2014年2月17日月曜日

後ろから前から

今月はボクと長女の誕生日のある月。
15日(日)の昼、合同誕生会を開くべく渋谷の某イタリアンレストランに向かった。
折からの雪で、道路はびしょびしょ。スノーブーツを履いていったのだが、
すでに靴下まで浸水し、店に着いたときは青息吐息の状態だった。

いやな予感はあった。雪道を歩きながらも、
(なんか、いつもと違うぞ。風邪でもひいたかな……)
自然と無口になり、店に着いたら何やら嘔吐感もおそってきた。

(おかしいな……食欲が全然ないぞ。それに寒気も……)
案の定、うまそうな「前菜の盛り合わせ」に手が出ない。
この店はエミリア・ロマーニャ州の料理が専門で、
ビオワインなど自然派ワインの品揃えが売り物だ。
しかし……そのワインも飲む気がしない。かろうじて水を飲む。

スパゲッティ、サルシッチャ、ラザニア、メインの「仔羊のコトレッタ」にもまったく
手が出ず、隣の長女などは「もったいないなァ」と横目で不機嫌そうに睨む。
店のソムリエやシェフたちもガラス越しに心配そうな顔だ。

「大変申しわけないんですが、にわかの体調不良で食べられません。
せっかくの料理なのに、ほんとうに申しわけない」
心配そうなソムリエにそっと耳打ちをした。

家に帰ったボクはそのままバタンキュー。
腹痛と嘔吐、それにシャーシャーという水便に悩まされ、
ほぼ1時間ごとにトイレに立った。後ろから前からと、大忙しだ。

医者にはかからなかったが(そんな状況ではない)、たぶん100%ノロウイルスと直感
ネットで調べたら、症状がピッタリ合っていた。
で、2次感染を防ぐため、希釈した漂白剤入りの霧吹きで便器や便座、
ドアノブなどを消毒。トイレに立つたびにこのことを繰り返した。

そして丸2日間床に臥せったあとの月曜の朝。
腹痛も治まり、下痢も止まったようなので、ようやく床上げをした。
ほぼ2日で症状が治まるというのもノロウイルスの特徴。
ボクは教科書どおりの症状をふり返ってみて、完全にそのことを確信した。
でも、どこで感染したの? 
もしかして、数日前に酒のつまみとして食べた牡蠣が原因か……

いずれにしても散々な誕生会で、お店のスタッフにも心配をかけてしまった。
が、悪いことばかりではない。おかげで絶食、断酒がムリなく実現でき、
心なしかお腹もへっこみ、男っぷりが上がったような気がする。
転んでもただでは起きない、したたかなおじさんであった。





←合同誕生会。かろうじて笑顔を
つくっているが、ずっと嘔吐感に
苛まれていた。
ああ、料理がまったく食べられず、
残念なことをした。いつかリヴェンジを。

8 件のコメント:

木蘭 さんのコメント...

しまふくろうさま、こんばんは。

連日の来客でへろへろの木蘭でございます。

15日の土曜日はお釈迦様の涅槃会。
16日の日曜日は日蓮聖人の生誕会。
どちらも約30名ほどおいでになりました。(^_^;)


あらま。
だいぶお辛い思いをなさいましたね。(>_<)


私も前々日の牡蠣が原因。
ほんに気が合いますこと。(笑)

症状は比較的早くおさまります。
でも体内にはウィルスが残っているということで、しばらくは消毒生活が続きました。(^_^;)

禁酒・絶食で男っぷりをあげられたとのこと。

リベンジで~リバウンドされませんように。(笑)

なごり雪 さんのコメント...

嶋中 労さま

ウイルスにやられちまいましたか。。。

なんてぇこったい。

ボク自身、商売上コレにだけは気を付けてます。
患った人の話ですと、かなーり苦しかったとか。
まぁ、回復されてナニよりです。

あのぉ・・・、新ヘパリーゼプラスですが、
ボクは呑む前が基本ですが、
忘れた場合は後でもいいみたい。

田舎者 さんのコメント...

嶋中労さま

おはようございます。
雪に埋もれて野良仕事の出来ない田舎者です。

労さまの“後ろから前から”と同じように田舎者も
“上から下から”を経験済みなので、その辛さは
十分に理解できます。ですがその当時はノロウイルス
なんて言葉もなかったので単なる食あたりで済ませた
記憶があります。

美味しそうな料理とワインを前にして食が進まなかっ
た事に対してのリベンジも良いと想いますが、お体を
お大事になさってください。

最後になりますが労さまが以前ブログでカレーの本の
事を書かれていましたが、その本のタイトルを教えて
いただけたら幸いです。よろしくお願いします。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭様
おはようございます。

連日のご接待、ご苦労様でございます。

こっちはようやくトイレと縁が切れまして、
ふつうに食事が食べられるようになりました。

何でもおいしく食べられるので、
ご指摘のリバウンドが心配です。
お酒はまだ飲みたい気分ではないので、
この際、酒毒を抜くことにいたします。

ああ、牡蠣が取り持つお尻合いかァ……(笑)。変なご縁ですね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

なごり雪様

かなり苦しいです。
寝てる間中、ウーンウーンと呻ってました。

もし罹ってしまったら、トイレの側に、
またはトイレの中に寝床を作るべきです。
頻繁に便意を催しますからね。

ヘパリーゼの件、了解です。
あんがとね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

田舎者様

この大雪で農家は大変ですね。
川越の農家がビニールハウスをつぶされ、
収穫前のホウレン草を台無しにした、
というニュースが流れていました。
ご無念、お察し申し上げます。

そういえば、田舎者様はかつてソムリエを
なさっていたんですよね。ボクはワインが好きで、それも1000円前後の安ワインが好きです。というか、ビンボーなもんで高級ワイン
は飲めないんです。

ただバブルの時に欧州の星付きレストランで
数百万円分のワインを飲んだことがあるので、そのおいしさは知っているつもりです。

カレーの本は『水野仁輔 カレーの教科書』
です。よろしくおねがいします。

田舎者 さんのコメント...

嶋中労さま

こんにちは!

早速《カレーの教科書》を注文致しました。
ありがとうございました。

ワインに関して少しだけ書かせていただきます。田舎者も高級ワインは口にしませんし、
口にできません。

ワインはラベルを観て楽しみ時には見せびら
かして飲むワインとワインの本質を楽しむ
ワインの二通りに分かれます。

労さまの星付きレストランのワインも観て楽
しむワインです。そして以前フランスのワイン
オーナー、ソムリエの話を聴く機会があった
時にこんな質問をした記憶があります。
『日常の食事ではどの様なワインを楽しんで
いらっしゃいますか』ソムリエの返答は
《テーブルワインクラスをデキャンタに移し》
飲んでいるとの事、オーナーは《自家製の一番
スタンダードなワイン》を飲んでいるとの
事でした。本質を楽しめる人、素敵じゃありま
せんか。

生活のレベルに関係なく普段着のワインが自宅
には必要なのではないでしょうか。

酒癖の悪い百姓でした。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

田舎者様

わざわざお買い上げいただき恐縮です。
著者になりかわりお礼を申しあげます。
手前味噌ですが、とってもいい本です。

さて、ふだん飲みのワインの話ですが、
ボクも同様の話は何度か聞いたことがあります。

ワインには上から「グレートワイン」「ビッグワイン」「グッドワイン」、そして「サウンドワイン」がある。下から2番目くらいがポピュラーワインのカテゴリーで、フランス人もイタリア人も、ふだんはサウンドかグッドがせいぜい、といった話です。

機会がありましたら田舎者様と一杯
やりたいものですね。