牛にひかれて善光寺、ならぬ女子(おなご)にひかれて善光寺にお参りしてきた。
ボクにはそんな悠長なことをやっているヒマがなく、一刻も早く原稿を書き上げなくては
ならない使命(大げさだな)があったのだが、女たちが勝手に決めてしまったのだから
しかたがない。←編集者の目を意識して、かなり言い訳がましい
それに事前の予報では信州は雪だという。スタッドレスタイヤを持っていないボクとしては、
なんとも憂鬱な旅になってしまった。というのは、「ノーマルタイヤ+チェーン」という装備で
過去にずいぶん危険な目に遭っているからだ。下り坂でブレーキを踏んだ途端にスピンして、
正面から来たバスに衝突しそうになったり、菅平のスキー場で窪地から出られなくなって
しまったり……。雪道、というより凍結した道に対しての恐怖感が拭いきれないのだ。
そんな心配をよそに、女どもはやれ蕎麦が食べたい、野沢菜入りのおやきが食べたいなどと、
勝手に計画をめぐらしている。家族全員の命をあずかっているボクとしては、
とてもじゃないけど一緒になってはしゃぐ気にはなれなかった。それにボクは旅行というものに
根っから情熱を持たないタチで、見たい物食べたい物がそれほどないのである。
善光寺は案の定、雪にけむっていた。気温が氷点下だったから当然といえば当然だが、
顔の皮膚がつっぱらかるくらい寒かった。この無宗派の寺に詣でるのは35年ぶりだ。
参道の装いもすっかり様変わりしていて、倉敷の美観地区や川越の蔵造りを想わせるような、
新旧の様式がうまくミックスされた洒落た佇まいを見せていた。
長野ICの近くでは「蕎麦打ち」も体験した。次女以外は群馬県の某所ですでに体験済み
だが、もうすっかり忘れてしまっている。ボクなんか蕎麦打ちの本(ムック)を数冊著して
いて、全国の蕎麦屋もずいぶん巡ったはずなのに、記憶がすっかり飛んでいる。
この日、午後3時からの部に蕎麦打ち体験を申し込んだのは、ボクたち4名と
もうひと組(日本人1+オーストラリア人2)だけ。暖房が切られた寒~い部屋で
ひたすら蕎麦をこね、延ばした。外人さんたちも初めてだそうで、蕎麦を練るたびに
キャーキャー言いながらデジカメのシャッターを切っていた。
できあがった蕎麦は即茹でられ、その場で試食。てっきり暖かい別の部屋で
食べさせてもらえるのかと思ったら、なんとその場で立ち食い。窓の外は雪である。
ボクたちは寒さをこらえ、鼻水を垂らしながら冷たい蕎麦を懸命にすすった。←汚ったないなァ
見た目は蕎麦だかきしめんだかわからないような代物だったが、けっこういける味だった。
車のトランクには酒や味噌や漬物など土産物がいっぱい。
帰りの車の中では、眠気覚ましに「しりとり」をしながら帰ってきた。
心配した雪によるトラブルもなく、無事に帰ってこられてほんとうによかった。
だが安心もつかの間、ボクはさっそくパソコンに向かい原稿の続きを打ち始めた。
腱鞘炎は相変わらずで、かなりつらい作業だが、やめるわけにはいかない。
ボクは充血する目を瞬きながら、一心不乱にキーボードをたたいた。
(ずいぶん芝居がかってきたじゃないの)
心の中でそんなつぶやきを聞きながら……。
←粉雪に煙る善光寺門前のにぎわい。
けっこうオシャレな店が多く、
長野県人のインテリジェンスと
センスの良さに感じ入った
←家族と蕎麦打ち。
茹でたらフェットチーネみたいな平べったい
のもあったけど、それなりにうまかった。
教室内はつららができるほど寒かった。
ボクにはそんな悠長なことをやっているヒマがなく、一刻も早く原稿を書き上げなくては
ならない使命(大げさだな)があったのだが、女たちが勝手に決めてしまったのだから
しかたがない。←編集者の目を意識して、かなり言い訳がましい
それに事前の予報では信州は雪だという。スタッドレスタイヤを持っていないボクとしては、
なんとも憂鬱な旅になってしまった。というのは、「ノーマルタイヤ+チェーン」という装備で
過去にずいぶん危険な目に遭っているからだ。下り坂でブレーキを踏んだ途端にスピンして、
正面から来たバスに衝突しそうになったり、菅平のスキー場で窪地から出られなくなって
しまったり……。雪道、というより凍結した道に対しての恐怖感が拭いきれないのだ。
そんな心配をよそに、女どもはやれ蕎麦が食べたい、野沢菜入りのおやきが食べたいなどと、
勝手に計画をめぐらしている。家族全員の命をあずかっているボクとしては、
とてもじゃないけど一緒になってはしゃぐ気にはなれなかった。それにボクは旅行というものに
根っから情熱を持たないタチで、見たい物食べたい物がそれほどないのである。
善光寺は案の定、雪にけむっていた。気温が氷点下だったから当然といえば当然だが、
顔の皮膚がつっぱらかるくらい寒かった。この無宗派の寺に詣でるのは35年ぶりだ。
参道の装いもすっかり様変わりしていて、倉敷の美観地区や川越の蔵造りを想わせるような、
新旧の様式がうまくミックスされた洒落た佇まいを見せていた。
長野ICの近くでは「蕎麦打ち」も体験した。次女以外は群馬県の某所ですでに体験済み
だが、もうすっかり忘れてしまっている。ボクなんか蕎麦打ちの本(ムック)を数冊著して
いて、全国の蕎麦屋もずいぶん巡ったはずなのに、記憶がすっかり飛んでいる。
この日、午後3時からの部に蕎麦打ち体験を申し込んだのは、ボクたち4名と
もうひと組(日本人1+オーストラリア人2)だけ。暖房が切られた寒~い部屋で
ひたすら蕎麦をこね、延ばした。外人さんたちも初めてだそうで、蕎麦を練るたびに
キャーキャー言いながらデジカメのシャッターを切っていた。
できあがった蕎麦は即茹でられ、その場で試食。てっきり暖かい別の部屋で
食べさせてもらえるのかと思ったら、なんとその場で立ち食い。窓の外は雪である。
ボクたちは寒さをこらえ、鼻水を垂らしながら冷たい蕎麦を懸命にすすった。←汚ったないなァ
見た目は蕎麦だかきしめんだかわからないような代物だったが、けっこういける味だった。
車のトランクには酒や味噌や漬物など土産物がいっぱい。
帰りの車の中では、眠気覚ましに「しりとり」をしながら帰ってきた。
心配した雪によるトラブルもなく、無事に帰ってこられてほんとうによかった。
だが安心もつかの間、ボクはさっそくパソコンに向かい原稿の続きを打ち始めた。
腱鞘炎は相変わらずで、かなりつらい作業だが、やめるわけにはいかない。
ボクは充血する目を瞬きながら、一心不乱にキーボードをたたいた。
(ずいぶん芝居がかってきたじゃないの)
心の中でそんなつぶやきを聞きながら……。
←粉雪に煙る善光寺門前のにぎわい。
けっこうオシャレな店が多く、
長野県人のインテリジェンスと
センスの良さに感じ入った
←家族と蕎麦打ち。
茹でたらフェットチーネみたいな平べったい
のもあったけど、それなりにうまかった。
教室内はつららができるほど寒かった。
2 件のコメント:
労師、ここのところ続いている100円ライターの嘆き、心配です。
何が心配って、物書きが物書き難いって物書いちゃあ、
もうオシマイですから……扼腕ライターでもガンバレ!
蕎麦打ちは渡辺製麺でしょうか?きしめんでも好いんですよ、
あそこはラーメン麺もパンも作っちゃう会社ですから…
労師も色んな顔を見せて、しぶとく生き残ってくださいヨ。
帰山人様
そば打ちは「信州そば蔵長野店」と
いうところ。
調べたら渡辺製麺って書いてあった。
どうして知ってんの?
小林家の行動が筒抜けだな。
今年も帰山人閣下には用心しないと
いけないな。
扼腕ライターですががんばります。
今年もよろしくね。
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