2010年10月4日月曜日

「粛々と…」は聞き飽きた

あの鳩山のお坊ちゃま(ハトではなくサギ、カモとめまぐるしく変身し、
最後はガンで終わった)を大将に担いだオメデタイ政党である。
トップの顔がガンからカンに替わっても体質は何ら変わることはない。
その証拠が、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件から
派生した一連の外交的失態と敗北である。

一歩後退したら、相手は必ずその隙間を埋めるべく歩を進めてくる。
二歩後退したら、三歩も四歩も攻めてくる。これが外交のリアリズムなのに、
ノーテンキな鳩山のお坊ちゃまは、東シナ海を「友愛の海にしましょう」
などと提案し世界の失笑を買っただけでなく、
沖縄から米国海兵隊を追い出そうとまでした。
自分で自分の身も守れないのに、タダ飯食いの番犬など要らない、
と大見得を切ったのである。

その結果が今回の一連のドタバタ劇である。尖閣諸島に「領土問題など存在しない」
といいながら、対外的には「領土問題がありそうだ」という印象を与えてしまった。
結果的に声のでかい隣人(中国やロシア)の主張が通る、
というのでは、外交不在といわれてもしかたがない。

『君主論』で知られるマキアヴェリの人間観は実に単純なものだ。
要約すれば「人間はみな悪党だ」というに尽きる。
そこにはいかなる種類の感慨もなく、およそ空想といったものも存在しない。
目に見えたままの人間を語ろうとしたら、「みな悪党だ」という結論に至り、
そのことを遅疑なく言い放ったのだ。

民主党政権に言いたいのは、「健全なリアリストであれ」という一言だ。
「平和」だとか「友愛」だとか、いたずらに観念の符丁を振りまわすのではなく、
リアリズムに徹してくれ、と言いたいのだ。

政治を空想化してはならないし、イデオロギーの対象にしてもいけない。
必要なのは空想を交えない、リアリストによる確実な一手だ。

この間の民主党政権による外交的失策によって、
日本国民のストレスは爆発寸前にまで高まっている。
そしていまだに、鬱憤のはけ口を見出せないまま、
気ぶっせいな日々を送っている。

僕もふさぎの虫に取りつかれた者の一人だが、首相官邸外務省自民党
(クリックしてください)へはしっかり抗議のメールを送っておいた。
僕一人では何の力にもなり得まいが、それが幾千幾万の声となれば、
少しは政治を動かせるかもしれない。the Silent Majority(声なき民)が
いまこそ沈黙を破る時なのだ。

あの盗っ人猛々しい隣国にも、もちろん抗議の手紙文を送ったが、
相変わらず梨のつぶて。それでもめげずに抗議文を送り続けるつもりだ。

学生運動の華やかなりし頃、良くも悪くも若者たちは政治に関与したが、
今は見る影もない。student powerなど幻想で、薬にしたくともありはしないのだ。
嘆かわしいことだが、これもまた現実だ。

僕のブログを読んでくださっている人たちに一言。
健全な愛国者(nationalistではなくpatriot)を自任するのであれば、
黙して語らずというのではなく、どんな形であれアクションを起こしてほしい。
事なかれ主義こそが他国の侮りを招くのである。

ささやかなものでいい、自分の主張をカタチに表すのだ。
幸い、インターネットという情報発信装置が手もとにある。
中国はそれを巧みに世論形成の道具に使っている。

政治家どもの「粛々と……」を待っていたら日が暮れてしまう。
中国やロシアの横暴をただ指をくわえて見ているだけではだめなのだ。
悲しいけれど、うるわしき謙譲の美徳が通用するような相手ではない。
「無理が通れば道理引っこむ」では、世の中、真っ暗やみでございます。

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