2015年1月12日月曜日

〝注文〟ならぬ『〝不満〟の多い料理店』

何回目だか忘れちゃったけど、今月8日はボクたち夫婦の結婚記念日だった。
ボクはいつもそのことを忘れていて、女房に叱られるのだけれど、
去年に引きつづき、娘2人が記念の食事会に招待してくれた(11日)。

場所は麻布十番にある「中国飯店 富麗華(ふれいか」というお店。
この近辺では一番の高級中国料理店で、店の規模も大きい。
「カン~パイ! いつまでも仲良くね」
娘たちの乾杯の音頭で食事会は始まった。なんだか照れくさい。

店の入口付近では女性奏者2人が二胡の演奏をしている。
客席は満席で、人気のほどが知れる。
せっかくの場だが、ボクは酒を飲まなかった。
2日前にNICKさんと同じく中華料理店で、しこたま紹興酒を飲んでしまい、
まだその酔いが残っていたからだ。それに食事のあとで少し泳ぎたい。
ガンガン泳ぐことでお屠蘇気分をちょっぴり拭い去りたかったのだ。

料理の味つけはまあまあ。
とりたてて旨くもないが、まずくもない。
量が少ないのがやや不満だが、近頃はどこもかしこも〝少量精鋭主義〟だから、
これもまあ、いたしかたないことか。大喰らいの人は食事の前にラーメンの一杯も
ひっかけておいたほうがいいだろう(笑)。

隣のテーブルからは中国語、その隣からは中国語訛りの英語が聞こえてくる。
東京アンダーワールド』という本には、まだ〝occupied Japan〟だった頃、
赤坂や麻布・六本木界隈は〝東京租界〟と呼ばれていたとあるが、
いまでも外国人が多いところとして有名で、街は進駐軍の末裔たちで
あふれかえっている。

このお店、料理はまあまあだが、サービスがいけない。
おそらく高級店を謳った店で、これほどサービスの質が劣る店は珍しいだろう。
サービス担当の給仕たちは、たぶん支那人の女の子たちだと思われるが、
ニコリともせず、放り投げるようにして皿を置く。

その気配は入店直後にすでにあった。
クロークにコートを預けた際の店員の態度がひどかったのだ。
もちろん笑顔は皆無だし、コートをひったくるようにして持っていった。
まるで追いはぎに身ぐるみ剥がされたような気分だった。

女房や娘たちは、外国で似たような経験を幾度となくしているので、
慣れたものだが、それでも顔を見合わせて苦笑いしていた。
「たぶんサービス係のトップがだめなんだろうね」
みんなの意見は期せずして一致していた。
給仕の女の子たちはどの子にも笑顔がなく、
なんで私がこんなことやらなくてはいけないのよ、というような顔をしていた。
サービス業に対する誇りがみじんも感じられなかった。

イタリアでもフランスでも、あるいは最近行ったスロベニアでも、
この支那の女の子と同類の店員がいた、と女房は打ち明けたものだが、
少なくともここはニッポンなのである。「お・も・て・な・し」を〝国是〟に
しているサービス立国なのである。皿を放り投げ、「さあ、餌をお食べ!」
といわんばかりの態度ではちと問題ではないか。

長女が会計時に「現金とカードではどちらがいいですか?」
と低姿勢で訊いたら、
「ハァ? どちらでもお好きなほうでいいんじゃないですか」
ときたもんだ。見下したような目つきである。これには参った。

娘たちが選んでくれた店だから、ボクは何も言わなかった。
料理はそこそこのレベルなのに、この劣悪サービスが足を引っぱっている。
あとで知ったのだが、食べログなどにも、「店員の態度が悪い」との声が多かった。

料理を食べに行ったのに、ついでに「中華思想」も食べさせられてしまった。
余計なお節介だろうけど、フランス人も支那人も、サービスの何たるかを
もういっぺん考え直したほうがいいんじゃないですかねェ





←料理はまあまあだったんだけどね。
惜しい……


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