2015年8月4日火曜日

水泳でも〝中高年の星〟に

この炎天下、ものの数十分も外歩きをしたら、ジジイの丸干しができあがってしまう。
それでも必死の形相でジョギングしているおじさん(寿命を縮めてるだけなんだけどね)や、
気息奄々、いまにも息が絶えそうな顔で買い物袋をぶら下げているおばあさんもいる。
今年の夏は、日本国じゅうが、サバイバルゲームの戦場と化している。

こんな時は、ムリして外出するよりは冷房の効いた部屋で「世界水泳2015」なんぞを
見ていたほうが数段利口だ。汗だくでボールを追うサッカーや、汗みずくのデブ同士が
激突する相撲なんぞを見ていると、こっちまで大汗かきそうだが、なんてったって水の中
だものね、見ているほうも全身の汗が引いていくような涼やかな気分になる。

試合会場はロシアのカザンという町。あいにく日本のホープ・萩野公介は右肘骨折で欠場
しているが、代わりに入江陵介や瀬戸大也、渡部香生子などが万丈の気を吐いている。
昨日は、ブレストの渡部が200㍍個人メドレーに出場し、みごと銀メダルを獲得した。
非凡の才は早くから注目の的であったが、いままさに全開ってところか。

アメリカのケイティ・レデッキー(18歳)もすごい。昨日は1500㍍フリーの予選で、
はやくも世界新記録を出している。過去にはイアン・ソープやマイケル・フェルプスなど
天才的逸材が話題になったものだが、今年の世界水泳のヒロインはまちがいなく
このレデッキーだろう。また男子ブレストでは、イギリスのアダム・ピーティーが彗星の
ごとく飛び出してきた。ブレストでは北島康介が一時代を築いた時期もあったが、
いよいよ「ピーティー時代」の到来が予感される。

テレビ中継を見ていると、アナウンサーや解説者は、お決まりのようにこう言う。
「□△選手は後半強いですからね……」
いつもそう。日本人選手はたいがい「後半強い」ことになっている。
期待して応援していると、たしかに後半追い上げる選手も中にはいるが、
結局は先行選手に逃げ切られてしまう。なぜか? 
ライバルの有力選手は「前半」も「後半」も強いからである。

それと常套句のように言うのは、
みんないい表情してますね」というもの。
選手控え室などの表情を見ても、特に緊張するでもなく、リラックスした
〝いい表情〟をしているというのだ。ボクなんかこうしたコメントを聴くと、
「それがどうしたんだよ!」と突っこみたくなる。
「いい表情をしていれば試合に勝てるのかよ!」
どのスポーツ競技においても〝いい表情〟についてコメントする日本のスポーツ
解説者というのは、いったい何の根拠があってそんな無駄口をたたくのか。
ボクは高校時代、水泳の試合で、いつも「いい表情」をしていた、と自分では思って
いるのだが、試合ではことごとく敗れた。表情なんて関係ない。

それにしても、一流選手というのはおそろしい。
ボクが50㍍泳いでいる間に軽く100㍍は泳いでしまう。
ジジイ一匹と若鮎のような一流選手と比較すること自体がそもそもアホらしいのだが、
彼らのスピードは尋常ではないので、どうやったらあんなに速く泳げるものなのか、
その〝秘訣〟とやらをこっそり教えてもらいたくなる。

最近は体力がめっきり落ちてしまったが、それでも地元のプールでは
上位数名の中に入っている。活きのよさそうな若いもんにも負けていない。
こういうのを一般に〝爺意識(じいしき)過剰〟とか〝夜郎自大〟という。
おバカな韓国人の得意技とされているものだが、
いよいよ俺も誇大妄想狂のコリアンに似てきたのかもしれない。嗚呼! 

水泳はいい。運がよければ〝聖水〟の恩恵に浴することだってできるし、
身体だってぐっとひき締まる。ゴルフみたいに金を食うわけでもない。
パンツ一丁とゴーグル、水泳帽さえあれば、どこでも泳げるのだから、
ボクみたいな貧乏人にはもってこいのスポーツなのだ。
ボクは水泳でも〝中高年の星〟になるつもりだ。




←1500㍍フリー予選で、世界新記録を
マークしたケイティ・レデッキー。態度も
でかいが、図体(183センチ)もでかい。














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