2012年5月25日金曜日

第3回辻静雄食文化賞

昨日、恵比寿ガーデンプレイス内の高級レストラン「ジョエル・ロブション」3階で、
第3回「辻静雄食文化賞」の贈賞式があり、不肖わたくしめも参加させてもらった。
この賞は「食」の分野のアカデミー賞とも云われる権威ある賞で、2012年度は
悦ばしくも『田口護のスペシャルティコーヒー大全』が受賞作に選出された。

また新たに設けられた同賞の「専門技術者賞」には神楽坂は
「ル・マンジュ・トゥー」の谷昇さんが選ばれた。谷さんの店は
何か祝い事があるたびに家族で訪れ、フードジャーナリストであるわが女房とも
永いつき合いと云うこともあって、彼の受賞はわがことのように嬉しかった。
谷さんはボクと同い年で、今年で還暦。
目を潤ませながらの受賞挨拶も実にみごとなもので、ちょっぴり胸が熱くなった。

賞の選考委員は、国立民族学博物館の石毛直道氏を委員長に、
フランス文学の鹿島茂、作家阿川佐和子、文芸評論家福田和也、
辻調校長辻芳樹といった錚々たる面々で、
個人的には大好きな阿川さんとツーショットでも撮りたいな、
などとミーハー気分で出かけたのだが、あいにく彼女は欠席だった。
しかたがないので、会場にウヨウヨ群れていた
うら若き女性編集者をとっつかまえては、写真に収まった。

さて肝心の受賞作の話をしよう。ボクも少しばかりお手伝いさせていただいた
『おスペ大全』だが、受賞理由にはこうあった。
科学的視点を加えた技術の理論化により、新たなコーヒーの価値観を確立し、
コーヒー技術書として、またコーヒー文化論としても完成度の高さが卓越している

完成度の高さが卓越している――ときたもんだ。マイッタな。テレちゃうよ。
身にあまる評価をいただき、感謝の言葉もありませぬ。田口御大になり代わり、
ここに改めてお礼を申し上げる次第でごじゃりまする。

というわけで、夜は銀座へ繰り出しフレンチレストランで祝賀会。
例によってジュヴレ・シャンベルタンなど高級ワインをガブ飲みし、
前後不覚になってぶっ倒れた。気がついたらわが家の寝床で
高いびき。いったいいくつになったら〝適量〟をわきまえるのかと、
わが身を省みてつくづく情けなくなった。

授賞式会場の様子はいずれ写真をまじえて紹介する。
まずは緊急速報ということでご容赦あれ。





右:辻芳樹校長
中央:田口護氏
左:石毛直道選考委員長


ところで副賞50万円はみんなで山分けした――という夢を夕べ見た。
なんだか正夢になるような気がしてならない。←しつこいッつーの!








贈賞式のようすが動画で見られます。
興味のある方はどうぞ。
第3回辻静雄食文化賞贈賞式











※追記
辻静雄とコーヒーとの関係はよく知らない。
でもこんなことを書いているから参考まで。

《私にとってモーツァルト(バッハじゃないんだな、これが)のK377の第2楽章の
変奏曲は一種の薬のようなもので、日常頭の痛い時、苦しい時、困った時、
これを聴くと、まるで濃いコーヒーを飲むと痛みや苦しみを、
じわじわと癒してくれるように、鎮められる効果がある》
(『続 私のモーツァルト』帰徳書房編 帰徳書房)

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