2015年11月2日月曜日

君は夢見がちな眼をしていますか

ザ・モンキーズのヒット曲に『Daydream Believer』というのがあります。
軽快なリズムの、ちょっとおセンチな曲で、ボクも若い頃よく口ずさんだものです。
このDaydream Believerというのはどういう意味かというと、
白昼夢にふける人とか夢想家、空想家というような意味です。

なぜこんな前フリをするのかというと、日本のインテリ層にはこのDaydreamerが
殊のほか多いからです。彼らはたとえばこんなふうな言い方をします。
「戦争だなんて口にする人間がいるから戦争が起きる。
そうした人間は平和の敵であり人民の敵なんだ」
平和にな~れ!〟と呪文のように念じていれば日本は未来永劫安泰で、
つまりは〝神州不滅〟なのだ、というのであります。

こういうのを「念力平和主義」という、とボクは幾度となくブログに書き、
この夢想家たちを批判していますが、彼らは意外にしぶとくて、
いまや若者たちの間にもその〝念力主義〟が蔓延しつつあります。
若者というのは総じて「正義感」のかたまりで、おまけに「軽躁」のかたまりでも
ありますから、すぐかぶれてしまうのです。

ボクも夢見がちの眼をしてるときがありますが、それはたいがい目の前に
妙齢な女性(にょしょう)がいるときに限られていて、ふだんは常にリアリストで
あろうと努めております。ですから、日本の平和は「憲法9条」があるおかげ、
などというたわごとはいっさい信じません。戦後日本の平和はまちがいなく
「日米安保条約」と「自衛隊」によって保たれてきたのです。

パレスチナとの抗争が絶えないイスラエルでは、子供をグループで外へ連れ出す
ときには引率の教師は自動小銃を持つことが義務づけられています。彼らは
自分以外の誰も信じません。そうしなければ生きてゆけない厳しい現実が目の前に
広がっているからです。

かつて日本の某学者先生はこんなことを言いました。
「日本の安全は国連軍に守ってもらえばいい」

このノーテンキな学者先生はおそらくマキャヴェッリの『君主論』なんて読んだことが
ないのでしょうね。マキャヴェッリの人間観はご承知のように、
人間なんて、どいつもこいつもみな悪党だ
とする〝スーパー性悪説〟に立脚しています。これは単なる感慨とか空想といったもの
ではありません。目の前の人間をつぶさに観察してみたら、みなしょうもない悪党ばかり
だった、と遅疑なく言い放っただけです。

もちろんイスラエルの民は徹頭徹尾「性悪説」を支持しているでしょうし、
パレスチナの民も同様でしょう。いや、世界的に見れば性悪説に立っている
人のほうが圧倒的に多数派なのです。

しかるに、日本には「東シナ海を友愛の海にしましょう」などと寝言をいう元首相が
いるくらいですから、「性善説」を支持する人たちが殊のほか多いのです。
彼らには共通した特徴があります。多くが朝日や毎日といったおめでたい新聞を
読んでいて、そのせいかどっちかというと右脳より左脳が重くなるという病癖があり、
どうしても身体が左に傾いてしまうことです。

また彼らは押し並べてDaydream Believerで、厳しい現実には目をそむけ、
鵞毛のように軽い観念論や美しい抽象論をふりかざします。
よろずイデオロギー優先ですから、その理屈に合わない現実は自動的に
オミットされてしまうのです。差別用語かもしれませんが、
彼らは「あきめくら」なのです。

性悪説の元祖ともいえるマキャヴェッリはこんなことを言っています。
私はあらためてくり返す。国家は軍事力なしには存続不可能である、と。
それどころか、最期を迎えざるをえなくなる……(中略)……君主国で
あろうと共和国であろうと、どこの国が今までに、防衛を他人に任せたままで、
自国の安全が保たれると思ったであろうか

500年以上前に生きたマキャヴェッリがいま生きていたら、東洋の果てに
その〝マヌケな島国〟があったと腰を抜かすほど驚くにちがいありません。
なんと言っても日本には、「非武装中立」を大まじめに唱えていた政党が
ありましたからね。民主党の前身である旧社会党であります。

日本国憲法前文にはこうあります。
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して
われらの安全と生存を保持しようと決意した》と。
つまり、日本人の生存権自体を、心やさしき〝諸国民〟
の手にゆだねております、ということであります。
その諸国民とは支那、ロシア、北朝鮮、韓国といった国々です。
日本の隣国は平和を愛し信義を守る素敵な国ばかりです(笑)。



きつ~い冗談はさておき、
夢見るドリーマーになるのか、それとも冷徹なリアリストを貫き通すのか。
あなたはどちらがお好みですか?





←500年前に生きたニッコロ・マキャヴェッリ。
目的のためには手段を選ばない非情な
〝マキャヴェリズム〟という言葉によって
いまに知られています。

4 件のコメント:

田舎者 さんのコメント...

嶋中労さま

こんにちは!

「人間なんて、どいつもこいつもみな悪党だ」の一句を読み
母親の言葉を思い出しました。それは。

『お人よしではバカにされてしまうんだよ』

50にしてそれが肌身で感じるようになりました。何でも間でも
『はい』と引き受けているとそれを上手く利用する人がいます。
また別の場面ではそこを突くような人もいるのが現状です。

それと同じような事が日本国にも国民にも当てはまると思います。

優しさと厳しさの両方を備え経験しそれを踏まえた上での優しさや
厳しさが出来る人が理想なのですが。
優しいだけでは駄目。厳しいだけでも駄目。

生きるということは経験することですね。


ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

田舎者さま

ボクはリアリストを自任していますが、
完全なマキャヴェリストではありません。

どいつもこいつも悪党だ、なんて思っていませんし、
田舎者さんはお人好しではあるが悪党だとは思えません。
「なごり雪」 の旦那も、やたらモノをくれる人だから
たぶん悪党ではないでしょう。

物くれる人はいい人だと『徒然草』にも書いてあります。

ボクは時に優しいですが、時に粗暴な悪人に変身します。
それはボクより〝悪い奴〟を目にしたときです。

「悪い奴は徹底的にやっつけろ!」
これはわが家の家訓です。ですから、悪人を前にした時はそうとう凶暴になります。
ただ警察ですでに傷害容疑でDNAを採られていますから、正当防衛でない限り鉄拳は振るえません。
だから、まずこっちがボコボコにされてから、反撃に移るという感じでしょうか。

たしかに優しいだけではダメ、厳しいだけでもダメ。
その匙加減は経験に学ぶしかないでしょうね。




木蘭 さんのコメント...

しまくろうさま、こんばんは。(^^)/
とってもご無沙汰しておりました木蘭でございます。
法要やら法話会やらお堂の大掃除やら、
薪割りやら・・・←これは関係ありません。

昨日は大きな脚立を三つも引っ張り出して、
ペンキ塗りにいそしんでおりました。
高い場所はあまり好きではないので、
すごいへっぴり腰(^-^;


とっても懐かしいですね~ザ・モンキーズ。
子供のころ、テレビは外国の番組が多かったように思います。

わんぱくフリッパー・名犬ラッシー(コリー)・名犬ロンドン(シェパード)・サンダーバード・
トワイライトゾーン・ベンケーシー・超人ハルクなどなど。

モンキーズのテレビドラマもあり、
Daydreamーbeliever(←英語苦手です。スペル間違っていてもご容赦を)は必ず流れていました。
歌えませんが私も好きな曲です。


私も夢見ます。

日本の将来が素晴らしいものとなることを、
自分の来世が良いものとなることを。

でもそのために、
現状をしっかりと見極めて生きていかなければ、
良い未来は決してあり得ません。

自分の将来や来世がどうなっていくか。
現状の自分自身のが変わらなければその先は決して変わりません。
自分を取り巻く環境もどんどんと変化し続けています。
なのに自分が変わらないでいて、
どうして将来や来世を変えていくことができるでしょう。

自分の将来や来世は、
自分自身が作り上げていくのです。

国もまったく同じです。

日本を取り巻く現状を把握しつつ、
日本自体が変わっていくことにより、
日本自身で未来を作り上げていくのです。

夢見ることはいいことだと思いますが、
現状を直視しない限り、
良い未来を構築することはできません。


進歩的文化人って、
ほんとうはあんまり頭がよくないのかもしれませんね~(笑)

さて睡魔が襲ってきて、
書いていることがわけわからなくなってしまったのでこのへんで(笑)

風邪、温かくしてお大事にしてくださいね。

おやすみなさい。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭さ~ん!

お久しぶりです。貴嬢のブログがなかなか更新されないので、
さぞお忙しいのだろうな、とは想像しておりました。
ペンキ塗りとか薪割りとか、僧籍にあってもやることは俗界と同じなんですね。
とにかく、木蘭さんは稀代の〝おっちょこちょい〟でありますから、
脚立から落っこちて腰骨を折ったり、首の骨を折ったり(←死んじゃうよ)、
がとても心配です。くれぐれもムリをしないように願います。

さて、進歩的文化人の話が出ましたが、ご指摘のとおり、彼らはほとんど〝くるくるぱー〟です。
民主党のオカダとかエダノといった幹部は最高級難度のくるくるぱーで、もう処置無しであります。

彼らは決して現実を見ようとしません。
まずイデオロギーありきで、現実をむりやりイデオロギーに合わせようとするんです。

彼らの理論はソ連崩壊とともに完膚無きまで否定されたはずなのですが、
マルキストはそうは考えません。理論は正しい、やり方がまずかった――こう強弁するのです。

もうやめましょう、サヨクの話は。バカが感染するかもしれませんから(笑)。

木蘭様、これから寒さも厳しくなります。くれぐれもご自愛くださいね。
しまふくろうはそのことばかり気にかけております。