2013年7月6日土曜日

会津びいき

今月末、家族揃って会津に出かける。
ボクは根っからの会津ファンで、『ある明治人の記録ー会津人柴五郎の遺書(中公新書)
は、ボクが感動した本の最右翼、とブログでもたびたび紹介してきた。
読み始めると巻措く能わず、涙なしには読めやしない。

《いくたびか筆とれども、胸塞がり涙さきだちて綴るにたえず、
むなしく年を過して齢(よわい)すでに八十路(やそじ)を越えたり》

《戦闘に役立たぬ婦女子はいたずらに兵糧を浪費すべからずと籠城を拒み、
敵侵入とともに自害して辱めを受けざることを約しありしなり。わずか七歳の
幼き妹まで懐剣を持ちて自害の時を待ちおりしとは……》

後に「義和団の乱」の防衛戦で活躍し、世界中から称讃された会津人・柴五郎は、
会津戊辰戦争で祖母や母、姉妹が自刃。官軍に降伏後、下北半島の僻地に移封され、
筆舌に堪えがたいほどの悲惨な飢餓生活を送る。その無念さを胸に明治を生き、
華やかな維新の歴史から抹殺された暗黒の史実に光を当てる。
これは敗者が懊悩の果てに語った感動の歴史秘話だ。

NHKドラマの「八重の桜」とは関係ない、というとウソになるが、
ドラマは見ていないので、直接触発されて「会津旅行」を企画したわけではない。
ボクはすでに馴染みだが、女房や娘たちが会津の土をまだ踏んでいないというので、
かつて薩長の地を訪れたわが家の女どもに、
「薩長を知って会津を知らなきゃ片手落ちってもんだろう」
と、会津びいきのボクが急遽発案したものなのだ。

ドラマは見なかったが、綾瀨はるかは好きだ。
以前、NHKの『鶴瓶の家族に乾杯』という紀行番組を見た。
ゲストが綾瀨はるかで、訪問するところが主役を演じた舞台・会津若松市だった。

この時の彼女の言動ふるまいを見て、ボクはたちまち綾瀨はるかファンになってしまった。
美形でむちゃくちゃ可愛いというのもあるが、実に天真爛漫で気取りがなく、
まさに〝天然ちゃん〟を絵に描いたような女性なのだ。

俗に美人には32相あるという。瓜実顔に富士びたい、眼はぱっちりと鈴を張ったよう、
鼻は高からず低からず、口もと尋常、腰は柳に雪の肌……綾瀨はるかはこの32相を
すべて備えている。

昔、松坂慶子がまだ若く、そんなにデブチンでなかった頃、
渋谷のNHKの廊下ですれ違ったというボクの友人(NHK職員)は、
「あまりの美しさにボーゼンとし、頭がクラクラした」
と言っていた。その松坂の美しさに綾瀨はるかは匹敵する。

さて絶世の美女を形容するのに、こんな言い方もある。
たとえば「沈魚(ちんぎょ)」、よく知られているのは「落雁(らくがん)」、
閉月(へいげつ)」、「羞花(しゅうか)なんていうのもある。
泳ぐ魚は水底に沈み、飛ぶかりがねは目を回して落下し、
月は雲間に隠れ、花も羞じらってしまう……それほどの美人である、
ということなのである。「落雁」というのは菓子名にも残っている。
が、美女を形容する言葉だと知るものは少ない。

かつての出版社の同僚に会津若松出身の女性がいた。
綾瀨はるかをもう少しボーイッシュにしたような美人で、
〝勁草(けいそう)〟という言葉が似合う新島八重のような女性だった。

プール仲間のM女史の口癖は「ならぬことはならぬものです」。
ご母堂が会津出身で、
「これほどまでに頑固な女を私は知らない」
と呆れていたくらいだから、「会津=頑固もの」の定式はいまだ健在なのだろう。

会津戦争後、鶴ヶ城に残っていた二千人以上にのぼる藩士や商人、農民の死体は
官軍によって埋葬が禁じられ、城内には藩士たちにまじって女性や子供の腐乱死体も
散乱していた。多くは鳥のエサになったという。この酷薄な仕打ちを恨みに思い、
この地には、145年経ったいまでも薩長を憎む気風が連綿と受け継がれている。

かつて長州藩の本拠地だった萩市は1986年、
「戊辰戦争からすでに120年、もうそろそろ和解の時機では……」
と会津若松市に対して〝友好都市提携〟を結ぼうと呼びかけたが、
時期尚早なりと峻拒された経緯がある。青年会議所も同様である。

会津人にとって「先の大戦」とは大東亜戦争のことではない。
会津戊辰戦争のことなのである。そんな骨っぽい土地柄の会津に
13年ぶりにおじゃまする。「会津桐屋」の水そばが何とも楽しみだ。



←スペンサー銃を手にする新島八重。
綾瀨はるかちゃん、カッワイイね。
それにしても幕末の歴史を知れば知るほど、
会津藩は貧乏クジを引かされた、と思うね。
会津の犠牲の上に今日の日本があると思うと、
感慨深いものがあります。官軍だけでなく、
彼らの御魂も靖國はもとより、地方の招魂社、
すなわち護国神社に祀ってやれないものかしらねェ。

4 件のコメント:

木蘭 さんのコメント...

しまふくろうさま、こんにちは(*^^*)

毎日毎日お暑うございますね。
溶けてスライムになりそうな木蘭でございます。

会津へ行かれるとか。
いいですね~。
 
私の父方の実家が福島なのです。
残念ながら会津ではありませんが。

水郡線というとってもローカルな電車を使います。
東白川郡にある塙町という所です。

今はそこまで行かずとも千葉にいながらにして、福島の田舎の景色を見ているような毎日(笑)


お気をつけていってらっしゃいませ。


お話は変わりますが、
サンケイエクスプレスという日刊紙を御存知ですか。

明日のその新聞に私が載っておりますので、
もし「今日は100円くらいなら無駄遣いしてもいいか」と~気分のよい日であったならお買い求めてみて下さいませ。
(駅の売店で販売しているそうです)

お読み戴いたあとは、
泥ねぎを巻くなり、大根を巻くなりしても結構ですので(笑)

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭様

掛け違ったみたいですね。
ボクもシマフクロウとなってそちらにおじゃま
しておりました。

さて「サンケイエクスプレス」に木蘭さんが
掲載されるとか。しょうがねーなァ、100円
奮発すっか(笑)。

仰せのとおり、
読んだあとは泥付きゴボウかなんぞを丸めて
おきます。といいながら、こっそり記事を
切り取って額縁に入れたりして……ふふ。

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、
こんにちは。

全く下世話な話でございますが、ROUさんのお気に入りの綾瀬はるかちゃん、世には好まないという御人もおられるようでございます。

小生は比較的好ましいと思っておるのですが、まぁ、蓼食う虫も好き好きですからその逆があってもおかしくはございませんでしょう。

ただ、「私はこいつは気に入らん」と言ってはばからぬ御人はいささかKYのそしりを免れぬ気も致さぬわけではありません。

人は何かを褒めているのを聞くのは嫌いではないでしょうが、あからさまにこの人間は嫌いである、いけ好かないと言いうのは公私を問わず耳にするのはあまり気分のよきものではないかと思います。

よほど義憤に駆られての「嫌だ、嫌いだ、許せん」はわからぬではありませんが、まぁ、何にせよ人様を悪しく思うにせよ、それはその人の心の内に留め置くのがゆかしいと思う次第。

またいずれ。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様
同感です。

で、結局、何が言いたいわけ?

蓼食う虫も好きずきで、どういうわけだか
ボクはNICKさんのこと愛しちょるわけ。

あなたもまた蓼が好きなくらいだから、
ボクのことを好いちょる。
でもって、時々、仲良くタンデムなんかして
「気色悪ッ!」と世間のひんしゅくを
買ったりするわけさ。

ボクはルーピー鳩山とか民主党の無脳?議員
の悪口を言ったり、「公平と正義」を
重んずる〝諸国民〟を悪し様に言ったり
してるけど、こういうのも心に留め置いた
ほうが奥ゆかしくていいのかねェ。

塩豆をかじりながら人の悪口を言う――これぞ
人生最高の快事、と誰かさんが言ってたな。

綾瀨はるかちゃん、カッワい~い。
異議のある奴は堂々と名乗り出ろィ!