首相の野幇間(のだいこ)は「近いうち」に解散すると言って、
いっこうにその気配を見せない。言質をとろうと安倍ちゃんも執拗に攻め立てるのだが、
「寝言でもいわない」と口を真一文字に結んでしまう。しぶとい男だ。
おそらくこの「近いうち」は今年の流行語大賞の最有力候補になるだろう。
「近いうち」や「そのうち」は日頃よく使われる。
「近いうちにまたやろうよ」といえば、たいていまた一杯やろうという意味で、
「そのうち飯でも食おうや」というのもよく使う。
一種の社交辞令みたいなもので、あっさり「じゃあサイナラ!」と言うよりは
ちょっぴり当たりがやわらかい。英語で言うとkeep in touchというようなニュアンスか。
酒を飲んだり飯を食ったりするのなら、別段、天下国家の一大事ではないから、
「近いうちって、いつなのさ?」などとヤボなことは聞かないけれど、
「近いうちに必ず代金は支払います」と言って、2ヵ月も3ヵ月もほったらかしにしたら、
取引先は信用ならぬと言って怒るだろう。「解散」だって同じで、もう2ヵ月以上過ぎている。
最近の国会答弁では「近いうちに」が「しかるべきときに」に変わってきている。
どっちも曖昧で、さすがにドジョウの異名をもつ男。つかんだと思ったらスルリと逃げてしまう。
恋人同士が「じゃあ、また近いうちに」と言って別れたら、まず脈はないと見ていい。
一刻だって離れていたくない発情期の男女の間に、「近いうち」と「そのうち」などないからだ。
かくいうボクにだって、そんな熱い「時代」があった。
♪そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわァ ←歌ってる場合か!
誰にでも人が恋しくなるときがある。
(今夜はあいつとしみじみ飲んで語り明かしたいな……)
親友の顔や昔の恋人の顔、死ぬほどヒマそうなヤツの顔などがチラチラと頭に浮かぶ。
思いきって電話する。
「何? 一杯やりたい? いいよ。そうね……再来週の木曜なら空いてるけど」
電話の向こうからつれない声。
本日ただいま、これからすぐにでも飲みたいんだよォ、このバカヤロー!
と叫び出したいのだけれど、ぐっとガマンする。
「近いうち」と「そのうち」はまったく当てにならない。社交辞令だと分かってはいても、
「近いうちっていつなの? えっ? 何月何日の何時なの?」
と問い詰めたいときがある。そんなときは、たいがい気弱になっていて、
誰かに悩みを打ち明けたいときか、逆に幸せを分かち合いたいときだろう。
若いときは会いたくなると、遮二無二バイクをかっ飛ばし会いに行ったものだが、
歳を取って〝分別〟なるものが身についてしまうと、陽明学的な「知行合一」が
だんだん叶わなくなる。で、ちょっぴり腰が引けたようなポーズで「そのうち会おう」
などと言っては、その場をとり繕うのである。
物欲しげな顔をしないこと――これがオトナの分別というものらしい。
オトナというのは何かと不自由な生き物なのだ。
木枯らしが吹く季節になると、無性に酒が飲みたくなる。←一年中飲んでるだろ!
♪秋の日のヴィオロンのため息の 身に滲みてひたぶるにうら悲し
つい詩人のようにため息をついてしまう。秋はどうしてこんなにうら悲しいのだろう。
野幇間の「近いうち」から、思わずヴェルレーヌの詩まで行ってしまった。
還暦は感じやすい年頃なのかしら。
そんなわけで、ムダ話はそろそろお開き。ではまた近いうちに。
←こんな並木道を歩くと、
ひとはみな詩人になってしまう。
いっこうにその気配を見せない。言質をとろうと安倍ちゃんも執拗に攻め立てるのだが、
「寝言でもいわない」と口を真一文字に結んでしまう。しぶとい男だ。
おそらくこの「近いうち」は今年の流行語大賞の最有力候補になるだろう。
「近いうち」や「そのうち」は日頃よく使われる。
「近いうちにまたやろうよ」といえば、たいていまた一杯やろうという意味で、
「そのうち飯でも食おうや」というのもよく使う。
一種の社交辞令みたいなもので、あっさり「じゃあサイナラ!」と言うよりは
ちょっぴり当たりがやわらかい。英語で言うとkeep in touchというようなニュアンスか。
酒を飲んだり飯を食ったりするのなら、別段、天下国家の一大事ではないから、
「近いうちって、いつなのさ?」などとヤボなことは聞かないけれど、
「近いうちに必ず代金は支払います」と言って、2ヵ月も3ヵ月もほったらかしにしたら、
取引先は信用ならぬと言って怒るだろう。「解散」だって同じで、もう2ヵ月以上過ぎている。
最近の国会答弁では「近いうちに」が「しかるべきときに」に変わってきている。
どっちも曖昧で、さすがにドジョウの異名をもつ男。つかんだと思ったらスルリと逃げてしまう。
恋人同士が「じゃあ、また近いうちに」と言って別れたら、まず脈はないと見ていい。
一刻だって離れていたくない発情期の男女の間に、「近いうち」と「そのうち」などないからだ。
かくいうボクにだって、そんな熱い「時代」があった。
♪そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわァ ←歌ってる場合か!
誰にでも人が恋しくなるときがある。
(今夜はあいつとしみじみ飲んで語り明かしたいな……)
親友の顔や昔の恋人の顔、死ぬほどヒマそうなヤツの顔などがチラチラと頭に浮かぶ。
思いきって電話する。
「何? 一杯やりたい? いいよ。そうね……再来週の木曜なら空いてるけど」
電話の向こうからつれない声。
本日ただいま、これからすぐにでも飲みたいんだよォ、このバカヤロー!
と叫び出したいのだけれど、ぐっとガマンする。
「近いうち」と「そのうち」はまったく当てにならない。社交辞令だと分かってはいても、
「近いうちっていつなの? えっ? 何月何日の何時なの?」
と問い詰めたいときがある。そんなときは、たいがい気弱になっていて、
誰かに悩みを打ち明けたいときか、逆に幸せを分かち合いたいときだろう。
若いときは会いたくなると、遮二無二バイクをかっ飛ばし会いに行ったものだが、
歳を取って〝分別〟なるものが身についてしまうと、陽明学的な「知行合一」が
だんだん叶わなくなる。で、ちょっぴり腰が引けたようなポーズで「そのうち会おう」
などと言っては、その場をとり繕うのである。
物欲しげな顔をしないこと――これがオトナの分別というものらしい。
オトナというのは何かと不自由な生き物なのだ。
木枯らしが吹く季節になると、無性に酒が飲みたくなる。←一年中飲んでるだろ!
♪秋の日のヴィオロンのため息の 身に滲みてひたぶるにうら悲し
つい詩人のようにため息をついてしまう。秋はどうしてこんなにうら悲しいのだろう。
野幇間の「近いうち」から、思わずヴェルレーヌの詩まで行ってしまった。
還暦は感じやすい年頃なのかしら。
そんなわけで、ムダ話はそろそろお開き。ではまた近いうちに。
←こんな並木道を歩くと、
ひとはみな詩人になってしまう。
6 件のコメント:
労師には常々「近いうちに一献」などと申し上げている立場ですので・・・では、「年内に必ずや一献」・・・ということで・・・
以前ご案内した鰻屋が今は改装・改名し、「氷川三神料理・かのうや」となり、鰻・鯉・鼈のコースが用意できます。それぞれに相応しい日本酒も愚生の脳にインプットされています。基本的には神亀・秩父錦あたりが良いのですが、願わくは小山本家酒造の「小山屋又兵衛」を手に入れて、献上いたしたく存じます。(これが下戸の発言か?)
猫だま師様
ご丁寧に痛み入ります。
願わくば大吟醸とかいう高級酒ではなく、
安酒がいいのですが……
たとえば「純米無濾過の生原酒」とか。←ちっとも安かないよ!
小山本家酒造というのは知っております。
赤羽に親戚筋なのか小山酒造というのがあって、「丸眞正宗」という酒を造っております。
この酒蔵は東京23区内で唯一生き残った酒蔵で、ちょうど西南戦争の勃発した年に創業しています。
赤錆た看板が掛かっていて、そこには
「愛酒報國」の文字が。いいですねえ、
この看板。七生報國みたいで……
朝貢団はいつでも受け入れております。
遠慮なくドーゾ。
労師、そういや「近いうち」に珈琲豆を贈ります、
とか言ったような言わないような…
まぁいいや、「そのうち」、いや
「しかるべきときに」贈ります。
何せ「No!=ダメ」な奴が総理の国ですから、
カンタービレ…歌って待っててネ。
帰山人様
陸続と朝貢団が押しよせて来ますな。
「しかるべきときに」送ってくれるということだと、しかるべきでない場合は、
しかるべきことにはならないわけね。
で、こっちはしかるべきときが来るまで
口を開けて待ってるわけだよね。
ま、そうはいっても、野だいこが解散する頃には、心入れの珈琲が届いているでしょう。
うれしい。
ボクは何もお返しができないけど、
「愛」だけは腐るほどあるので、
適当にみつくろって送ります。
労さんはじめまして?!
お疲れ様です(*^v^*)
一生懸命に"謎の女"を演じておりましたが、ついに年齢と職業が労さんに知られてしまいました。
お料理がお得意なんですね!!私も食べることも好きですが、それ以上に作ることが大好きでーす。労さんと少しずつ仲良くなれたらなあ~~なんて思ってます(^_^)どうぞよろしくおねがいします。
死ぬほどヒマな 奈々
死ぬほどヒマそうな奈々様
いらっしゃいませ。
バテフライ?お疲れさまでした。
そうね、たしかに〝謎の女〟ではありました。
というより〝なぞなぞの女〟って感じでしょうか。
奈々さんも料理好きとは嬉しいですね。
どんなものを作るのでしょう。これも謎?
一度食べてみたいけど、
ぼくの嫌いな「肉じゃが」だったりして。
プールには変態おじさんがいっぱいいるから、
気をつけてね。ボクが用心棒をしてあげます。
たまにはフリルのついた水着を着てきてください。おじさんたちが狂喜乱舞して喜びますから。それも人助けです。
コメントを投稿