昨日は相棒のNICKさん(脚注あり)とつるんで川越までツーリングをした。
愛車はHarley-DavidsonのFLSTF、通称FatBoy(デブ男の意)という大型バイク(1600cc)だ。
ボクは気楽な電車のほうがいい、と主張したのだが、NICKさんはどうしてもボクと
タンデム(二人乗り)したいと言い張ったので、とうとう根負けしてしまった。
女房以外の人間と肌身を合わせたことがないボクは、
NICKさんの広い背中を前にしただけで胸が高鳴ってしまった。ドキドキドッキン……。
ファットボーイというくらいだから、ずいぶん図体がデカい。文字どおりの
〝おデブちゃん〟で、映画『ターミネーター2』で、アンドロイドのシュワちゃんが
ショットガンをぶっ放しながら爆走したバイクがこのファットボーイだ。
重量は330㎏。そこに腹の突き出たデブおやじが2匹、颯爽とまたがって
ブルンブルンとすさまじい爆音(99デシベルで、オスプレイよりうるさい。みなさんゴメンナサイ)
を轟かせて走るのだから、一場の春夢というより〝一場の悪夢〟というべきだろう。
ヒャッホー! イェーイ! 道をあけろォ~、ハーレー様のお通りだィ!
ハーレー専用のレザージャケットでバッチリ決めたNICKさんは、信号待ちをするたびに
エンジンを切ってしまう。「ずいぶんエコなんだね」とその高い環境意識を褒めてやったら、
「ガスをケチってるだけ。このおデブちゃんはやけに大食いなんでね」だって。
あ~あ、褒めて損こいた。
人間、肌身を合わせるとその性格がよく分かるというが(言わんがな、そんなもん)、
今回タンデムしてみてNICKさんの性格がよーく分かった。
こいつ、やけに負けず嫌いなんだ。
ボクたちデブおやじがのんびり走っていると、400ccのスポーツバイクに乗った若者が、
「おっさん、どけどけ」とばかりに、けたたましい排気音を残して追い抜いていく。
するとNICKさんの負けん気に火がついたのか、スロットルを思いっきり空けて急加速。
「てめえ、俺ッチを追い抜くなんざ、100年早いんだよ」と、ものすごい勢いで追跡、
あっという間に抜き返してしまった。おのれの非力を思い知らされた若者は、
深い敗北感と徒労感に包まれたのだろう、以後、おっさんたちの前に出しゃばることなく、
いつの間にか、悄然と姿を消してしまった。NICKさんのドヤ顔といったら……(プッ)
ボクも昔は中年暴走族を気取っていたくらいの飛ばし屋だった。
もっとも乗っていたのは400ccのスポーツバイク(カワサキGPZ400F)で、
排気量こそ少ないが、それこそ度胸ひとつで公道をかっ飛ばしていた。
そこで気がついたのは、バイクにも自ずと序列があるということだ。
信号待ちなどで一斉にバイク野郎が横並びになると、
自然と排気量のデカい順に並び、軽量級のふんどし担ぎなんかは一番後方に回される。
「そこな町人、頭が高い、ひかえおろう!」という感じだろうか、
バイク乗りもよくよくおのれの分際というものをわきまえなくてはならない。
ハーレーのような重量級の乗り手は、威風堂々と胸を張り、常に上から目線で偉ッらそうだが、
軽量級はコソコソと、それこそ上目づかいに重量級ライダーのご機嫌を伺うといった風情で、
どこか卑屈になっている。
ボクなんか中量級の三下奴だったけど、ゼロヨン加速には自信があったので、
爆音だけが取り柄で、成金趣味のハーレーなんて最初から目じゃなかった。
その飛ばし屋のデブおやじが、今は落ちぶれてNICKさんの後部席にまたがり、
ラシャメン女郎さながらに肌身を寄せて背中を温めてやっているのだから世も末である。
帰途、川越駅にほど近い「小野食品」で、本ブログでもお馴染みの
〝なごり雪〟さんと会い、日本一と称される豆腐や油揚げを買いこんだ。
なごり雪さんは遠路訪問の労を多とし、いっぱい〝おまけ〟を付けてくれた。
豆腐に揚げにがんもに豆乳。抱えきれないくらいのお土産を持って、
ファットボーイにまたがるデブおやじ2匹(カッコ悪ッ!)。
なごり雪さんと奥さんはその所帯染みた〝勇姿〟を見て、
目が点になっていたが、精一杯のお愛想笑いをして見送ってくれた。
イージーライダーの成れの果て、キャプテンアメリカもついに年老いたか(グスッ)。
鼓膜が破れそうな爆音を轟かせ、ボクたちは小江戸・川越をあとにした。
背中に憐れむようななごり雪さんの視線を感じながら……。
←このシュワちゃん扮するターミネーターが乗って
いるのがハーレーのファットボーイ。とにかくデカい。
そしてうるさい。川越の皆さま、騒音と醜い出ッ腹を
まきちらしてほんとうにゴメンナサイ。
みんなNICKさんが悪いんでチュ。
※脚注:NICKさん
純粋な日本人。商社マンで、かつて米国に家族と一緒に6年間赴任。その時の愛称が〝Nick〟だった。家族4人ともに英語は達者。
大学の7年後輩で、どっちかというとボクなんかより慶應ボーイっぽい。
昔のバンド仲間であり飲み友だち。4歳の頃からピアノに親しみ、
最近はハモンドオルガンに凝りジャズに惹かれている。
酔うと喧嘩っ早くなり、トラ箱の世話になったことも。
嫌中・嫌米派の愛国者で、なかなかの理論派なのだが、
理屈っぽい上に日本語が未熟なので、
何を言ってるのか分からないこともしばしば。
まだまだ修行が足りない。
愛車はHarley-DavidsonのFLSTF、通称FatBoy(デブ男の意)という大型バイク(1600cc)だ。
ボクは気楽な電車のほうがいい、と主張したのだが、NICKさんはどうしてもボクと
タンデム(二人乗り)したいと言い張ったので、とうとう根負けしてしまった。
女房以外の人間と肌身を合わせたことがないボクは、
NICKさんの広い背中を前にしただけで胸が高鳴ってしまった。ドキドキドッキン……。
ファットボーイというくらいだから、ずいぶん図体がデカい。文字どおりの
〝おデブちゃん〟で、映画『ターミネーター2』で、アンドロイドのシュワちゃんが
ショットガンをぶっ放しながら爆走したバイクがこのファットボーイだ。
重量は330㎏。そこに腹の突き出たデブおやじが2匹、颯爽とまたがって
ブルンブルンとすさまじい爆音(99デシベルで、オスプレイよりうるさい。みなさんゴメンナサイ)
を轟かせて走るのだから、一場の春夢というより〝一場の悪夢〟というべきだろう。
ヒャッホー! イェーイ! 道をあけろォ~、ハーレー様のお通りだィ!
ハーレー専用のレザージャケットでバッチリ決めたNICKさんは、信号待ちをするたびに
エンジンを切ってしまう。「ずいぶんエコなんだね」とその高い環境意識を褒めてやったら、
「ガスをケチってるだけ。このおデブちゃんはやけに大食いなんでね」だって。
あ~あ、褒めて損こいた。
人間、肌身を合わせるとその性格がよく分かるというが(言わんがな、そんなもん)、
今回タンデムしてみてNICKさんの性格がよーく分かった。
こいつ、やけに負けず嫌いなんだ。
ボクたちデブおやじがのんびり走っていると、400ccのスポーツバイクに乗った若者が、
「おっさん、どけどけ」とばかりに、けたたましい排気音を残して追い抜いていく。
するとNICKさんの負けん気に火がついたのか、スロットルを思いっきり空けて急加速。
「てめえ、俺ッチを追い抜くなんざ、100年早いんだよ」と、ものすごい勢いで追跡、
あっという間に抜き返してしまった。おのれの非力を思い知らされた若者は、
深い敗北感と徒労感に包まれたのだろう、以後、おっさんたちの前に出しゃばることなく、
いつの間にか、悄然と姿を消してしまった。NICKさんのドヤ顔といったら……(プッ)
ボクも昔は中年暴走族を気取っていたくらいの飛ばし屋だった。
もっとも乗っていたのは400ccのスポーツバイク(カワサキGPZ400F)で、
排気量こそ少ないが、それこそ度胸ひとつで公道をかっ飛ばしていた。
そこで気がついたのは、バイクにも自ずと序列があるということだ。
信号待ちなどで一斉にバイク野郎が横並びになると、
自然と排気量のデカい順に並び、軽量級のふんどし担ぎなんかは一番後方に回される。
「そこな町人、頭が高い、ひかえおろう!」という感じだろうか、
バイク乗りもよくよくおのれの分際というものをわきまえなくてはならない。
ハーレーのような重量級の乗り手は、威風堂々と胸を張り、常に上から目線で偉ッらそうだが、
軽量級はコソコソと、それこそ上目づかいに重量級ライダーのご機嫌を伺うといった風情で、
どこか卑屈になっている。
ボクなんか中量級の三下奴だったけど、ゼロヨン加速には自信があったので、
爆音だけが取り柄で、成金趣味のハーレーなんて最初から目じゃなかった。
その飛ばし屋のデブおやじが、今は落ちぶれてNICKさんの後部席にまたがり、
ラシャメン女郎さながらに肌身を寄せて背中を温めてやっているのだから世も末である。
帰途、川越駅にほど近い「小野食品」で、本ブログでもお馴染みの
〝なごり雪〟さんと会い、日本一と称される豆腐や油揚げを買いこんだ。
なごり雪さんは遠路訪問の労を多とし、いっぱい〝おまけ〟を付けてくれた。
豆腐に揚げにがんもに豆乳。抱えきれないくらいのお土産を持って、
ファットボーイにまたがるデブおやじ2匹(カッコ悪ッ!)。
なごり雪さんと奥さんはその所帯染みた〝勇姿〟を見て、
目が点になっていたが、精一杯のお愛想笑いをして見送ってくれた。
イージーライダーの成れの果て、キャプテンアメリカもついに年老いたか(グスッ)。
鼓膜が破れそうな爆音を轟かせ、ボクたちは小江戸・川越をあとにした。
背中に憐れむようななごり雪さんの視線を感じながら……。
←このシュワちゃん扮するターミネーターが乗って
いるのがハーレーのファットボーイ。とにかくデカい。
そしてうるさい。川越の皆さま、騒音と醜い出ッ腹を
まきちらしてほんとうにゴメンナサイ。
みんなNICKさんが悪いんでチュ。
※脚注:NICKさん
純粋な日本人。商社マンで、かつて米国に家族と一緒に6年間赴任。その時の愛称が〝Nick〟だった。家族4人ともに英語は達者。
大学の7年後輩で、どっちかというとボクなんかより慶應ボーイっぽい。
昔のバンド仲間であり飲み友だち。4歳の頃からピアノに親しみ、
最近はハモンドオルガンに凝りジャズに惹かれている。
酔うと喧嘩っ早くなり、トラ箱の世話になったことも。
嫌中・嫌米派の愛国者で、なかなかの理論派なのだが、
理屈っぽい上に日本語が未熟なので、
何を言ってるのか分からないこともしばしば。
まだまだ修行が足りない。
8 件のコメント:
ROUさん、
こんにちは。
本日も某所でちょっと時間つぶし中。この歳になるとまぁ、いろいろありますな。
さて、川越漫遊記、拝読いたしました。概ね誤謬はないものと思いますが、若干解釈の違いがあるやに思いますのでちょっとばかり。
400ccくんは、走行中に追い抜いて言ったわけじゃなくて、信号待ちで横に並んだわけ。多分、「大型とはいえ、あんなデブチンが二人ものってりゃこっちに分があり」と思って向こうが煽ってきたんでしょう。で、信号変わったら予想通り排気ガス浴びせてきたんで、それを避けるために前方へ出た、という事です。
それから、うるさいうるさいとおっしゃいますが、私のバイクは完全ノーマルで排気音も
94dbといたって静かでございますので。後ろ乗ってると振動がけっこうあるから、でかいように感じるのかも。
それにしても、小野豆腐さん、うっとりするくらい美味いですねぇ。たまたま勤務先の名古屋から研修で一時帰宅していた息子が豆乳を飲んで「これ、液体豆腐?」とのたもうておりました。蓋し名言かも。また仕入れに行こう。今度は一人で。w
では。
NICK様
99デシベルは古いタイプでしたね。
失礼しやした。
でもね、94デシベルだって相当なもんだよ。
あのオスプレイが94デシベルっていうから。
ファットボーイは陸のオスプレイだね。
そのオスプレイにオスの機能を失いかけてるデブっちが2匹乗って、若者いじめをしてる。
すばらしいね。老後の生きがいを見つけたよ。
それにしても小野食品の豆腐は最高だね。
あの限りなく豆腐に近い豆乳を飲んでたら、
いくらデブでも成人病とは無縁だよ。
なごり雪さんの巨体(100㎏超)が
軽やかに見えるゆえんだね。
また行こうね、お豆腐買いに。
老先生こんにちは♪
いいなあ~~~~~~。
バイクに乗せてくれる彼氏がほしい~~。
乗ってみたいなあ。
日曜はプールをサボったので、明日
ゆみちゃんと行く予定なのです。
お気楽ポヨン様
バイク乗りが好きなんだってね。
いっぱいいるじゃない。
新聞配達のおっさんとか、
ピザハットのお兄ちゃんとか、
白バイ乗って弱い者いじめしてる人とか。
こんどNICKさんの〝デブ少年〟に
乗ってみる? こわいよォ~。
明日はプールか。
ユミちゃんの水着姿見たいけど、
目に毒だからやめとく。
しまふくろうさま、こんばんは。
夜更かしの木蘭にございまする。
朝早いのに夜更かしするもんですから、
いつも目の下に「くまもん」が住んでいるという具合です(笑)
素敵ですね、ハーレーの二人乗り(*^-^*)
私は怖がりなのでダメです(笑)
昨日は行きも帰りも「海ほたる」で休憩したのですが、
夕方、ハーレー族の方々をお見かけしました。
10~20台くらいあったかなぁ。
駐車場所に整然と並んだハーレー。
そのハーレーの前で、
ご主人さまたちがみんな集まって記念写真を撮っていました(*^^*)
今回のブログは、昨日のハーレーが重なりました。
しまふくろうさまはNICKさまと川越まで行かれたのですね。
今度は、
お豆腐を入れるお鍋かボウルを持っていかないといけませんよ(笑)
白バイ乗りは興味ないのです。
ピザのお兄ちゃんも若すぎてタイプじゃないし。
新聞屋さんは朝早すぎて、顔も見たことないです。
(選り好みしすぎ)
老先生お時間あったらプール来て下さいね♪
ゆみちゃんとプカプカしてます。
すっぴんのポヨン様
いっしょにプカプカもいいけどね。
それにユミちゃんとも〝裸のつき合い〟を
したいし。
でも、やっぱやめとくわ。
両手に花じゃビジョビジョになって
介護用オムツが必要になっちまう。
姉妹二人で仲良くプカプカしてね。
木蘭様
おはようございます。
昨夜は佐伯泰英の『居眠り磐音シリーズ』を
深更まで読みふけり、つい朝寝坊してしまいました。ボクにも〝クマモン〟ができているかもしれません(笑)。
さてハーレーですが、ボクとNICKさんは
つむじ曲がりなもので、集団で走ることはしません。一匹狼ならぬ一匹子羊ちゃんなのです。
群れがきらいなんですね、ボクたちは。
しかしなんだか恥ずかしい。
ハーレー乗ってお豆腐買いに行くんだものね。
今度行く時はメットの代わりにお鍋をかぶって
いきます。
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