コーヒーファンにとってはお馴染みの南千住の「カフェ・バッハ」。
通称山谷地区のど真ん中にあるこの店は、日本を代表するコーヒー店として
国内外にあまねく知れわたっている。店主は〝御三家〟の一人、田口護(75)で、
現在日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)の会長をつとめている。
田口の著した本は数多(あまた)あるが、なかでも『田口護の珈琲大全』と
『田口護のスペシャルティコーヒー大全』は自家焙煎をめざす人たちにとって
バイブル的な役割を果たしている。日本だけでなく、支那や台湾、韓国などでも
翻訳され、彼の地で田口は〝神様〟のような存在と聞くから、その第3弾に注目が
集まるのも当然だろう。
満を持して登場した第3弾のタイトルは『コーヒー おいしさの方程式』(NHK出版)
というもの。来年1月半ばに発売される予定で、ボクは微力ながら「取材&文」を
担当させてもらった。他のスタッフ(編集、カメラ、デザイン)も既刊2冊と同じメンバー
である。
ただし今回は田口護の他に旦部幸博(滋賀医科大講師)という共著者が加わっている。
旦部はガン抑制遺伝子の研究が本業で、コーヒーの研究は副業というか趣味の範疇だが、
『百珈苑』&『百珈苑ブログ』という人気ブログを主宰していて、最近では田口と一緒に
自家焙煎ゼミの講師をつとめるなど、コーヒー業界でも徐々にその名が知られるように
なってきた。
なにしろ、あの帰山人センセーが「日本最強のコーヒー研究者」と評しているくらい
だから、ことコーヒーに関しては〝くるくるぱー度〟は相当高い。
田口&旦部の〝タグタン〟コンビは、今や「エンタツ・アチャコ」の名コンビ
と並び称されるくらいの〝おしどり〟ぶりを発揮しているのである。
自画自賛を承知で言わせてもらうと、今度の新刊は「すごい!」の一言に尽きる。
何がすごいって、内容の革新性がまずすごい。おそらく現時点では、
世界最先端の情報が満載されている。コーヒーの生産から、焙煎、抽出に至るまで、
これほど事細かに科学的分析が加えられた本は前代未聞だろう。
「科学的」だからといって、ことさら敬遠したり身構える必要などまったくない。
専門用語はできるだけ控え、だれにでも分かるように平易な言葉に置きかえてある。
自慢するわけではないが、ボクはケータイも持てないくらいのIT&機械オンチで、
数学とか物理化学はヘビやミミズ以上に苦手である。クロロゲン酸ラクトンといった
化学用語などは見ただけで悪寒がしてくる。
その科学オンチが、「なるほどそういうことか」と何度も合点したくらい、
田口の技術と旦部の科学がうまく噛み合っている。まるで「牡蠣とシャブリ」の
マリアージュ(結婚)みたいに、理論と技術がしっくり融け合っているのである。
原稿書きは正直つらかった。既刊2冊のときの10倍くらい疲れた。いや、疲れ果てた。
著者が2人いて、それぞれが「ここをこう変えてくれ」「この表現はやめてくれ」
「おやじギャグは入れないでくれ」などと、次から次へとムリな注文をつけるのだから
たまらない。特に学者先生の場合は、研究者生命にかかわってくるものだから、
ちょっとした間違いも許されない。
いやあ、なんとも神経のすり減る数カ月であった。
その甲斐あってか、出来映えは想像以上のものとなった。
脅すわけではないが、少なくともコーヒーに関係する仕事に携わっているものには、
必携の書になるだろう。おそらく今後数十年、この本を読まずしてコーヒーを語ること
はできなくなるだろうし、読まずにいるととんだ大恥をかくことになる。
読めば〝目からウロコ〟のオンパレードで、読み終わると滋養たっぷりのディナーを
堪能したときみたいに、身も心も幸福感と充実感に満たされることだろう。
それに値段が1500円とお手軽なのがいい。
既刊のものは2800円、3600円と人をバカにしたような値付けだった。
ボクは「もっと廉価なものにしろ」としつこいくらい言い続けてきたのだが、
版元は聞き入れてはくれなかった。今回はようやくまっとうな金銭感覚に立ち戻ったようで、
判型はやや小ぶりながら、図版も盛りだくさんの立派な本に仕上がった。
支那語、韓国語以外に英語版も出したいと版元も意気込んでいるくらいだから、
近く世界中で読まれることになるかもしれない。
何度でも言う。今度の本だけは絶対買ったほうがいい。
もしも手元不如意なら、女房子供を質に入れてでも買うべきだ。
読んでおかないとコーヒーの〝コの字〟も語れなくなる。
客の問いかけにも正しく答えられなくなる。
ウソは言わない。世界最高レベルの画期的な本である。
タグタンの意を体して代筆したその当人がすばらしいと言っているのだから、
これほど確かなことはない。←それがいちばん不確かだっつーの!
発売日は年明けの1月18日。その数日前には書店に並び、
近日中にはamazonや楽天で予約受付を開始するだろう。
大いに期待すべし!
←難産だっただけに愛しさもひとしお。
買って損はいたしません。
ただし返品・返金には応じかねます(笑)
※追記
①その後、タグタンコンビは解消され、
田口氏は笑福亭鶴瓶と新コンビを組んだ模様。
「コーヒー おいしさの方程式」異聞参照!
②『コーヒー おいしさの方程式』発売記念トークイベントのお知らせ
来る2014年2月23日(日)19:00~20:30、「代官山蔦谷書店」にて、著者2人による
トークショーを開催します。講師は田口護と旦部幸博の〝旧タグタン〟コンビ。
司会進行は不肖嶋中労があいつとめます。お笑いトークイベントにならぬよう、
この日ばかりは〝しらふ〟で参上いたしますので、死ぬほどおヒマな方は
ふるってご参加ください。詳しくは本ブログにて追ってお知らせいたします。
(ただしイベント参加資格はこの本もしくは〝田口本〟のいずれかを蔦谷書店で買い求めたもの
に限られます)
通称山谷地区のど真ん中にあるこの店は、日本を代表するコーヒー店として
国内外にあまねく知れわたっている。店主は〝御三家〟の一人、田口護(75)で、
現在日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)の会長をつとめている。
田口の著した本は数多(あまた)あるが、なかでも『田口護の珈琲大全』と
『田口護のスペシャルティコーヒー大全』は自家焙煎をめざす人たちにとって
バイブル的な役割を果たしている。日本だけでなく、支那や台湾、韓国などでも
翻訳され、彼の地で田口は〝神様〟のような存在と聞くから、その第3弾に注目が
集まるのも当然だろう。
満を持して登場した第3弾のタイトルは『コーヒー おいしさの方程式』(NHK出版)
というもの。来年1月半ばに発売される予定で、ボクは微力ながら「取材&文」を
担当させてもらった。他のスタッフ(編集、カメラ、デザイン)も既刊2冊と同じメンバー
である。
ただし今回は田口護の他に旦部幸博(滋賀医科大講師)という共著者が加わっている。
旦部はガン抑制遺伝子の研究が本業で、コーヒーの研究は副業というか趣味の範疇だが、
『百珈苑』&『百珈苑ブログ』という人気ブログを主宰していて、最近では田口と一緒に
自家焙煎ゼミの講師をつとめるなど、コーヒー業界でも徐々にその名が知られるように
なってきた。
なにしろ、あの帰山人センセーが「日本最強のコーヒー研究者」と評しているくらい
だから、ことコーヒーに関しては〝くるくるぱー度〟は相当高い。
田口&旦部の〝タグタン〟コンビは、今や「エンタツ・アチャコ」の名コンビ
と並び称されるくらいの〝おしどり〟ぶりを発揮しているのである。
自画自賛を承知で言わせてもらうと、今度の新刊は「すごい!」の一言に尽きる。
何がすごいって、内容の革新性がまずすごい。おそらく現時点では、
世界最先端の情報が満載されている。コーヒーの生産から、焙煎、抽出に至るまで、
これほど事細かに科学的分析が加えられた本は前代未聞だろう。
「科学的」だからといって、ことさら敬遠したり身構える必要などまったくない。
専門用語はできるだけ控え、だれにでも分かるように平易な言葉に置きかえてある。
自慢するわけではないが、ボクはケータイも持てないくらいのIT&機械オンチで、
数学とか物理化学はヘビやミミズ以上に苦手である。クロロゲン酸ラクトンといった
化学用語などは見ただけで悪寒がしてくる。
その科学オンチが、「なるほどそういうことか」と何度も合点したくらい、
田口の技術と旦部の科学がうまく噛み合っている。まるで「牡蠣とシャブリ」の
マリアージュ(結婚)みたいに、理論と技術がしっくり融け合っているのである。
原稿書きは正直つらかった。既刊2冊のときの10倍くらい疲れた。いや、疲れ果てた。
著者が2人いて、それぞれが「ここをこう変えてくれ」「この表現はやめてくれ」
「おやじギャグは入れないでくれ」などと、次から次へとムリな注文をつけるのだから
たまらない。特に学者先生の場合は、研究者生命にかかわってくるものだから、
ちょっとした間違いも許されない。
いやあ、なんとも神経のすり減る数カ月であった。
その甲斐あってか、出来映えは想像以上のものとなった。
脅すわけではないが、少なくともコーヒーに関係する仕事に携わっているものには、
必携の書になるだろう。おそらく今後数十年、この本を読まずしてコーヒーを語ること
はできなくなるだろうし、読まずにいるととんだ大恥をかくことになる。
読めば〝目からウロコ〟のオンパレードで、読み終わると滋養たっぷりのディナーを
堪能したときみたいに、身も心も幸福感と充実感に満たされることだろう。
それに値段が1500円とお手軽なのがいい。
既刊のものは2800円、3600円と人をバカにしたような値付けだった。
ボクは「もっと廉価なものにしろ」としつこいくらい言い続けてきたのだが、
版元は聞き入れてはくれなかった。今回はようやくまっとうな金銭感覚に立ち戻ったようで、
判型はやや小ぶりながら、図版も盛りだくさんの立派な本に仕上がった。
支那語、韓国語以外に英語版も出したいと版元も意気込んでいるくらいだから、
近く世界中で読まれることになるかもしれない。
何度でも言う。今度の本だけは絶対買ったほうがいい。
もしも手元不如意なら、女房子供を質に入れてでも買うべきだ。
読んでおかないとコーヒーの〝コの字〟も語れなくなる。
客の問いかけにも正しく答えられなくなる。
ウソは言わない。世界最高レベルの画期的な本である。
タグタンの意を体して代筆したその当人がすばらしいと言っているのだから、
これほど確かなことはない。←それがいちばん不確かだっつーの!
発売日は年明けの1月18日。その数日前には書店に並び、
近日中にはamazonや楽天で予約受付を開始するだろう。
大いに期待すべし!
←難産だっただけに愛しさもひとしお。
買って損はいたしません。
ただし返品・返金には応じかねます(笑)
※追記
①その後、タグタンコンビは解消され、
田口氏は笑福亭鶴瓶と新コンビを組んだ模様。
「コーヒー おいしさの方程式」異聞参照!
②『コーヒー おいしさの方程式』発売記念トークイベントのお知らせ
来る2014年2月23日(日)19:00~20:30、「代官山蔦谷書店」にて、著者2人による
トークショーを開催します。講師は田口護と旦部幸博の〝旧タグタン〟コンビ。
司会進行は不肖嶋中労があいつとめます。お笑いトークイベントにならぬよう、
この日ばかりは〝しらふ〟で参上いたしますので、死ぬほどおヒマな方は
ふるってご参加ください。詳しくは本ブログにて追ってお知らせいたします。
(ただしイベント参加資格はこの本もしくは〝田口本〟のいずれかを蔦谷書店で買い求めたもの
に限られます)
2 件のコメント:
労師、初産じゃないのに難産とはオツカレサマでした。
それにしても、これは補記じゃなくて前宣伝じゃないか…
仕方がありません、私も宣伝しておきます。
あ、『大坊珈琲店』の労師の寄稿も拝読しました。
大坊勝次を‘ふんどしかつぎ’呼ばわりとは(笑)
おそれいりました。
帰山人様
この〝補記兼前宣伝〟の小文を書いたあと、
「あっ、いけねえ。大坊さんの本が先だった」と気づき、唖然としました。
しょうがないけど、帰山人閣下がTwitterなどで紹介してくれているからまあいいか、と思い直し、ようやく胸をなで下ろしております。
自費出版『大坊珈琲店』はいいですね。
写真もいいし、大坊さんの文章もいい。
ボクたちの寄稿文も枯れ木も山のにぎわい
とばかりに採用してもらいましたけど、
大坊勝次の赤本だけで充分でしたね。
だれでも最初はふんどしかつぎです。
田口御大も例外ではありません。
コメントを投稿