2010年10月24日日曜日

身を捨つるほどの……

自衛隊の観閲式を見に行った。
元自衛官のプール仲間から招待チケットを2枚もらったのである。
で、さっそく僕と同じく元軍国少年のS君と連れ立ち、
目と鼻の先にある陸上自衛隊朝霞訓練場へいそいそと出かけたのだ。

用意された席は観閲官(菅総理)の席にほど近い、相撲で言えば
砂かぶりともいうべき上席で、観閲部隊をつぶさに観察することができた。

徒歩部隊の行進は圧巻だった。とりわけ防衛大学校学生隊や空挺部隊が
勇ましく、陸海空の女性自衛官部隊も負けず劣らず凛としていた。

軍隊行進というと、今月10日に行われた北朝鮮の軍事パレードを思い起こさせる。
北鮮軍のそれは膝を曲げずにまっすぐ伸ばし、足を高く上げるという、
いわゆるガチョウ式行進(英語ではgoose-stepという)というもの。
旧ナチスや旧ソ連といった独裁的、全体主義的な政治体制の国で
多く採用された行進スタイルである。

ガチョウ式行進の利点は、視覚効果が高く式典映えのするところ。
北鮮のニュース映像を見ても、怖気をふるうくらい迫力がある。
ただ、行進する兵隊はさぞ大変だろうと同情したくなる。
実際やってみればわかるが、膝を伸ばしたまま足を高く上げて行進するのは
並大抵ではないのだ。だいいち、
失敗して隊列を乱したりしたら処刑されてしまうかも知れない。
やっこさんたちの形相も必死だ。

兵隊たちの固く引き締まった鋼のような肉体に引きくらべ、
壇上で手をふる金正日・正恩父子の醜く太った体つきときたら……。

そういえば戦後間もない頃、全国各地に食糧デモが巻き起こったことがある。
皇居前広場のプラカードの中には、
《朕はたらふく食ってるぞ、ナンジ人民飢えて死ね》
なんていうのもあった。哀れこのプラカードの主は、
不敬罪で訴えられてしまったが、この文言、
そのまま、キタのバカ父子に見せてやりたいものだ。

さて、わが自衛隊の行進だが、威圧感こそないが、スマートで洗練されている、
というのが第一印象だ。オモチャの兵隊に見えなくもないが、文句なしに美しい。
見ているだけで心が洗われるような美しさなのである。

一方、菅総理大臣の訓示は、相変わらず迫力を欠いていた。
北朝鮮と中国の軍事的脅威を名指しで指摘したのが、
唯一評価できる点だろうか。

今年は日米安保条約改定50周年の年。
米軍機の祝賀飛行もあって気分を盛り上げてくれたが、
防衛意識の希薄な民主党政権で、ほんとうに国の安全が守れるのか。
軍人(海外青年協力隊ではないぞ)の誇りが守れるのか、いささか心もとない。

観閲式に行ったなどと云うと、すぐ右翼だ軍国主義者だ
などとレッテル貼りをするおバカさんがいるが、反論するのもアホらしいので、
ここはあえて沈黙する。福澤諭吉はこんなことを言っている。
《独立の気力なき者は、国を思うこと深切(痛切なこと)ならず》と。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

中曽根さんが3軍の将だった時に観閲式を観に行き、身が引き締まった事を思い出しました。”日本を不沈鑑に”云々で物議を醸しました首相でしたが威風堂々の閲兵でした。

菅首相は最高指揮官として隊員の皆さんに次の3点を望みました (1)自らの任務に関し技量を十分に持て (2)自衛隊員としての自覚を持て (3)真の勇気の持ち主であれ。この訓示、隊員の誰でもが100も承知でしょう、当たり前じゃありません? 隊員の皆さん菅首相に言ってあげて下さい - 国防費を子供手当てより増やせ、武器の輸出3原則を撤廃せよ、集団自衛権の行使等々を。

ところで今回の観閲式のメデイアの取り扱いが極く少なく、熱が入っていなかったような気がしますがどうでしょうか?式の模様を世界に発信してくれたのでしょうか、特に中国の近隣の諸国に”ここに日本あり”と伝えなくちゃね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様
コメントありがとう。
もう、まったく同感ですね。
子供手当なんか廃して国防費に回せ。
武器輸出3原則の撤廃。
集団的自衛権の行使。
まさに僕が菅首相にのぞむ事どもであります。
メディアへの露出も、
たしかに少なかったかも知れませんね。
それに、もうちょっとカメラを引いてくれたら、
首相のバックに日の丸の小旗をふっている僕の勇姿が映ったのにな……(それはあんまり関係
ねえか、ハハハ)。