2013年9月26日木曜日

伊達の「シャラップ!」に倍返しだ

クルム伊達公子(42)が、たび重なる観客の〝ため息〟に激怒して、
思わず「Shut up シャーラップ(黙れ)!」と声を荒げた。←shut upはかなり乱暴な表現です

24日、東京・有明テニスの森公園でおこなわれた東レ・パンパシフィックオープンの
シングルス2回戦で、伊達はオーストラリアの選手と対戦し、惜しくも敗れてしまった。
第1セットを落とし、第2セットで巻き返しを図ろうとした伊達は、必死にボールに
食らいついた。しかし奮戦むなしくボールはネットに。すると観客は「あ~あ!」。
伊達はマジ切れして英語で「シャーアアアアアアラップ!」と吼えた。

その後、タイブレークとなり、息をのむ場面で伊達は痛恨のサーブミス。
7000人収容のスタンドからは悲鳴のような〝ため息〟がまたもれた。
すると伊達はまたまたブチ切れて、観客席に向かって「ため息ばっかり!
一声吼え、怒りを爆発させた。観客たちはキョトンとし、いつしかしらけ鳥が。

結局、試合は2-0で伊達の敗退。
伊達はよほど癇にさわったのか、試合後の記者会見でも、
「欧米(の応援は)はそうじゃない」などと、日本の観客の応援マナーを批判。
同じ〝ため息〟でも欧米のは「オォー(↑)」とポジティブで、日本のは「アァー(↓)」
と暗く沈みこむみたいにネガティブなのだという(←オォーとアァーの違いかよ)。
もっと選手の背中を押してくれるような〝明るいため息のつき方〟を、
日本の観客も学んでほしい、と注文をつけた(←ボクは檀蜜の「ハァハァ」がいいな)。

「シャラップ!」といえば先般、国連拷問禁止委員会で聴衆の笑いに「シャーラップ!」
と叫んで退任させられたアホ大使がいたが、なぜか「シャラップ」は日本人にご縁がある。

伊達のマジ切れを見てボクは、「このおばさん、自分を何様だと思ってんだよッ!」
とマジに切れてしまった。伊達を応援しようとお金を払ってチケットを買い、わざわざ
見に来てくれたお客さまに対して、「マナーを知らない」とは何たる無礼、何たる不遜!
「シャラップ!」とケンカ腰で叫ぶほうがよっぽどマナー違反だろ。

ラーメンの湯切りざるみたいなものを振りまわし、ボールを打ち返してなんぼ、
という見世物興行のかたわれでありながら、自分が〝虚業〟の世界でおまんまを
食べさせてもらっている「芸人」のひとりだってことをすっかり忘れている。

野球でもサッカーでも同じ。ちょっとばかり有名になると、自分たちが「遊芸稼ぎ人
の同類であり子孫であることをきれいさっぱり失念してしまう。昔の寄席などでは、
へたな噺家を前にした客たちは、平気で大あくびをしたり、なかには寝っ転がって
寝てしまうものもいた。しかし、ひとたび気の利いたことを言うと客はガバと起き上がって
拍手を送った。そんな客たちを相手に、噺家たちは必死に芸を磨いたのである。

観客の「こもるようなため息」が気に食わないのなら、ため息をつかせないような
手に汗握る好試合をやってみろ。世界ランキング60位のおばさんが、何寝言いってんだ!
自分の未熟さを棚に上げ、負けたのは観客の〝ため息〟のせい、などと憎まれ口を
叩いているようでは、すでにおばさんの脈は上がってるな。欧米人のため息のほうが上等、
などとラチもないことを言ってるヒマがあったら、せっせと腕を磨くこった。

すりこぎ棒のでっかい奴や、湯切りざるのでっかい奴を振りまわすだけ(野球とテニス)
あぶく銭がもらえるってことが、どんなにすばらしいことか、とくと考えたらいい。
〝虚業〟に生きるものは、お天道様の下を歩けるだけでもありがたいのだ。
平和な時代でなかったら、一粒の米さえ食えやしない。

現にボクだってクルムおばさんの同類だ。言葉という符牒を操ってメシを食う典型的な
「虚業」に生きている。米や野菜といった形あるものは何ひとつ作れず、唯一の造形物
といったら〝ウンコ〟くらいなものだ。著作? あんなものただのイリュージョンにすぎんよ。

だから銀行はわれら虚業に生きる人間を信用せず、金を貸してくれないし、ボクも借りない。
虚業に生きるものは、いつだって内心忸怩(じくじ)たる思いを噛みしめているのですよ(ウソ)。
そんでもって、原稿が書けずに、いつも出てしまう「あ~あ」という絶望的なため息。
     

     ため息は命を削る鉋(かんな)かな

削られっぱなしで、もう後がありませぬ。



←おばさん、お黙り!
なにが背中を押してくれるようなため息が欲しいだ!
見に来てくれているだけでもありがたいと思え、
このスットコドッコイ!



2 件のコメント:

なごり雪 さんのコメント...

その溜息は公子クルムが吐かせたモノなのにね。
溜息を歓声にできなかったのは、
己の力量じゃないのかな。

っつーか、なんか恥ずかしかったな、あの姿。
観ていたコッチが赤面しちゃった。

卵が先か、ニワトリが先か。
溜息が先か、加齢により衰えた体力が先か。

一生このままなんだろーな、こーゆー女史は。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

なごり雪様

おいでなさいまし。

ボクは遊芸稼ぎ人を決してバカにはしません。
ボクもそのかたわれだからです。

芸人には誇りが必要です。
でも心の片隅に「しょせん虚業なんだ」
というニヒルな感情を持っていてほしいのです。

半ば公的な存在である公子おばさんのような
人にはプライバシーがありません。名声の代わりに、それを売ったからです。

ですから、「ため息」をつかれようが、
「尻デカ色黒女」などといわれても
ヘラヘラ笑っているしかありません。

街で藤山甘美を目ざとく見つけた女の子が、
「あっ、寛美だ!」と指さしたら、
母親が、
「おやめ、指が腐る」と咎めたといいます。

いくら有名人でも、芸人は堅気とは違うのです。スポーツ選手も同じです。あんなもの、
堅気のわけがない。

でも誇りは大事です。
ボクなんか誇り(埃?)だけで生きてますから。

スミマセン、堅気衆のなごり雪さんに向かって、えっらそうに一席ぶってしまって。
一生このまんまです、こっちも。