2014年9月22日月曜日

嬉し悲しき独立記念日

スコットランドは幸か不幸か〝独立ごっこ〟に終わってしまったが、
わが家の長女は昨日みごと「独立」を果たした。
親元を離れて暮らすのは高校時にイタリアはトリノで1年間ホームステイして以来のこと。
数年前に親元を離れていった妹に刺激されたのか、
(このまま親元でぬくぬくと惰眠を貪っていてはいけない)
と危機感を感じたのかどうかは知らないが、突然、「家を出たい」と言い出した。

おじさんはショックだった。次女はすでに横浜暮らしだから、
これで娘2人が親を捨てて出ていってしまうことになる(←大げさだろ!)。
残されたのはジジとババ。これからいったい何を支えに生きていけばいいのか……。

女親は息子が巣立つと号泣し、男親は娘が巣立つと号泣するという。
ボクは兵庫県の野々村〝号泣議員〟を「男の風上にも置けないフニャチン野郎
と蔑んでおったが、いざ娘たちが「ほな、サイナラ」とあっさり出ていってしまうと、
「ウワーン! やっと育てた娘なんですゥ! 世の中を……ウッ……ガエタイ(変えたい)」
などと泣き出したくなる。


アパートのお隣さんはどうやらオトコらしい。
「挨拶に行ったら、男の人が出てきた。別にふつうの人だったよ……」
〝おたく〟みたいな人だったらイヤだな、と長女はちょっぴり心配しておったが、
ごく〝人並み〟の男だったらしく、安心したという。でもおじさんは心配だ。
「洗濯物に男のパンツ(父ちゃん愛用のユニクロパンツがいいな)を混ぜときなさい」
「表札には複数名書いとくといいんだ」
などと貴重な防犯上のアドバイスをしてやったが、娘は鼻でせせら笑ってた。

「子の親離れより親の子離れのほうが深刻だね」
女房は意気消沈しているおじさんに対して非情な言葉を浴びせかけるが、
おじさんは反論する気力すら失せてしまっている。

Mさんから頂戴した大きな栗(渋皮煮が甘くておいしい)をモソモソ食べ、
ようやく元気を取り戻せそうな気分になりかけたが(おいしかった。Mさん、ありがとね)、
やっぱり長女の賑やかな話し声と飛びっきりの笑顔が目の前から消えてしまうと、
「ウワーン! だからァ……グズッ……命がけでェ……ウワーン!」
となってしまいそうで、自分でも自分が怖い。

昨日は次女のボーイフレンドとも会った。一緒にプールで泳ぎもした。
キャッチボールもした。メシも食った。長女の引っ越しを手伝ったあとの
ハードトレーニングだったから、もうヘロヘロだったが、とても充実した一日であった。
でも……おじさんは未練たらしく長女の心配ばかりしている。


長女もいつの日かカレシを見つけ、わが家に連れてくるだろう。
いや、へたをすると生涯その日が来ないかもしれない。
結婚するにしろしないにしろ、彼女が選ぶ人生である。
しかしいずれにしても、娘たちは雄々しく親元を巣立っていく。
ああ、喜び半分、さびしさ半分……おじさんという生き物は悲しい運命の下にある。
「ウェーン! だからァ…この日本はァ…アゥアウゥアゥ…ウェーン!」(←一生やってなさい








←ケニヤで赤ん坊を抱く長女。







※追記
しかし考えてみれば、女房の亡父(浜松)は1男2女を全員東京の大学に行かせ、
3人はそのまま東京と埼玉に所帯を持つことになってしまった。息子や娘たち、
そして孫たちに会えるのは年に数回。
(ずいぶん淋しい思いをしていたんだろうな……)
義父や義母の気持ちがいま、ようやく分かったような気がする。
こっちは巣立ちといっても、電車に乗ればすぐに会える距離にいる。
贅沢を言ってはバチが当たるな。反省、反省……

4 件のコメント:

なごり雪 さんのコメント...

嶋中労さま

へぇ、、、意外な一面ですね。
労さまは天涯孤独な影がつきまとってる無頼派かと。。。

楽しい老後だといいね。(プッ)

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

なごり雪様

どこが意外なのか、さっぱりわかりませんね。むりやり天涯孤独にしたがってるようだけど、そうはいかないもんね。

それより、そっちだってかわゆい娘がいるじゃないのさ。あっちこっち連れ回しておいしいもの食べさせてる。いわゆる掌中のタマってやつだ。

ひとの老後の心配するより、
自分の老後を心配しなさい。

それにしても娘ってやつは男親を狂わせるね。クールビューティが看板の俺も形無しですよ。野々村議員とメル友になろうかしら。

木蘭 さんのコメント...

しまふくろうさま、こんばんは。(*^^*)

Mさんとはあやしい~(笑)

美味しく煮て頂き、
放任主義で育てられた栗たちも満足だったに相違ありません。


男の子は振り向き振り向き家を後にしますが(寺院の長男の場合ですが・・・)、
女の子は前を向いたら振り向かない子が多いような気が致します。(^-^;

今はとっても寂しいことと思いますが、
だんだんと慣れてくるものですよね。

で、たまに帰ってきた時のほうが大変かもです。

「あまちゃん」の夏ばぁが言っていました。
「いなきゃいないで寂しくなんかないんだ。
たまに帰ってくるから、いなくなると寂しくなってしまうんだ」と。

ある信者さんのお母様も同じことを言っていました。

帰ってくるとうるさいんだけど、
帰ってしまうととたんに寂しくなるのよ、と。


独りの私は家族の出入りがないので~そういう寂しさを感じることはありませんが・・・。

寂しさはそのうち慣れますので大丈夫です。(^_^;)

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭様

たしかに女性はいったん前を向くと後ろを
振り向きませんね。いつまでも〝昔の女〟
を未練たらしく思い出しているのは、
決まって男です(あれっ? 話がちとちがう?)。

わが家は共働きだったもので、娘2人は
学校(学童保育)から帰ると、誰もいない玄関で「ただいまァ!」「おかえりィ!」と
叫び一人二役を演じていました。淋しかったんでしょうね。

この話を幼かった長女から聞いた時、
少し泣けました。

でも今から思うと、鍵っ子だったからこそ
たくましく育ったんじゃないか、
と思うこともあります。

子どもの巣立ちは喜ばしきこと。
精一杯応援することにいたします。