2011年10月16日日曜日

秋の落ち蚊

昨夜、夕食の鍋料理をつついていたら、
突然目の前に糸くずみたいなものが現れた。
はるさめでも睫毛に引っかかったのかと、
手で何度も除けようとしたけれどとれない。
こすってもだめ、顔を洗ってもだめ。
蚊のような、糸くずのような謎の浮遊物体は
いっこうに消えてくれないのである。

「それって飛蚊症じゃない? 知り合いと同じ症状だもの」
女房がそう言った。
「何? そのヒブンショウって?」
「一種の老化現象みたい。目の前にいつも蚊が飛んでるように見える
から飛蚊症」

さっそくネットで検索。あったあった……ありましたよ。
「多くは加齢により自然発症するもので、
硝子体が何らかの理由で網膜から剥離して起こる」と解説がある。
老化によるものは、あきらめるしかなく、
「そのうち馴れる」なんて書いてあったりする。

こいつは参った。目の前にいつも糸くずが絡まっていたり、
蚊が飛んでいたりじゃ、鬱陶しくてしようがない。
こんなものと一生つきあわなけりゃいけないのかと思うと、
暗澹たる気分になる。

地震、津波に台風まで押し寄せ、
おまけに母や叔父、叔母を失い、
こんどは何の因果か五十肩に金欠病(持病です)に飛蚊症ときた。
今年はなんてツキのない年なんだろう。

齢をとるということは、
次から次へと押しよせる身内の不幸や身体の異常事態を、
素直に従容と受け止めることなんだな、としぶしぶ納得。
徐々に油が切れポンコツ化していくわが身を思うと、
侘びしさがひとしおこみ上げてくる。




※追白
10/17(月)病院の眼科で精密検査。
結果はやはり「飛蚊症」だった。投薬も手術も必要なし。
医者曰く「すぐに馴れますから……」
馴れますからと云われたって、あなた……







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