2013年8月26日月曜日

脳みそも白い筋肉

朝起きると、
(今日こそ、原稿書き、がんばるぞォ!)
と心に誓います。でも、書斎の中をフラフラするばかりで1行も書きません。
そして夕方も5時になると自動的に〝おちゃけタイム〟になるので、
朝の爽やかな決意などカンペキに忘れ去られてしまいます。
この愚にもつかぬ茶番を数日くり返しています。

唐突ですが、ボクは扁平足です。
兄も弟も扁平足です。扁平足のひとは持久力がないらしいです。
しかし瞬発力はあります。長兄は中学高校と陸上ハイジャンプのエースで、
県体ではいつも大活躍していました。ボクも中学の一時期、
陸上部にいて、やはりハイジャンプ(走り高跳び)をやっていました。
今では馴染みのうすいウエスタンロールとかロールオーバーと呼ばれていた跳び方です。

何が言いたいのかというと、
筋肉が瞬発力中心の〝白い筋肉〟だと、
頭の筋肉?も白いんじゃないか、ということです。
つまり「短期決戦型」で、長期戦が苦手だということ。

子どもの頃、中間や期末の試験が近づいてくると、
勉強をせず、突然部屋の掃除を始めたり無関係な小説なんぞを読みふけっておりました。
試験日の前日、ちょっとばかり山を掛けたところを集中して記憶します。
当日、山掛けはみごとに当たり、佳い成績を収めます。

女房は逆に〝赤い筋肉〟で、マラソンが得意だと言っていました。
脳みそもたぶん安価で赤いマルコメ味噌だと思われます。
試験があるというと、数週間前からコツコツと準備を怠らない几帳面タイプ。
つまりカミさんは「コツコツ型」で、亭主は「一発山掛け型」であります。
そもそも筋肉が異なるからこうなります。

そんな、場当たりの「一夜漬け強行突破作戦」をずっと続けてきたので、
いよいよ原稿の〆切が迫り、担当編集者の顔が夜叉顔に変じないかぎり、
(よーし、書くぞォ!)
という気になりません。断崖絶壁の、もはや風前の灯という土壇場に追い込まれないと、
まるで行動を起こそうとしないのです。これは一種の病気でしょうか。

今日も結局1行も書かず、あと30分もすれば〝しらふの時間帯〟は終わります。
こんな自堕落な生活を、40年も続けてきたのかと思うと、わが身が不憫で、
担当編集者はもっともっと不憫だな、と時々思ったりします(ウソ)。

閑話休題。
昨夜、長女とサブリナ(伊人の異人)は高円寺の阿波踊りを見に行きました。
二人とも涼しげな浴衣を着ていったのですが、バスに乗った際に
知らないおじさんがサブリナに向かって、
「あんた、それ左前だよ」
と浴衣の襟元を指さしました。なんと右前ではなく左前(死装束です)に着ていたのです。
愚かな長女も〝右前・左前〟の意味が分からず、
二人して大恥かいたそうです。

外国人はしかたないとしても、日本人が右前と左前を知らないのは恥ずかしい。
いくらうわべを飾り「カッワユーイ、きれい」と褒めそやされても、
中身が伴わなくては何にもなりません。

いま、団地広場で5時の時報が鳴らされました。
「おちゃけタイム」がやってきたのです。
明日こそ原稿を書きます。書かないと大変なことになります(マジで)。
といいながら、どこかまだ他人事みたいな自分がいます(もう知ーらないっと)。



←世の中には肌を露出させない〝色気〟と
いうものもあります。こういう高次のお色気を
見せられると、リオの露出狂女たちがバカに見えます。
(高円寺の阿波踊り)






※追記
「右前・左前」のついでに芸者の「左褄」の話も。
知っておくと便利です(芸者ならぬ「ゲイシャ遊び」は得意だもんね) 。
http://karyukai-geisya.jimdo.com/2011/06/27/%E5%B7%A6%E8%A4%84%E3%81%AE%E3%81%8A%E8%A9%B1/

4 件のコメント:

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、こんにちは。

右前と左前は知ってましたが、浴衣は着られてもきちんと着物は着られないと思います。

だいたい帯がかっこよく決まりません。

足袋もないし・・・

そこまで先祖がえりできる精神的な筋も通ってません。

日本回帰は頭にあるんですけど、洋服を捨てる気も今やってる音楽を邦楽に変える気もまーーーーったくないです。

和洋折衷でいいんでしょうか?

なんか嫌いなものだけ切り捨ててるような身勝手さも感じたりして・・・

諭吉さんの時代とは背景がちがうと思うし。


それはそうと、10月20日の連合三田会、一緒にいきません?

貴兄がKOに執着がないのは重々承知してますが、今年の福引はかなり豪華とのうわさを耳にしておりますので。


木蘭 さんのコメント...

しまふくろうさま、こんにちは。

私も月曜日にやっと原稿を提出できました。(笑)

毎月、原稿用紙たった四枚分ですが、
やはりなかなか手につきません。

さぁ、原稿を書くぞと思う時は、しまふくろうさまと同じく廻りをまず片づけ始めたりするタイプかもしれません。(^▽^;)


連載当初、自分の文章内容には自信がなく、
これでいいのかしら、と思うばかりでした。

しかし夏彦翁の本の中で、
「いくら努力をしても自分以上にはなれない。ただ自分以下にならないことだけ心がける。以下にならなければ人は誤って以上になったと見てくれることがある」とのお言葉に力を頂き、迷いがなくなった気がしました。

私には私のペースがあり、
私には私の文章があり。

お互い担当さんに迷惑のかからない範囲であれば(笑)、マイペースですすむのが一番ですね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

ライブ行けなくてごめんね。
そのうちCD出してください。

芸者はなぜ左褄なのか、おもしろいでしょ?
男の手が入るか入らないか、だもんね。
芸は売っても身は売らぬ、か。

でも看板とは裏腹なんだよね、実際は。

さて、連合三田会のお話。
ボクにも連絡が来てたようだけど、
破って捨てちゃった(笑)。

実は先日、家族で三田に行ってきました。
「晴山」という日本料理店で会食です。

ちょうど慶應女子高の隣なんだよね。
K子ちゃんはこんなとこに通ってたんだ、
と感慨も新たにしましたよ。

その日、帰りに足が痛み出し、
和光に着いてからはほとんど歩けず、
酷い目にあいました。

ダメですね、遠出は。
膝が治らない限りムリですよ。

福引きで釣ろうという魂胆はミエミエですが、
ちょっとムリかもね。
なにしろあの学校へのシンパシーはゼロだから。

ゼロで思い出したけど、
百田尚樹の『永遠の0』はいいねえ。
近く400万部に届くだろうといわれてる。

オレの本もそんだけ売れたら、
NICKさんにエビスビールを死ぬほど
飲ませてあげられるんだけどな。

当分?お預けだね。
その間はNICKがおごりなさい。
厳命です。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭様

ボクは最初の数行が決まると、あとは比較的
スラスラと書けます。起承転結とか粗筋めいたものはいっさい考えません。

出たとこ勝負で、筆(今はキーボード)が勝手に動いてくれるんです。

それでも産みの苦しみというか、
助走段階ではウンウン呻っています。

これはちょっと自慢なんですが、
今春、ボクがゴーストで書いた2冊の本が
発売後2ヵ月で共に増刷となりました。

ゴーストであっても、増し刷りされるのは
とても嬉しいし、誇りに思います。

物書きなんて因果な商売です。が、
他に何にもできないんですから
しょうがない。

ボクは佐伯泰英や百田尚樹みたいな流行作家
になりたいとはサラサラ思いません。
そんな才能はないし、女性ファンがわらわらと
押し寄せてきても困りものです(プッ)。

ただし原稿料というか印税の率をもっと
上げてもらいたい。犯罪的なまでに安いですものね、原稿料は。

この国はまだまだ文化国家とはいえません。