2013年6月1日土曜日

「世論調査」はウソっぱち

新聞・テレビ各局は何かというと「世論調査」をやる。
安倍内閣を支持するか否か? 消費税の値上げに賛成か否か?
TPP参加に賛成か否か? 橋下大阪市長の慰安婦発言は適切か否か?
テレビのニュースキャスターなどはその調査結果をまるで「天の声」のように奉り、
われら愚民を前に「民意である。頭が高~い、下がりおろう!」とばかり畏まらせる。

フン、何寝言いってやんでェ、こちとら小江戸っ子(川越生まれです)でィ、世論調査が恐くって
田楽刺しが食えるかってんだ。そもそも新聞社やテレビ局が世論調査をやること
自体がおかしいじゃねえか。

アメリカにはギャラップだローパーだピューリサーチセンターだ、といった世論調査の
専門会社があって、自主的に質問文を組んでいる。調査結果は新聞社に配信され、
一字一句といえども訂正してはいけないことになっている。客観性が保たれているのだ。

それにひき比べ、日本では多く報道機関が世論調査を実施する。
新聞は「第4の権力」というくらい世論を左右させる力を持っている。
たとえば新聞社Aが少数意見にしろ進歩的意見にしろ、
ある実現させたい意見なり抱負を持っていたとする。彼らは表現のプロだ。
その意見を裏づけるようなwording(質問文、言いまわし)なんかいくらでも
考えることができるだろう。

結果、世論はたしかにわが社(例:朝日新聞とか)の方針どおりに動いている、
それを支持している、という体裁をとることができる。たとえば朝日はこんな質問をする。
質問A:「①あなたは今の内閣を支持しますか? ②あなたの経済状態は最近厳しいですか?」
本来ならこの①~②の順番で質問すればいいものを、朝日は、
質問B:「①あなたの経済状態は最近厳しいですか? ②あなたは今の内閣を支持しますか?」
という順番で質問するのである。

よほど羽振りのいい人間でない限り、家計のやりくりについて聞かれるとつい
「ウーン」と唸ってしまう。厳しい現実が身に滲みているからだ。
で、直後に「今の内閣を支持しますか?」と聞かれるものだから、
つい勢い余って辛口評価になってしまう。こうやって世論を思う方向へと
誘導していくのである(ミスリードの何と多いことか!)。やり方がなんとも陰湿でせこい。

聞いたところでは、昔は新聞・テレビもふところが豊かで、1回に1500万円くらいの
予算を組み世論調査をしたものだが、今では経営が厳しく、その10分の1の予算で
下請けに出すという。おまけに最近の調査はRDD方式といってコンピュータに
自動的に電話番号を抽出させている。実はこの方式だと固定電話にしかかけられず、
ケータイは除外される。平日の昼間に固定電話で応対できる人といったら、
まず専業主婦がほとんどだろう。これでは〝公平な世論〟にかなりの〝偏り〟が
生じてしまう。

かつて、大戦前のアメリカでこんな実験が行われた。
質問A:「アメリカはイギリスやフランスを助けるべきですか?」
最初にこんな質問をした。それともう一つがこれ。
質問B:「アメリカはヒットラーと戦っているイギリス、フランスを助けるべきですか?」
後者の質問のほうが支持率が圧倒的に高かったという。
つまり、「ヒットラー」という感情的な形容詞を入れるだけで支持率が変わってしまうほど
世論なんてものはいいかげんで当てにならない、ということなのである。

ついでに言ってしまうと、ギャラップ社の質問項目への答えは「イエス?or ノー?」
と単純だが、日本の場合には「どちらとも言えない」という選択肢がある。
いかにも日本的といえば日本的だが、この数値が時に半数以上になったりすると、
ボクの血圧は一気に上がり、「この大バカヤロー!」と叫んでしまうのである。

「どちらとも言えない」というのは何なんだ? 「分からない」と答えるよりはメンツが
保てそうだから、どこかの策士が気を利かしたつもりなのか? こういうのを「奸智・狡知」
というのだ。要は質問に対して自分の頭で考え答えられない単なるバカではないか。
そういう輩が40%も50%もいるもんだから、癇性のボクはつい「イラッ」ときてしまうのである。

あんた生きてんの、それとも死んでんの?
どちらとも言えない……」


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