■1月24日(日) 晴れ
午後、近所に住むDanielの一家とアフタヌーンティを共にした。
Danielはオーストラリア人で、大阪は枚方生まれの奥さんと結婚し2子をもうけている。
15歳の時から車椅子生活という彼とはふとしたきっかけで知り合った。
たまたまボクの団地の公園で子供たちを遊ばせていた彼に、ボクが声をかけたのだ。
Danielは日本語があまり得意ではない。でもそんなこと関係ない。
ボクはいつものように日本語オンリー。あっちも必死で日本語を使おうとする。
「ゆっくりしゃべってくれれば英語もOKだよ」
ホッとしたような表情を見せる。彼の住むマンションはここから200㍍くらい先。
奥さんは和光市の誇る理化学研究所の研究員で、
Danielとは豪州留学中に知り合ったという。
子供たちは幼稚園に通う長女と、まだオムツの取れない長男の「一姫二太郎」。
この2人が腕白そのもので、昨日も居間にあるバランスボールを恰好のオモチャと
思ったか、バンバンと激しく弾ませたり、ソファの上からボールめがけて豪快にジャンプ
したりと、見ているこっちは、床やテーブルの角に頭をぶつけるんじゃないかと、
ハラハラドキドキのし通しだった。
(子供のエネルギーって、ほんとうにすごいな!)
子育てをやっていた頃をしばし思い出すスリリングなひとときだった。
そして今日、買い物帰りにその腕白な長女Kの通う幼稚園の前を通りかかったら、
子供たちが元気よく園庭を走りまわっていた。そして、なんと……親分肌の彼女が、
気弱そうな男の子を庭の隅に追いつめ、首を絞めていたのだ。ボクは思わず、
「オイ、女の子に負けてどうする。男だったらしっかりしろ!」
形勢不利な男の子を思いきり叱咤したのだ。腕白娘のKはボクの顔をみとめると、
「ヘヘヘ……」と照れかくしに苦笑い。ワーイ、と叫びながら行ってしまった。
ああ、げに女は怖ろしい。
■1月某日(金) 晴れ
ボクが黒衣(くろこ)としてお手伝いした単行本が発売された。
本のタイトルは『?』。著者の前作は5万部以上も売れたヒット作で、
今回はその続編といったところ。ボクは裏方の黒衣だが、売れればやはり嬉しい。
近頃は裏方仕事ばかりだが、たまには表舞台に立つこともある。
来る2月10日発売の月刊誌『サライ』3月号(小学館)は第2特集で
「コーヒー」を予定していて、編集部から見開きで「巻頭言」を書いてくれとたのまれた。
イケメンじじいの写真付きなので、嶋中ファンはぜひ買い求め、家宝にしてほしい(笑)。
■1月某日(日) 晴れのち雪
近所にある中華料理店「Chai菜」(ちゃいさい)で、ささやかな新年会を開いた。
お相手は相棒のNICKと、同じ団地内のTさん。もとは読売新聞の記者だったが、
北大教授を経ていまは桜美林大学の教授だ。中国問題の専門家で、著書も多い。
「マオタイ酒が手に入ったから一杯やりませんか?」
誘ってくれたので、ボクはお抱え楽士のNICKを伴って参加した。
貴州のマオタイ酒は高級酒の代表で、日中国交回復時に田中角栄が
この酒でもてなされ、一躍その名を轟かせた。
原料はコウリャンで、アルコール度数は53度。匂いを嗅ぐと独特の刺激臭がある。
「こうやって一気に飲むものなんだ」
TさんとNICKは一息にあおる。楽士兼商社マンのNICKはビジネスで20回以上、
支那に渡っている。新疆ウィグル地区にも行っている。
あっちで何度も「カンペイ!」とやって杯を飲み干しているだけに、
2人ともさすがに飲み方をよく知っている。それにしてもこの酒、むせるほどに強い。
ボクは白酒(パイチュウ)はほどほどにして甕出しの紹興酒に切り替えた。
NICKは調子に乗ってガンガンやり、鉋ッ屑が燃えあがるみたいにペラペラと
舌が回転しはじめた。こうなると後が怖いので、いい加減のところで幕にした。
ああ、酒飲みは意地汚くていやだねえ……(←おまえのことだろ!)
■1月25日(月) 晴れ
今日も飲み会。ここのところ飲んでばかりなので、さすがに昨日は休肝日にした。
お相手は団地仲間のYさん。病気の奥さんの介護で、大変ご苦労しているのだが、
少しばかり体が空いたので、酒の相手をしてくれとたのまれた。
ボクなんかのご相伴でよかったらいつでもOKですよ、と日頃から言ってある。
ボクとはなぜか気の合う先輩で、飲むといつも掛けあい漫才みたいな楽しい
酒になる。老々介護は互いの命を削ってしまう。たまにはバカッ話でもして
リフレッシュしなかったら体も神経も参ってしまう。
夫婦というのはふしぎなものだ。何十年も連れ添うと、一心同体みたいな境地になる。
たとえ口げんかばかりしていても、どこかで深くつながっていて、互いにしっかり
いたわり合っている。Yさんも同じ。奥さん、早くよくなればいいですね。
午後、近所に住むDanielの一家とアフタヌーンティを共にした。
Danielはオーストラリア人で、大阪は枚方生まれの奥さんと結婚し2子をもうけている。
15歳の時から車椅子生活という彼とはふとしたきっかけで知り合った。
たまたまボクの団地の公園で子供たちを遊ばせていた彼に、ボクが声をかけたのだ。
Danielは日本語があまり得意ではない。でもそんなこと関係ない。
ボクはいつものように日本語オンリー。あっちも必死で日本語を使おうとする。
「ゆっくりしゃべってくれれば英語もOKだよ」
ホッとしたような表情を見せる。彼の住むマンションはここから200㍍くらい先。
奥さんは和光市の誇る理化学研究所の研究員で、
Danielとは豪州留学中に知り合ったという。
子供たちは幼稚園に通う長女と、まだオムツの取れない長男の「一姫二太郎」。
この2人が腕白そのもので、昨日も居間にあるバランスボールを恰好のオモチャと
思ったか、バンバンと激しく弾ませたり、ソファの上からボールめがけて豪快にジャンプ
したりと、見ているこっちは、床やテーブルの角に頭をぶつけるんじゃないかと、
ハラハラドキドキのし通しだった。
(子供のエネルギーって、ほんとうにすごいな!)
子育てをやっていた頃をしばし思い出すスリリングなひとときだった。
そして今日、買い物帰りにその腕白な長女Kの通う幼稚園の前を通りかかったら、
子供たちが元気よく園庭を走りまわっていた。そして、なんと……親分肌の彼女が、
気弱そうな男の子を庭の隅に追いつめ、首を絞めていたのだ。ボクは思わず、
「オイ、女の子に負けてどうする。男だったらしっかりしろ!」
形勢不利な男の子を思いきり叱咤したのだ。腕白娘のKはボクの顔をみとめると、
「ヘヘヘ……」と照れかくしに苦笑い。ワーイ、と叫びながら行ってしまった。
ああ、げに女は怖ろしい。
■1月某日(金) 晴れ
ボクが黒衣(くろこ)としてお手伝いした単行本が発売された。
本のタイトルは『?』。著者の前作は5万部以上も売れたヒット作で、
今回はその続編といったところ。ボクは裏方の黒衣だが、売れればやはり嬉しい。
近頃は裏方仕事ばかりだが、たまには表舞台に立つこともある。
来る2月10日発売の月刊誌『サライ』3月号(小学館)は第2特集で
「コーヒー」を予定していて、編集部から見開きで「巻頭言」を書いてくれとたのまれた。
イケメンじじいの写真付きなので、嶋中ファンはぜひ買い求め、家宝にしてほしい(笑)。
■1月某日(日) 晴れのち雪
近所にある中華料理店「Chai菜」(ちゃいさい)で、ささやかな新年会を開いた。
お相手は相棒のNICKと、同じ団地内のTさん。もとは読売新聞の記者だったが、
北大教授を経ていまは桜美林大学の教授だ。中国問題の専門家で、著書も多い。
「マオタイ酒が手に入ったから一杯やりませんか?」
誘ってくれたので、ボクはお抱え楽士のNICKを伴って参加した。
貴州のマオタイ酒は高級酒の代表で、日中国交回復時に田中角栄が
この酒でもてなされ、一躍その名を轟かせた。
原料はコウリャンで、アルコール度数は53度。匂いを嗅ぐと独特の刺激臭がある。
「こうやって一気に飲むものなんだ」
TさんとNICKは一息にあおる。楽士兼商社マンのNICKはビジネスで20回以上、
支那に渡っている。新疆ウィグル地区にも行っている。
あっちで何度も「カンペイ!」とやって杯を飲み干しているだけに、
2人ともさすがに飲み方をよく知っている。それにしてもこの酒、むせるほどに強い。
ボクは白酒(パイチュウ)はほどほどにして甕出しの紹興酒に切り替えた。
NICKは調子に乗ってガンガンやり、鉋ッ屑が燃えあがるみたいにペラペラと
舌が回転しはじめた。こうなると後が怖いので、いい加減のところで幕にした。
ああ、酒飲みは意地汚くていやだねえ……(←おまえのことだろ!)
■1月25日(月) 晴れ
今日も飲み会。ここのところ飲んでばかりなので、さすがに昨日は休肝日にした。
お相手は団地仲間のYさん。病気の奥さんの介護で、大変ご苦労しているのだが、
少しばかり体が空いたので、酒の相手をしてくれとたのまれた。
ボクなんかのご相伴でよかったらいつでもOKですよ、と日頃から言ってある。
ボクとはなぜか気の合う先輩で、飲むといつも掛けあい漫才みたいな楽しい
酒になる。老々介護は互いの命を削ってしまう。たまにはバカッ話でもして
リフレッシュしなかったら体も神経も参ってしまう。
夫婦というのはふしぎなものだ。何十年も連れ添うと、一心同体みたいな境地になる。
たとえ口げんかばかりしていても、どこかで深くつながっていて、互いにしっかり
いたわり合っている。Yさんも同じ。奥さん、早くよくなればいいですね。
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