐ現れた。鼾をかくのは相変わらずでも、呼吸が止まることがなくなった。
怖い夢も見なくなった。
太った人、高血圧の人は睡眠時無呼吸症候群になりやすいというが、
あの無呼吸状態はほんとうに怖ろしい。この世の終わりかと思わせる。
今年の抱負の中に、体重を5キロ落とすというのがあったが、
どうやら真剣に取り組む必要がありそうだ。がんばって痩せて首の回りの
贅肉を落とす。この余分な〝お肉〟が気道を狭めている恐れがある。
閑話休題。
正月早々、団地内を散歩していたら、顔見知りの若奥さんが
すれ違いざま、「嶋中さん、少し痩せたんじゃない? カッコいいわよ」
と声をかけてくれた。実際はそれほど痩せたわけではないのだけれど、
一時は90キロ近くあったから、その時期に比べれば10キロ強減量している。
いずれにしろ、カッコいいといわれれば悪い気はしない。
すぐその気になってしまう単純な性格もあって、その日一日、
ずっと気分は爽快だった。たとえお世辞でも褒められれば誰だって嬉しい。
ボクはこの人心収攬の「原理原則」を骨身に染みて思い知っているので、
できるだけ人を褒めるようにしている。女性には特にそうしている。
なかにはどうにも褒めようのないご面相やスタイルの人もいるが、
そういうときは、無理にでも召し物やバッグなど小物を褒める。すると、
「イヤーン、嶋中さんったら、またまたお上手なんだから」
などと照れるが、みなまんざらでもない顔をしている。
市議選に立候補するわけでもなし、愛想やおべんちゃらは無用なのだろうが、
人間関係の潤滑油と申しましょうか、人を褒める効用はこれでまたバカにできないのだ。
睡眠時無呼吸症候群の話が妙な方向へ行ってしまったが、
つまりはもう少しスレンダーな体つきになって、24時間、
ずっと楽に呼吸ができるようになりたいな、という話をしたいわけ。
そのためには枕を高くして寝ないこと。
あれをやると「苦しきことのみ多かりき」でロクなことにはならない。
←気持ちよさそうだニャン……
photo by だいさん
2 件のコメント:
しまふくろうさま、こんにちは。
褒められたら、ヤシの木でも登ってみせてしまうであろう木蘭でございます。(笑)
私の場合、あまり高い枕では「肩こり」がひどくなってしまうので、
座布団くらいの高さのぺたんこ枕を使用しています。
亡くなった父は骨川筋衛門でしたが、やはりすごいいびきをかいていました。
そして途中で「かっ」といったままいびきが止まる。
しばらくして再び「ぐおーっ」と始まる。
心配になり、息をしているか確認したことが何度もありました。(^-^;
当時はそんなことでは病院には行きませんでしたし、
無呼吸症候群という名前すら知りませんでした。
しかし苦しい夢や怖い夢は心臓に悪い(*_*;
体が楽ちんな状態であれば、
そんな夢もあまり見なくなるかもしれませんね。
今夜は素敵な夢が見られますように。(^◇^)
木蘭様
こんばんは。木蘭さんがコメントを入れてくれると、
なぜかルンルンしてしまいます。これって、なぜなんでしょう?
実は以前、あまりにこの〝無呼吸〟がひどかったもので、
木蘭さんの言う「ぺたんこ枕」で寝ていたんです。
でもいつの間にか、また元にもどってしまって、
無呼吸のくり返し。マゾなんでしょうかねえ、私めは。
木蘭さんのご尊父も無呼吸だったんですね。
「ご同慶の至りで……」とエールを交換したいところですが、
命に関わることですからね、そんなのんきなことは言ってられません。
ボクは閉所恐怖症というPTSD患者でもありますから、
気道が塞がれる事態を異常に怖がります。
今年こそ楽に呼吸がしたいですね。
ささやかな希みです。
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