2011年5月2日月曜日

飲みくらべ

相撲取りとまともに飲み比べをやってはいけない。
先日、それをやってひどい目にあった。
その翌日、前後不覚で一日中ぶっ倒れていたのだ。

お相手は入間川部屋の暁司(ときつかさ)君。
仲を取り持ったのは本ブログへの熱いコメント
でお馴染みの高校39年生(後に「胡塞齋」と改名)氏だ。

トキさんは身長180センチ、体重140キロというから、
相撲取りとしては並みの体つき。図体だけを見ると、
柔道5段の猛者でもある高校39年生氏とそう変わらない。
へたをすると床上手……ではなかった寝技上手の
39年生氏に組み敷かれてしまうかもしれない。

そんなあんこ型のトキさんだが、飲みっぷり喰いっぷり
は半端じゃあない。いったいどれほど飲むのだ、と尋ねたら、
「喉のおしめりでまずビール40本(大ビンです)、次いで酒が……」
ときたから、口あんぐり。それ以上聞く意欲を失った。

以前、ちゃんこ鍋の取材で西巣鴨の「若瀬川」という店に行った折、
元若瀬川(前頭筆頭)のしこ名で土俵を沸かせたご主人は、
現役時代の食べっぷりを以下のように披露してくれた。

まず昼めしに丼めし10杯、おやつにカツ丼など店屋物を3人前、
夕食に丼めし10杯、夜食に店屋物数人前、寝る前に焼き肉20人前、
それとクッパ3杯……聞いてるだけでゲンナリしてくる。

さて、ちゃんこ鍋にも験(げん)かつぎがあるのをご存知か。
相撲取りはどの部屋のものでも本場所の初日と千秋楽には
鶏ガラスープで炊いたちゃんこを食べるという。
鶏は二本足で立つところから〝土つかず〟で験がいい、
というわけだ。

それとこれもきっと初耳だろうが、相撲部屋のちゃんこでは、
ポン酢の代わりに酒石酸を用いる。粉末状のものを湯で溶き、
しょう油で味をつける。これが昔からの伝統だ。

トキさんは29歳。来年、志半ばで現役を引退するという。
お互い初対面だったが、礼儀をわきまえた気持ちのいい男で、
ケガに泣かされなければ幕内も夢ではなかったはずだ。

引退後の生活設計がまだできてない、とこぼしていたが、
このガッツある好漢ならどうにでもつぶしはきくだろう。

それにしても飲み過ぎた。
「被災地支援のために東北の酒を!」
の店側の謳い文句につい誘われたのが運のツキだった。

下戸で金庫番の39年生氏は、われらが飲みっぷりを見て
ハラハラドキドキ、さぞや生きた心地がしなかっただろう。
ごちそうさま。この借りは、いつかカラダで返します。



←力士は1日2食主義。
それでも(それだから?)こんな身体に
なってしまう。
♪ こんな カラダに だ~れがしたァ~

2 件のコメント:

高校39年生 さんのコメント...

酩酊しても御説は的を射ていたので、感銘いたしました。金庫番としては、あの程度なら・・・ちなみに、その帰途、暁司君はコンビニで夜食を調達しておりました。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

高校39年生様

鰻重+丼めしをあれほど食べても
トキさんの胃袋の10%も満たさないのですね。

畏れいりました。
でも、来年は引退して非日常の世界と
おさらばするのだから、
胃袋も徐々に世間並みにしていかないとね。


文中の元若瀬川関は体調を崩され、
ちゃんこ鍋屋をたたんだ後、
今は九州福岡でビルの管理人を
なさっているようです。