2010年9月6日月曜日

Just surviving

坊さんの次は留学生がしばらく泊まっている。
台湾系のドイツ人で、次女と英国留学時に知り合った。
日本語は分からず、英語とドイツ語をしゃべる。
ドイツ語は昔かじった記憶(←おいおい、あんたはドイツ文学科卒だろうが)
があるが、憶えているのは哀しいかなIch liebe dich.(おめのごと、好ぎだっぎゃ)
くらい。冗談でも、こんな台詞をうら若き乙女を前に口にするわけにはいかない。

連日、呼吸困難に陥るほどの猛暑が続いているが、
この元気印の乙女は、炎天下の中、アパート探しに奔走している。
1年間通うW大学に近いところで、家賃5万以下の物件を探そうというのだ。

これがないのである。僕の住む埼玉・和光市だって7万が通り相場。
駅前の不動産屋で聞いたら、「5万以下ですと、川を越えませんとねえ……」
と困惑顔。「川っていうと、この先の黒目川ですか?」と聞いたら、
「いや、新河岸川です。つまり川越までいきませんと……」

憧れの日本に来たけれど、ねぐらの確保に四苦八苦。
政府は2020年までに留学生を30万人受け入れる、などと大風呂敷を
広げているが、受け入れ環境は貧しく、アパートの確保さえままならない。
デフレといっても世界標準からすれば、都心の諸式はまだまだ高く、
金のない留学生は学業よりアルバイトに精を出さなくてはならない。
これで「留学生30万人計画」とは笑わせる。

それにしても、どうなってるんだこの暑さは。
How are you? と聞かれたらJust surviving(なんとか生きてるよ)
と青息吐息で答えるしかないくらいの猛烈な暑さだ。
実家の老母はなんとかsurvivingしてくれているだろうか。
暑さ寒さも彼岸までというが、へたすりゃ干乾しになって
文字どおりの彼岸に行っちまうかも。

安く上がるならルームシェアしてもいいんですけど、と留学生のUさん。
「ただし、中国本土の人とはちょっと……」と条件付き。
同じ漢人同士ではあるけれど、中国本土の人間や外省人とは
席を同じうせず、というわけか。台湾海峡もまっこと熱いぜよ!

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ROUさん、こんにちは。

「憧れの日本にやってきたのに・・・」の件は面白いですね。

来たくないのに、送られてしまったわけではないのですから、その「四苦八苦」も含めて日本を体現してもらうのがよろしいかと思います。

昔「ウサギ小屋」と揶揄されたこともありますが、その現状は何ら変化してるわけじゃないですから。

「グローバルスタンダード」とやらは一体何をもってそういうのか、新しい切り口を見つけてもらえれば、それはそれでそのスタンダードには当てはまらない日本のよさをご理解いただけるのではないでしょうか。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様
 ま、そういうふうに考えれば肩肘張ることもないでしょうね。たしかにグローバル・スタンダードなんてものは幻想だろうし、むしろそんなものはないほうがいい。髪振り乱してアパート探しに奔走するというのも、彼女にとってはいい経験になるでしょう。
 で、さっき連絡を受けたのですが、大学の寮に入ることに決めたそうです。ルームメイトが中国本土の女性だからイヤ、と拒否したら、都合よく別の部屋に入れてくれたそうです。最後までTaiwaneseの意地を見せてくれました。