2011年4月19日火曜日

故郷ってやつはよォ……

全国市町村平均所得ランキング(2006年度)によると、
1位は東京・港区で2位が東京・千代田区、兵庫・芦屋が5位
で、埼玉県では58位でようやくさいたま市が顔を出す。
ぐっと下がってわが和光市は71位。それでも県内では
さいたま市に次ぐ第2位だという。

なんだか金持ちになったような錯覚におそわれたが、
よくよく計算してみれば、港区住民の平均所得のおよそ
4割にも満たなかった。情けないやら腹立たしいやら。

ボクの住む1600世帯の団地住民は、ほとんど〝埼玉都民〟で、
職場は東京都心である。隣人たちは一部上場会社に勤める
エリートサラリーマンか、医者、弁護士、大学教授、それに
高級官僚の天下りといった高額所得者ばかり。
ボクみたいな下流の低額所得者は、むしろ例外的存在だ。

住めば都というが、和光市に越してきて、はや四半世紀。
二人の娘たちにとっては、かけがえのない故郷でもある。

故郷といえばシリーズ6作目の
『男はつらいよ 純情篇』の最後の名場面を思い出す。
ところは京成・柴又駅のプラットホーム。
 
  「こ、故郷ってやつはよォ……」
  さくら「うん?」
  「故郷ってやつはよォ……」
  (寅の乗った電車のドアが閉まり走り出す
  さくら「え? なに? なんていったの?」
  (去っていく電車の中で何かしきりに言い続ける寅……

寅さんが何て言ったのか、その続きが知りたくて、
隣の棟に住む宮崎晃さんを訪ねたら、
あいにく来客中できけずじまいだった。
宮崎さんはアニメ『ペリーヌ物語』などの脚本を手がけた映画監督兼脚本家で、
『男はつらいよ』シリーズも6作目までは山田洋次と彼との共作だ。

「故郷ってやつはよォ、故郷ってやつはよォ……」
そのあとの台詞は、書いた当人に訊くより、
各人が勝手に想像して楽しんだほうがいいかもね。
だって、いかにもヤボな質問なんだもの。
やめとくか……でも、やっぱり訊いてみたい。


←妹さくらに見送られ、
故郷柴又に別れを告げる寅さん

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