ケータイも持たず、パソコンも使えず(ワープロだけはどうにか操れる)、
デジカメもだめ。21世紀にいながら、ほとんど19世紀に生きている僕は、
IT社会の何たるかも知らず、道端にまるで棄民のようにうち捨てられている。
先日、老母の米寿を祝う小旅行があったが、その際に女房が撮った写真を
画像編集ソフト「Picasa3」にアップしてみた。娘たちは以前からこのソフトを
利用していたようだが、僕と女房は初めて。使ってみると意外と簡単で、
デジカメで撮った写真を好きなように編集することができる。
色の調整やコントラストの強弱、傾いていた身体をまっすぐにする、
なんてことはお茶の子さいさいで、トリミングなども自由自在。驚いたのは、
顔のシミや傷を取り除いたり、白髪を染めたりするのも簡単、ということだった。
実際の話、シミを取ったりシワをのばしたりするには金とエネルギーが必要だが、
デジタル写真の中では、簡単にできてしまう。さっそくレタッチの技術で母の白髪を染め、
兄や義兄の顔のシミを落としてやった。そしたら案の定、見違えるくらい若くなった。
あんまり面白いので、兄の顔を実験台にいろいろためしてみた。
「額のあたりが後退してきてるようだから、リーブ21で殖やしてやっか!」
「姿勢はまっすぐにできるけど、根性まではムリだろうな……アハハハ」
などと、むちゃくちゃ言いながら勝手にいじくり回している。
これって、けっこうサディスティックな快感が味わえる。
それにしても、顔のシミやシワ取りが、パソコンの画面上でいとも簡単に
できてしまうとは、実に恐るべき時代といわねばなるまい(←時代劇かよ?)。
お見合い用の修正写真など、専門業者を介さずとも簡単にできてしまう。
実年齢が50ン歳?でも、写真では30代後半?
こんな手品みたいなことが、マウス操作ひとつでできてしまうのだからスゴイ。
デジタルの世界はまさにフェイクな偽物天国と云っていいだろう。
19世紀の遺物である僕にとっては、ただひたすら怖ろしい。
2 件のコメント:
実に恐ろしいソフトですね。ミス・ユニバースの ミス・フオトジェニックが無価値になるのでは?
しかしITは日進月歩ですから 写真をスキャナーしてパソコンに取り込むと 修正されていた部位が デリートされ 元の姿が 表示されるソフトが生まれるかも知れません。
でも画像編集ソフトを使って自分の5年後、
10年後、20年後の容姿を創り上げるのも
一興かも。
匿名さん、ありがとう。
たしかに恐ろしいソフトですね。
無料でダウンロードできますから、
匿名さんもぜひ使ってみてください。
こっちもそのうちシミだらけ、
シワだらけの顔になるでしょうから、
せいぜい使わせてもらって、自他を
欺くことにします。
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