2016年3月15日火曜日

千三つ屋を大統領に!

民主党と維新の党がくっついて「民進党」になるという。
当然ながら「なりふりかまわぬ野合」と斬って捨てる声は少なくないが、
せめて党名でも変えて心機一転の〝めくらまし〟をかませなければ、
党の存続すら危ぶまれる、というのだから、新党の脈はすでに上がっている。
「羊頭をかかげて狗肉を売る」といったら台湾本家の民進党(正式名は民主進歩党
には失礼だろうか。〝民進党日本支部〟に雁首ならべた有象無象は、
せいぜい見かけ倒しの狗肉売りに精を出すことだ。

日本では「リベラル」というと、いかにも知的な感じがして聞こえがいい。
辞書で引くと「自由主義を重んじるさま、進歩的な人」などとのんきなことが書いてある。
字面を追うだけなら、ボクなんかまさにリベラリストそのものだが、
日本のリベラル派というのはちと趣を異にする。その特徴をいくつか挙げると、
●すでに崩壊している社会主義に、今もって心情的なシンパシーを寄せている。
●何かというと反体制、反権力を気取りたがる。
●自分は安全地帯にいながら、口先だけで革新や改革を唱える。
●いつだって「反自民」で、朝日や毎日の社説をオウム返しに言う癖(へき)がある。
●「若い頃はゲバ棒で機動隊とやり合ったんだ」が孫への唯一の自慢話。

また一般に「保守=タカ派」「リベラル(革新)=ハト派」というイメージもある。
おまけに「タカ派=好戦的」、「ハト派=平和的」と考えられてもいる。
政治や歴史に不案内な人たちは、改憲を唱える保守タカ派の自民党などより、
ハト派のリベラル政党に投票したほうが日本の平和が保てそう、
などとつい考えてしまいがちだが、実際はそうではない。
平和主義者が多いリベラル政党のほうがむしろ危ういのである。

アメリカではいま、大統領選の予備選が繰り広げられ、共和党のトランプ候補
や民主党のサンダース候補の奮戦ぶりが報じられているが、考えてみれば、
片や「千三つ屋(せんみつや)=不動産屋」のトランプで、こなた「社会主義者」の
サンダースというのだから面白い。三流役者のレーガンだって立派な大統領だった
のだから、千三つ屋が大統領になれない道理はないけれど、不法移民の流入が
絶えないからとテキサスとメキシコとの国境にthe Great Wall(万里の長城)を
築いてしまえ、というのだから笑える。

テキサス州とカリフォルニア州にはスペイン語の地名が多い。
なぜならもともとメキシコの土地だったからだ。テキサスはかつて
メキシコの一州だったが、奸智にたけたアメリカはテキサスに移住したアメリカ人に
独立運動を指嗾(しそうし、いったん独立させた後、自国に帰属させてしまった。
メキシコ人の側からすれば、
「もともと俺たちの土地じゃないか、そこに移住して何が悪いんだよ!」
という理屈だろう。
クリミア半島のロシア帰属をアメリカはしきりに非難するが、
「そんなもん、言えた義理かよ」というのがボクの言い分である。

さて話を戻すと、アメリカ民主党リベラル派(日本の旧民主党も同じ)の危うさについてである。
アメリカという国は〝世界の警察官〟みたいに言われているが、実際は〝戦争屋〟と
呼ぶほうがふさわしい。それも民主党政権の時に多く戦争が起きている。

第2次世界大戦はどうか。あれは民主党のルーズベルト政権の時だった。
広島と長崎に原爆を落としたのも民主党のトルーマン政権。同じく朝鮮戦争
もトルーマン政権で、ベトナム戦争も介入に踏み切ったのは民主党のケネディ政権
だった。そしてケネディの跡を継いだジョンソン政権が本格的な武力介入をおこなった。
つまり世界を揺るがした戦争の多くはリベラルな民主党政権時代に起こったのだ。
民主党=ハト派で平和的というイメージが強いが、実際は逆なのである。

何度もいうが、ボクは日本ではタカ派の自民党を支持し、
アメリカでもタカ派の共和党を支持している。だから、「千三つ屋」トランプの
怪?進撃にはいくぶん戸惑ってもいるのだが、民主党のクリントンやサンダースが
大統領になるよりはマシだろうから、いまはただ静観するのみだ。
リベラル派ぎらいが嵩じると、千三つ屋でも三百代言(ルビオ候補のような弁護士あがり
でも応援したくなってしまうのだから、自分でもいやになる(笑)。

さて日本では7月に参院選が実施される。
「変わりばえしない自民党より衣替えした民進党のほうがよさそうね」
などとは、くれぐれも思わないことだ。民主党政権時代のあの〝混迷の3年半〟を
決して忘れず、「左翼リベラル政党=愚者の群れ」と肝に銘じることである。

いくらお色直しをしようが中身はまったく変わっていないし、変わりようがない。
相変わらずの愚者の群れで、こんな奴らに税金でタダ飯を食わせてやっているのか
と思うと胸クソ悪くなり、心悸まで昂ぶってくる。
※脚注 国会議員の歳費(給料)は年間2200万円ほど。それに文書通信交通費やら政党交付金やらが加えられますから、
年間4400万円ほどがふところに入ります。この金で豪遊し、不倫をし……いや、失礼。マジメな議員も少しはいます。

再三くり返して恐縮だが、鉄血宰相ビスマルクの名言をひとつご披露する。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

←千に三つも本当のことを言わない、
千の物件のうち三つくらいしか成約が
ならない、という意味から不動産屋は
「千三つ屋」と蔑まれました。不動産屋には
娘を嫁にやらない、とまで言われました。
今はもちろん違いますが、この千三つ屋の
王といわれるトランプ氏。意外や、歴史に残る
名大統領になったりして……


※追記
ちなみにボクは改憲論者ではありません。
自主憲法制定論者」です。
なぜなら現行憲法は日本が主権を失っていた時期に
制定されたものだからです。つまり近代憲法としての
正当性をそもそも欠いているのです。したがって
速やかに廃棄し、新憲法制定に着手すべきなのです。護憲派はその
意味でも日本人としての矜恃を欠いた隷属的精神(メカケ根性ともいう)
の持ち主という外ありません。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ROUさま、

久方ぶりに駄文を書き込みます。
乞許。

崩壊した社会主義と仰っておられますが、
どっこいこの国の社会民主主義は健在かと。

所得税の累進性は他国の非ではない
世界に類を見ない国民皆保険がある
低所得者に対する国民年金負担免除、生活保護支給

もちろん額に対する不満不平はあるでしょうが。

しかしながら、貴兄や小生には今後創設されであろう支援、補償制度はほぼ関係ないでしょう。

まぁ、言葉を選ばなけりゃ、

この国は金持ちから巻き上げて貧乏人に与えるという立派な社会民主主義国家ですよ。

さてそれを良しとするのか、って事なんですが。

憲法論に関しては諸手を挙げて賛成いたします。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様

おっしゃるとおりです。マルクスだって草葉の陰で、
(俺の理想を実現してくれた国は日本しかないな……)
と、しばし感慨にふけっていることでしょう。

それにしても共和党が千三つ屋、民主党が三百代言(ヒラリーは弁護士でした)
で、11月の本選に臨んだとしたら、これは見ものですね。

そしてトランプが勝ったりしたら……たぶん支那とロシアは大喜びでしょうね。
パックス・アメリカーナもこれで終焉を迎えます。

日本でいったらユニクロの億万長者・柳井正社長が首相になる、といった感じでしょうか。
有能な側近で脇を固めれば、なんとかなる、というレベルの話でもなさそうだし……
共和党の主流派はいま、頭を抱えていると思いますよ。

そういえばブッシュ(子)が大統領になったとき、アメリカで最凶の保守コラムニスト
のコールターがこう言ってます。
《リベラルの人たちはハンディキャップのある人が努力して社会で成功するのを
賞賛しているわ。だったらブッシュのことも認めるべきよ。彼は知的障害にもかかわらず、
大統領にまでなったんだもの》

トランプがブッシュよりマシかどうかは知りません。神のみぞ知る、です。