2011年11月10日木曜日

やらさせていただきます

今さら国語の乱れを嘆いてみてもはじまらないが、
次女に以下のように問いかけたところ、こんな答えが返ってきた。

「最近、〈雰囲気〉を〈ふいんき〉と言う人が多いらしいけど、どうなの?」
「そんなの今やジョーシキ。私もときどき使うもん……」
事実、〈ふいんき〉と入力、変換キーを押し、しばらくして
ようやく「ハッ!」と気づくこともしばしばだという。
蛙の子はやはり蛙か。

「ふ・ん・い・き」だと「ふ」と「ん」に力を込め、ハッキリ発音しないと、
次の「い」へうまくつなげない。でも「ふ・い・ん・き」なら口をさほど
動かさなくてもスムーズに発音できる。横着なしゃべり方だけれど、
省エネでCO2の排出量も少ない、という理屈なのだろうか。

そういえば「山茶花」だって本来は「さんざか」が正解だった。
が、いつの間にか「さざんか」になり、今やすっかり定着している。
「ふいんき」が多数派になる可能性は大なのだ。

文化庁による世論調査によると、「ら抜き」言葉に関しては、
16~19歳では約73%が間違って使用しているという。最近では
「さ入れ」言葉も猛威をふるっていて、「読ませていただきます」は
「読ま<さ>せていただきます」となり、「行かせていただきます」は
「行か<さ>せていただきます」となる。

loopyな鳩山元首相がこの「さ入れ」言葉の名人で、今でも、
「お訴えを<さ>せていただきたい」「汗を流<さ>せていただきます」
などとやっている。おそらく閨房のしとねでも、幸夫人に向かって、
「今夜はがんばら<さ>せていただきます」などと、
ムスコともども頭を下げているのだろう。

笑っちゃうのは、東国原(そのまんま東)前宮崎県知事が、
自らの談合問題にふれた際、
「私も、かつて不祥事を起こ<さ>せていただきましたが……」
と口走ってしまったこと。あわてて言い直したというが、
これなんかは呆れるよりも思わず吹きだしてしまう。

言葉の問題はまだまだ言い足りない。
が、キリがないのでやめる。
結論はなし。オチもなし。
ただ憮然としている。


4 件のコメント:

Nick’s Bar さんのコメント...

ROUさん、

こんにちは。

「ふ・い・ん・き」は十分ありえますね。

「サザンカ」のみならず「アキハバラ」
「アタラシイ」も同様の音韻交代を含んでいますから。

これは、人間の発声構造に由来するもので、何らかの意図をもって発生しているものではありません。

他方、「さ」いれは・・・、
ご指摘の通り亡国の某総理大臣が日本に遍く流布させて去っていきましたね。


困ったもんです。


ということで、こっちもオチはなし。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICKさま

そう、おっしゃるように
「あらたし」が正しいのに、
「あたらしい」が定着し、
「しだらない」が正しいのに
「だらしない」になってしまった。


もっとも「順風満帆」を、
昔は「じゅんぷうまんぽ」と
読んでいた人がけっこういたのに、
今は「じゅんぷうまんぱん」に
正されてるから、「誤」→「正」
という流れもたまにはある。

どっちもどっちだ。

のぶじい さんのコメント...

「竜胆」、野草のリンドウの漢名表記です。これはどう読んでも「りゅうたん」、「りんどう」と読ませるには、相当な無理があるよね。
 一説によれば、「りゅうたん」が訛って「りんたん」になり、更に「りんたん」が訛って「りんどう」になったということですが、ここは一つ「日本語の妙」とでもしておきましょうね……。
 ところで、「竜胆」とは、文字通り、竜の肝ということです。
では、熊の肝は……。熊の肝は「熊肝」と表記し、「のうたん」と読みます。つまり、「竜胆」は「熊肝」に対して付けられた名前なのですよ。
 もともと「竜胆」とは 、リンドウの根を乾燥させて作った「生薬名」のこと。これはもの凄く苦く、最高レベルの苦さをもつ「熊肝」よりも更に苦いという意味で「竜胆」なのだそうな。
江戸時代以前は、熊よりも上のランクの動物は、竜の他は考えられなかったということ。
 僕の舌は味に鈍感、つまり「NO舌」(ノータン)なので、本物の「熊肝」(のうたん)がどれほどの苦さなのか知りませんが、「竜胆」の苦さは、それを超えるというから相当苦いことが想像できるよね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

のぶじい様

モモチャンは元気でしょうか。
ブログ(「のぶじいのぶろぐ」)の中で一番好きなのぶじいのセリフは
「うんこもOK」です。

うんこの良否は健康のバロメーターだからね。
毎日、快食快便なら言うことないです。

リンドウの話、勉強になりました。
「ノータン」ならぬノータリンのボクにも
よーくわかりました。おかげで
お通じもよくなりそうです。